母娘でツーリングしてみたい。
そんな風に考えた2人が出かけたのは房総半島の勝浦市。
久しぶりにバイクに乗るというお母さんの有子さんと娘の亜美さんはCB250Rで日帰りツーリングに出かけることにしました。
▼前半はこちら!
今回は勝浦のツーリングスポットなどを巡っていく様子をご紹介することにしましょう。
絶景の展望台で太平洋を眺める
2台のCB250Rで勝浦方面に出かけた内野さん母娘。
有子さんの旧友、田井さんの勝浦塩政策研究所を出てから向かったのは植村記念公園です。
道中にはこんなアドベンチャーな雰囲気のトンネルなどもあったりしました。
滴り落ちる水で路面が濡れているし暗くて状況も見にくい場所でしたが、乗りやすいCB250Rだったから特に不安もなかった様子。
植村記念公園は勝浦港を通り過ぎた高台にあって、勝浦湾から太平洋までを一望できます。
絶景を楽しむことができるのに奥まった場所にあるので観光客も少ない穴場スポット。展望デッキのベンチに座ってノンビリと景色を楽しむことができます。
この日は海も穏やかで、目に染みそうなほど真っ青に輝いていました。朝日や夕日の時間帯になると優しい日差しが周囲を照らし、夜は漁港や勝浦の夜景を楽しむこともできます。
ずっと海を眺めていたくなってしまう場所なのですが、今回はレンタルバイクの日帰りツーリングなので、そんなにノンビリしていることもできません。
絶景を楽しんだらランチへと出発です。
過去最強の海鮮丼を堪能
実は2人、目をつけていた食堂がありました。
勝浦港の前にある市場食堂「勝喰(かっくらう)」です。
勝浦港で水揚げされた新鮮な海鮮を使った料理で人気のお店。植村記念公園に行くとき店の前を通過していて、美味しそうな店だと気になっていたのです。
勝浦では地元グルメの「勝浦タンタンメン」も有名です。
最初は何を食べるか迷っていたのですが、勝喰を見つけた瞬間、2人の頭の中はお刺身モードに一色になってしまった様子。
2人が頼んだのは大人気の海鮮丼。
漁港の眼の前にあるからお魚が美味しいのは当然かと思われるかもしれませんが、お刺身って新鮮ならなんでも良いというものではありません。
魚によって選び方や寝かせ方などいろいろなノウハウが必要になります。
この店では目利きのご主人が旬の魚の中からよりすぐりのものを仕入れてお刺身にしています。
厳選された素材を使い、魚を知り尽くした調理人さんが料理しているからお刺身のレベルがとっても高いのです。
「今まで食べたことがないくらい美味しいね」と2人から笑顔がこぼれます。
食事が終わって帰ろうとしたら、女将さんと娘さんがお見送りに来てくれました。
母娘でツーリングだと聞いてビックリ。
「かっこいい」と感動しています。
つい話し込んでしまいましたが、旅先での人との出会いはグルメや景色よりも思い出に残るものになるかもしれません。
住所:千葉県勝浦市浜勝浦401
電話:0470-62-5533
営業時間:10:30~14:00 17:00~20:00(日曜日 10:30~15:00)
定休日:水曜
▶ 勝浦港市場食堂勝喰
海の見えるカフェで景色とスイーツを堪能
お腹がいっぱいになった2人ですが勝浦を味わい尽くしたいという気持ちは止まりません。
次に訪れたのは海岸沿いにあるバンザイカフェ。
海を見ながらスイーツとコーヒーを楽しむためです。
オーダーしたのは有子さんがベイクドチーズケーキ。
そして亜美さんはガトーショコラ。
もちろん2人で交換しながら楽しみます。
丁寧に作られたケーキはどちらも上品な味で、思わず景色を忘れて食べるのに夢中になってしまったほど。
実はこのお店、フードメニューが充実していて名物のタンタンパスタは地元の人達からも絶賛されています。
そんな話を聞いて「次来たときはランチも食べてみようね」とすでに勝浦再訪のことを考えている2人なのでした。
勝浦土産を買って締めくくり
美味しいものを食べて満足した2人が最後に向かったのは国道128号線沿いにある「おさかな村」。
勝浦周辺でとれた海の幸を中心に扱っているおみやげ物屋さんです。
できたての干物は観光客に大人気。勝浦名物の「勝浦タンタンメン」も販売されています。
女将さんに焼いたばかりのアジの干物を振る舞ってもらった2人、その美味しさにビックリ。
新鮮な魚を使った干物は普通に売っているものとはまったく違いました。
匂いや雑味がなくて、美味しさだけが濃縮されている感じです。イケスで販売されている伊勢海老やアワビを見て「これで海鮮BBQしたいね」などと話しています。
削り節や海苔ももちろん地元産。田井さんの作ったお塩がここでも販売されているのを見つけてまた盛り上がっています。
最後は房総サイダーで乾いた喉を潤して帰路につくことにしました。
CB250Rだったから楽しめた
初めての母娘ツーリングに勝浦という場所はピッタリでした。
高速道路、ワインディング、街、海、美味しい食べ物とツーリングで大事な要素がすべて揃っていました。
色々と楽しめて、しかも距離的にハード過ぎないというバランスが絶妙だったのです。
2人とも今回のツーリングがとても楽しかったと言います。
「美しい景色も美味しいものも沢山あったけど、田井さんの勝浦塩製作研究所での体験は忘れられません。」(亜美さん)
「ツーリングも楽しかったんですけど、勝浦で出会った人たちがとてもイキイキとしているように感じました。都会のような忙しさがなくてノンビリとした時間が流れている雰囲気。景色と人との出会いに癒やされた感じがしました。」(有子さん)
初めての母娘ツーリングは気心が知れた家族とはいえ、お互いのことを気遣ったりしたこともあったようですが、それすらも楽しかったようです。
「母と2人で走ったのは感慨深いものがありました。不安なときはキチンとリードしてくれて、さすがに経験が豊富なんだなと関心しました。」(亜美さん)
「亜美と初めて走ったので、最初は少し心配していたけれど、思っていたよりずっと上手に乗れていたので、まったく不安なくツーリングすることができました。」(有子さん)
インカムはありませんでしたが、信号待ちで止まるたびに話をするのも新鮮な感じがして楽しかったようです。
ツーリングが充実したものになったのはCB250Rという存在があったからでした。
「色々なバイクを借りて乗ることがあるんですけど、最初はエンストしてしまったりしてバイクに慣れるまで少し時間がかかるんです。でもCB250Rは何も苦労しなかった。最初に走り出した瞬間から『楽しい』って思えるバイクでした。」(亜美さん)
「乗りやすいだけじゃなくて車格、シート高、ポジションなどが等身大という感じでした。これくらい軽いと何かあっても対処できそうだと思います。それと燃費がすごく良いですよね。今回のツーリングでリッターあたり40km弱も走っていました。経済的なことも魅力ですね。」(有子さん)
2人が楽しくツーリングを終えることができた最大の要因はCB250Rが乗りやすくて、ライダーに余計なプレッシャーを与えないバイクだからでしょう。
走っているときも常にリラックスしていられるから、色々なことを感じられる感性が引き出されていたのかもしれません。
【文/後藤威(外部ライター)】