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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【PCX160編】走りと利便性に優れた大人スクーター最適解

先月はDio110・ベーシックを生活にフル活用して、「即買いで!」と結論づけた岡崎静夏さん。

「でも私の生活圏と遊び方だと、高速道路に乗れる排気量帯も魅力的で……」というわけで、今月は久しぶりの対面となるPCX160を相棒に。

日常的な高速道路利用にムリを感じない動力性能

ようやく、ライディングに最高の季節を迎えましたね。全日本ロードレース選手権は、私が参戦しているJ-GP3クラスは4月13~14日にツインリンクもてぎで開幕。その1週間前の木・金曜日に走行テストがあるのですが、このロケを実施した段階では、テスト後の日曜日に袖ヶ浦フォレストレースウェイでウィズミー主催の「CBファンミーティング2024」に参加し、火曜日には「小室旭のバイクに乗ろう!バイクで遊ぼう!」で筑波サーキットをCB1300スーパーフォアで走行予定。CBを2回挟んでのJ-GP3ですから、きっとレースでは軽々とマシンを振り回せることでしょう。

それはともかく、今月はPCX160をしばらくお借りして、その走りや利便性を再確認しました。

久しぶりに乗ってみて、あらためて感じたのは、私の体格にはジャストサイズということ。車体は基本的に124cc仕様のPCXと共通化されていますが、一般的な原付二種と比べたら大柄で、でもいわゆるビッグスクーターほどの重さやボリュームはありません。この適度な車格が、市街地での扱いやすさと、高速巡航時の安心感を両立してくれます。

PCX160の排気量は156ccで、日本では高速道路や自動車専用道路も走行可能。最高出力は15.8psですが、少なくとも私の体重と体格なら、問題なく普通に高速巡航できます。新東名のような120km/h区間だとさすがに余裕はないですが、例えば首都高速や70~80km/h制限の自動車専用道路なら、無理せずとも流れに乗ることが可能です。

一般道では、さらに力強さが光ります。車重は133kgと、そのルックスから想像するよりも軽く、エンジンには低中回転域トルクがあり、自動変速機のセッティングも絶妙なので、出足からかなり機敏。しかも伸びやかに加速が続いてくれるので、ストレスフリーで走れます。

タンデムでも、一般道ならエンジン性能の余裕は十分。しかもPCXシリーズは、タンデムシートの居住性がかなり優れているので、二人乗りの機会が多い人にもオススメです。

スポーティな走りも街中の小回りも安心

タンデム側だけでなく、ライダー側のシートもよく考えられていて、前後の段差は低めに見えるのに、後ろに座ったときにライダーのヒップをしっかりサポートしてくれる形状。足を前に投げ出せるスペースもありますが、しっかり膝を曲げてフットスペースの平面部分に足を置き、くるぶしでフロアトンネル部をホールドすることで、より車体のホールド性が高まり、スポーティに楽しみやすくなるし、高速巡航時の安定感を高めることにもつながります。

まあもっとも、そこまでシビアな操縦を考えなくても、PCXシリーズは優れた走行安定性を発揮してくれます。これにつながる大きな要素が、14インチ径のフロントホイールと長めのホイールベース。巡航時だけでなく、ブレーキング時にも安心感があるのがPCXの長所です。

しかも、中高速走行時は安定志向でありながら、低速域ではかなり多めに確保されたハンドル切れ角が効いて、機敏なマシンに変化。Uターンや狭い路地での取り回しは、驚くほど簡単です。「ここは切り返さないと無理かなあ……」なんて場面でも、かなりイケてしまうので、日常使いでもとにかく便利!

現在のPCXシリーズには原付二種版と今回お借りしたPCX160があり、そのどちらを選択するかが迷いどころ。原付二種版のほうが車体価格は4万500円安く、軽二輪と比べてランニングコストもやや低めに抑えられます。

でも私なら、PCX160をチョイスします。これは、私の日常生活圏に都市高速や自動車専用バイパスが多くあることが大きな理由。多少のコストアップだとしても、高速道路やバイパスを使うことで時間を短縮できることのほうが、私にとっては重要度が高いからです。しかもPCX160なら、エンジンの力強さと車体の安定感があるため、都市部の高速道路やバイパスを頻繁に使っても、まるで不安はありません。

日常の移動ツールとしてだけでなく、走りが上質かつ快適で、スクーターとしては楽しさもあるので、短中距離のツーリング用としても最適。シート下には荷物をたっぷり積めるので、「道の駅を巡って旬の野菜や特産品を買い込む」なんて、私が大好きな遊びにもぴったりです!

PCX160:SHIZUKAの評価

1)スタイリング:都内の一等地を含め、どこに置いてあっても安っぽさで浮かない点が魅力。テールランプをはじめ、細かい部分にこだわりも感じます。

2)スポーツ性:スクーターとして考えたら、かなりスポーツできるという印象。上りを含め、ワインディングを軽く流す程度ならかなりイケますよ。

3)ツーリング:無意識で加減速や旋回ができるけど、それを楽しむことも可能。荷物も簡単にたっぷり積めるし、意外とツーリングが楽しいバイク!

4)街乗り:通勤通学の短距離移動だけではなく、“街ブラ”みたいな使い方もできるオシャレ感。狭い場所では大きなハンドル切れ角が効きます。

5)コストパフォーマンス:普段使いからちょっとしたツーリングまで幅広く活用でき、この乗り味で、高速道路も走れることを考えたら、納得プライスです。

SHIZUKAのお気に入りポイント

【旋回にも減速にも直進にも効く前輪】
軽二輪スクーターの中には12インチ以下の小径ホイールを履く車種もありますが、PCX160のフロントホイールは、路面から受ける外乱の影響が少なく走行安定性に優れた14インチ径。ハンドリングに安心感があるのが魅力です。

【都市や大人に合うデザインと車体色】
洗練されたルックスとカラーリングで、高級住宅街に置かれていても浮かなさそうな質感。ブラウンまたはグレーの車体色は、マット調でありながらメタリック塗装で、これもエレガントで大人っぽい雰囲気につながっています。

●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2024年6月号)の内容を編集・再構成したものです。

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