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この秋行ってみたい富士山と富士五湖周辺のツーリングスポット【富士山の東側方面】

今や世界的な観光スポットとなった富士山は、バイクのツーリングスポットとしても様々な魅力に溢れています。
そこで富士山や富士五湖周辺へツーリングしようと考えているライダーのために、情報をまとめることにしました。

スポットが多いので富士山の東側と西側に分けていて、今回は東側方面編です。
西側方面を紹介した記事と合わせてお楽しみください。

絶景と走りを楽しむ「三国峠」

まずは三国峠。
見てください、この富士山の雄々しき姿。
富士スピードウェイのある静岡県小山町から山梨県の山中湖に抜ける三国峠は、素晴らしい眺望とワインディングを楽しむことができるルートなんです。


山中湖方面に向かって走っていくと、頂上を過ぎたあたりで富士山と山中湖が視界いっぱいに広がります。
私、ライターの後藤はこの景色を初めて見たとき、思わずヘルメットの中で歓声をあげてしまいました。

ワインディングは中速のコーナーが連続するので走りごたえもあります。
都心方面から道志道を通ってくる場合は山中湖湖畔に出たところで、再び左折すれば三国峠に行くことができますが、個人的には東名高速の足柄スマートインターから山中湖方面に向かうルートがオススメ。

静岡県側はワインディングが長いので走りも楽しむことができますし、頂上をすぎた瞬間、目の前にこの景色がドカンと現れたらテンションが上がることは確実だからです。

富士山の玄関口「富士スバルライン」

富士吉田市から富士山の五合目に向かう有料道路が富士スバルラインです。
富士山の五合目に行く道路は3つありますが(五合目は4つあります)、その中でも最もメジャーな道路だと言えます。
登山する人や御来光を見ようという人達の多くがこの道路を使います。

中速のコーナーが続くワインディングは走りごたえもあり景色も素晴らしいのですが、標高が高いので天気が変わりやすいことは頭に入れておくべきでしょう。
実は私、3日間富士山周辺にいたのですが、雨と濃い霧にたたられっぱなしでコーナーの写真を撮影することができませんでした。

天気予報を確認する場合は、富士吉田市だけではなく富士山の予報もチェック。
五合目のライブカメラも活用したほうが良いと思います。

天気が良ければ五合目の駐車場からは富士山の迫力ある姿を見ることができますし、秋になると紅葉と富士山のコントラストを楽しむことができます。

もしも特別な富士山の姿を見たいのであれば影富士にトライするという方法もあります。
富士スバルラインを管理している山梨県道路公社によれば10月に入ると御来光から15分後ぐらいに、五合目ロータリー西側の坂下バス駐車場付近で影富士を見ることができるとのこと。

暗い時間から富士スバルラインを登っていかなければならないことに加え、寒さ対策も必要なのでハードルは高くなりますが、静岡県側の宝永山を抱えた影富士は一見の価値があります。

▶ 富士スバルラインの営業状況についてはこちら

つづら折りのワインディング「御坂峠 旧道」

河口湖と甲府盆地をつないでいるのが御坂峠の旧道です。
昔は甲府と鎌倉を結ぶ重要なルートになっていました。

ヘアピンコーナーが連続することで知られているので、タイトなワインディングが好きなライダーならこの道はとても面白いはず。
現在は御坂隊道のトンネルがあるので、旧道は交通量が少ないのですが油断は禁物です。

道路は狭くてセンターラインがない区間も多く、曲がり込んだブラインドコーナーもあります。
河口湖側から天下茶屋に行く区間は路線バスも通行しているので、注意して走るようにしてください。

御坂峠にはグルメ記事で紹介している天下茶屋があり、ここからの眺めが有名。
昭和の文豪、太宰治が井伏鱒二とともにこの天下茶屋に滞在し、名作富嶽百景が生まれたと言われています。

天下茶屋には太宰治資料館が併設されていて、当時の太宰が滞在していた部屋も残されています。

天下茶屋は“きのこほうとう鍋”や“いもだんご”、“木の実味噌田楽”など、昭和初期から受け継がれてきた郷土料理をいただくことができます。

昼食がてら天下茶屋で休憩したら、ぜひ昭和の文豪が過ごした部屋を覗いてみてください。
当時と同じ建物で同じ料理を食べ、変わることのない富士山の姿を見ながら昭和の旅人たちの苦労に思いを馳せる。
御坂峠の旧道と天下茶屋なら、そんなしみじみとしたツーリングができるはずです。

御坂峠 天下茶屋
住所: 〒401-0304 山梨県南都留郡富士河口湖町河口2739 天下茶屋2階
営業時間: 10:00~17:00
店休日: 年中無休 ※冬期は天候により休業することがあります。
電話番号:0555-76-6659
▶ 御坂峠 天下茶屋の情報はこちら

富士五湖ツーリングのハブ「河口湖」

富士五湖はどの湖も個性的。
山中湖と河口湖は観光施設や飲食店も多く、西湖、本栖湖、精進湖は自然が多く残されています。

富士五湖だけを回るのであれば1日で十分なのですが、富士山や周辺のワインディングも楽しみたいとなると、盛り沢山になり過ぎて、どんなルートにするか悩んでしまうこともあります。
そんなときはまず河口湖をハブとして、ツーリングをスタートさせるのが良いかもしれません。
中央自動車道からのアクセスが良好で、どこへ行くのも便利な位置にあるからです。

河口湖周辺には観光名所や飲食店もたくさんあります。
富士山がキレイに見えることで有名な大石公園があるのも河口湖。春のネモフィラ、初夏のラベンダー、秋のコキアなど四季折々の花と富士山のコラボレーションを楽しむことができます。

グルメ記事で紹介している葡萄屋kofu ハナテラスカフェは大石公園に隣接しているので、スイーツ休憩がてら景色を楽しむというのもあり。

葡萄屋kofu ハナテラスカフェ
住所:〒401-0305  山梨県南都留郡富士河口湖町大石 字前浜1477-1 D棟
営業時間:10:00〜17:00
電話:0555-72-8180
▶ 葡萄屋kofu ハナテラスカフェの情報はこちら

大石公園、ハナテラスカフェともに大きな駐車場があるのでバイクも駐めやすいのですが、海外の人たちにも人気になっているのでいつも混雑しています。

でもそれも河口湖の魅力。

楽しそうな人たちに囲まれているとコチラの気分も明るくなってくるんですよね。

河口湖と西湖の北側を通っている湖北ビューライン。
河口湖は観光施設が多いので湖北ビューラインの東側は若干混み合っていますが、大石公園を過ぎたあたりから交通量は少なくなります。

河口湖から西に向かう場合、国道139号線がメジャーなルートなのですが、交通量も多くて渋滞することもあり、林に囲まれているので景色もあまり良くありません。
湖北ビューラインは遠回りにはなりますが、交通量も少なめでワインディングや景色も楽しむことができます。
ツーリングで行くのであれば、私は国道139号線よりも湖北ビューラインを強くオススメします。

自然豊か湖畔を走る「西湖」

湖北ビューラインで西湖まで来ると観光施設も減り、のんびりと景観を楽しみながら走ることができます。

西湖の湖北ビューラインも良いのですが、西湖南岸のワインディングも捨てがたいものがあります。
中速コーナーが多くて、とても楽しく走ることができるからです。

富士五湖はキャンプ場やアクティビティ施設を除くと湖畔までバイクで行ける場所が少なくなってしまいましたが、西湖の西岸にある根場浜は湖畔までバイクで降りることができる貴重な場所です。

バイクを浜に駐めて写真を撮る場合は、管理している西湖レストハウス(道路の反対側)にひと声かけるのがエチケット。
ゆっくりと散策したい場合は、道路沿いの無料駐車場にバイクを駐めて歩くこともできます。

走り応えのあるワインディング「ふじあざみライン」

ここからは富士五湖を離れて富士山の東から南方面の情報をお伝えすることにしましょう。
まずは“ふじあざみライン”です。

“ふじあざみライン”は富士山の東にある小山町須走から富士山五合目須走口まで続く道。

中速のコーナーが続き、比較的路面の状況も良好なので、とても走りやすいワインディングです。

富士山の五合目に行く道としては富士スバルラインや富士山スカイラインが有名です。
“ふじあざみライン”の到達点は標高2,000mと他の二つに比べて低いこともあり、あまり人気が高いというわけではないのですが、それは交通量が少なめだということ。
コーナーの楽しさと走りやすさでいえば他の二つの道路にまったくひけを取りません。

▶ ふじあざみライン規制情報はこちら

富士山の南側にも注目したい

富士山の周辺を一周する場合、南側にはツーリングスポットがあまり多くありません。
だから御殿場から富士山スカイラインを登っていくルートを考えるライダーが多いのではないかと思います。

でももし富士山の色々な表情を見てみたいというのであれば、自衛隊演習場の中を突っ切る国道469号線はとても面白いルートです。
3キロほどですが演習場の周辺は日本とは思えないような荒涼とした景色が続きます。

演習場を抜けたらそのまま国道469号線を直進。
富士サファリパークの手前を右折すると、草原の中を抜ける道路があります。

850メートルほどしかありませんが、ヨーロッパの郊外を思わせるような雰囲気です。

この道路からすぐ隣を通っている表富士エバーグリーンラインを使えば、富士山スカイラインに出ることができます。
富士山スカイラインに関しては、西側編で取り上げていますので、そちらと併せて見てみてください。

富士山・富士五湖のツーリングスポット東側編はいかがだったでしょう?
ここで紹介したルートをすべて走ったとすると、たっぷり1日は必要になるかと思います。
日本一大きな富士山周辺には、ライダーを魅了するスポットがたくさんあるので、何回かに分けて行くか、泊りがけで楽しんでみるのも面白いかもしれません。

▼富士山・富士五湖のツーリングスポット西側編

【文/後藤武(外部ライター)】

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