Hondaが展開する2台のEVスクーター「EM1 e:」と「CUV e:」。同じ電動コミューターでありながら、原付一種と二種という区分の違いによって、その役割や魅力はどのように異なるのでしょうか?本記事では、一般向けに発売されたHondaのEVスクーター2台を比較し、それぞれの特徴とメリットをわかりやすく解説します。
電動スクーターがもっと身近になる、Honda EVの「2つの選択肢」

【左】Honda「CUV e: 」(原付二種クラス)、【右】Honda「EM1 e: 」(原付一種クラス)
サスティナブルな未来を目指して、街中を走るクルマやバイクの風景が少しずつ変わり始めています。静かでクリーン、そして驚くほどスムーズな走りを見せる「電動モビリティ(EV)」の発展は、私たちの日常生活にも浸透してきました。
Hondaはこれまでもビジネス向けの電動バイクを展開してきましたが、一般のライダーに向けて「これからのシティライフ」を提案するパーソナルコミューターとして登場したのが、原付一種クラス(50cc相当)の「EM1 e:(イーエムワン イー)」と、原付二種クラス(125cc相当)の「CUV e:(シーユーブイ イー)」です。
「EM1 e:」は、普通自動車免許でも乗れる手軽さと、気軽に走り出せるシンプルさが魅力。毎日の買い物や通勤などが、もっと軽やかに、もっと自由に移動できる電動スクーターです。 一方、「CUV e:」は、原付二種クラスならではの動力性能と、先進のデジタル技術を融合させたモデル。幹線道路の流れにも余裕で乗れるパワーと快適性などを備え、移動そのものを「便利に楽しむ」ための機能が満載です。

この2台に共通しているのは、Hondaが長年培ってきた二輪づくりのノウハウと、着脱式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を核としたEVならではの合理性。バッテリーを取り外して屋内でも充電できる仕組みは、ランニングコストを抑えられるだけでなく、日本の住宅事情や都市部のライフスタイルとも相性が抜群。「EVはまだちょっとハードルが高いのでは?」というイメージを持つ人に対して、すでに日常の使い勝手や利便性においても現実的な性能を誇っています。
しかし、いざEVスクーターを選ぼうとしたとき、「今の自分にはどっちが合っているの?」「免許区分以外に何が違うの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「日常の移動はそろそろEVにしようかなぁ……?」と考えている方に、それぞれのモデルがどのような特徴を持ち、どんな人にフィットするのかを解説。EVスクーターが気になっている方はもちろん、「原付一種と原付二種で迷っている方」や「ガソリン車からの乗り換えを考えている方」にとっても、判断材料となる比較検証をお届けします。
クルマの運転免許があれば乗れる「EM1 e:」はEVスクーターはじめの一歩にピッタリ!【原付一種クラス】

Honda「EM1 e: 」メーカー希望小売税込価格 320,100円(Honda Mobile Power Pack e: 1個と、Honda Power Pack Charger e: 1個を含めた参考価格です)
2023年8月に登場したHondaのEVスクーター「EM1 e:」は、「暮らしになじむ、ちょうどいいe:スクーター」というコンセプトのもと開発された、一般ユーザー向けの電動モデルです。これからの時代に求められる新しい移動手段として、原付一種カテゴリーに位置づけられたEVスクーターとして誕生しました。
最大の特徴は、従来の原付一種クラス(50cc相当)のガソリンエンジンのスクーターと同じ免許区分で乗ることができる点です。原付一種として登録できるため、二輪免許を持っていなくても、普通自動車免許があれば運転可能。これまでエンジン車の原付に乗っていた人も、特別な準備をすることなくEVへ乗り換えられる手軽さが魅力です。
Hondaはこれまでにも、企業向けの電動二輪車や実証実験用モデルなどを通じて電動化に取り組んできましたが、個人のライフスタイルに寄り添う“日常の足”として本格的に一般市場へ投入されたモデルが、このEM1 e:です。

EVスクーターで気になるポイントのひとつが車両重量ですが、EM1 e:は92kgと非常に軽量に仕上げられています。これは50ccクラスのエンジンスクーターとほぼ同等の数値で、取り回しのしやすさにも大きく貢献しています。
シート高は740mmに抑えられており、車体全体もコンパクトなため、女性や小柄なライダーでも安心して扱える設計。通勤・通学、買い物といった短距離移動を、快適かつスマートにこなすことができます。
足まわりにはフロントディスクブレーキを採用し、ホイールサイズはフロント12インチ、リア10インチを組み合わせています。路面追従性に優れ、タイヤの選択肢が多い点も実用面ではうれしいポイントです。

駆動方式には、ホイール内にモーターを組み込むインホイールモーターを採用。定格出力0.58kWのモーターを搭載し、最高出力は2.3PS/540rpm、最大トルクは9.2kgf・m/25rpm相当を発揮。
チェーンやベルトといった動力伝達機構を必要としない構造になっています。そのためエネルギーロスが少なく、モーターの力を効率よく路面に伝えることが可能です。結果として、バッテリー消費を抑えながら航続距離の確保にも貢献しています。
さらに、駆動系の構造がシンプルになることで軽量化が図られるだけでなく、金属部品同士が噛み合うことによる駆動音も発生しません。走行中はモーター音以外のノイズが少なく、EVならではの静かでクリーンな乗り味を実現しています。
チェーン駆動のような注油や調整、交換といった定期的なメンテナンスが不要なのも、EM1 e:の大きな利点です。日常的な維持管理の手間やコストを抑えられる点は、毎日の移動手段として使う上で非常に大きなメリットといえるでしょう。
原付一種クラスの「EM1 e:」はこんな人におすすめ!
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原付一種免許や普通免許しかもっていない方
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保険を安く抑えたい方(ファミリーバイク特約を使いたい方)
- 軽くて扱いやすいバイクを求める初心者や小柄な方
- 街乗り中心で気軽に移動したい方
■制限速度:30km/hまで(原動機付自転車は、決められた条件の交差点で右折をする場合『二段階右折』が必要になります)■免許取得可能年齢:16歳~ ■二人乗り:× ■高速道路:× ■一充電走行距離:53km(30km/h定地走行テスト値)〈1名乗車時〉※バッテリーパック1個使用
二段階右折不要でタンデムもOK! 原付二種相当の「CUV e:」は電動スクーターの未来を変える!【原付二種クラス】

Honda「CUV e: 」メーカー希望小売税込価格 528,000円(車両本体および、走行に必要となるHonda Mobile Power Pack e:2個と、充電に必要なHonda Power Pack Charger e:2個を含めた参考価格です)
Hondaが2025年6月に一般向けに発売した「CUV e:」は、原付二種クラス(〜125cc相当)で展開される電動スクーター。都市部での移動をよりスマートかつ快適にすることを目指して開発されたEVモデルです。
2つの着脱式バッテリー『Honda Mobile Power Pack e:』を搭載することで、原付一種相当のEM1 e:に比べてパワーや走行可能距離も大幅に向上。より広い行動範囲での移動にも対応できる一台として開発されています。
外観はシンプルでありながら先進性を感じさせるデザインを採用しており、フルLEDライトやスッキリとしたプロポーションにより、街中での存在感も確立されています。原付二種クラスらしい余裕あるスタンスと、EVならではのクリーンな印象が両立されたスタイルです。

走りの面では、Honda独自の定格出力0.98kW電動モーターを搭載し、最高出力8.2PS/3,500rpm相当、最大トルク2.2kgf・m/2,300rpm相当と原付一種以上の動力性能を実現しています。これにより、幹線道路や郊外路でもしっかりと交通の流れに乗ることができ、日常的な移動のストレスを軽減します。
CUV e:には電子制御による3つの走行モードが用意されており、標準の「STANDARD」はバランスの良い走りを、「SPORT」は電動ならではの力強い加速を、「ECON」は航続距離を意識した走りを楽しむことができます。また、狭い場所での取り回しを助ける「リバースモード」も備わっており、日常のさまざまなシーンで快適な操作性を追求しています。

バッテリーは2基のHonda Mobile Power Pack e:を車体下に搭載しており、1基あたりの容量は約1.3kWhです。合計でおよそ2.6kWh分のエネルギーを搭載でき、1回の充電でおよそ50〜70km程度(使用環境により変動します)の走行が可能。バッテリーは車体から取り外して室内で充電できるため、自宅や職場などでも手軽に充電できるという利便性があります。
インストルメントパネルには見やすいTFTディスプレイが採用され、走行情報やバッテリー残量、航続可能距離などが直感的に把握できます。また、Honda独自のコネクティビティ機能「Honda RoadSync Duo」に対応したモデルでは、スマートフォンと連携してナビゲーション表示や音楽再生、通話なども画面で操作が可能です。

実用面では、フラットで広いフロアや収納スペース、USB-Cポートなど日常の使い勝手を高める装備も充実しており、通勤・通学だけでなく、買い物や週末の街乗りなど幅広いシーンで活躍します。さらに、Honda SMART Keyシステムによって、ポケットやバッグから鍵を出すことなく車両のロック/アンロック、エンジン始動ができる利便性も魅力のひとつです。
総じてCUV e:は、原付二種の機動力とEVの快適性を高い次元で結びつけたモデルです。原付一種にはない走行性能や距離感を求める人にとって、日常生活から気軽な郊外の移動まで、行動範囲を広げてくれるEVスクーターです。
原付二種クラスの「CUV e:」はこんな人におすすめ!
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原付一種の制限(30km/h・二段階右折)を避けてスムーズに走りたい方
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一般道を車と同じ流れで走りたい方
- パートナーや友人を乗せてタンデム走行も楽しみたい方
■制限速度:60km/hまで ■免許取得可能年齢:16歳~ ■二人乗り:○(運転可能な免許取得から1年が経過している必要があります) ■高速道路:× ■一充電走行距離:57km(60km/h定地走行テスト値)〈1名乗車時〉※バッテリーパック2個使用
EVスクーターはメリットがいっぱい!これからの時代のシティコミューター

これまで街の移動を支えてきたガソリンスクーターに代わり、次世代のスタンダードとして注目を集めているEVスクーター。単に「ガソリンを使わない」というだけでなく、電動モビリティだからこそ実現できた新しい価値が、私たちの日常をより豊かに、そしてスマートに変えてくれます。
排出ガスを出さないクリーンな特性はもちろん、これまでのエンジン車では当たり前だった「振動」や「騒音」といったストレスからも解放されます。また、自宅で充電できる利便性や、構造がシンプルだからこそ実現した高い信頼性など、一度知ってしまうと戻れないほどの魅力が詰まっています。
ここからは都市生活に最もフィットする「EVスクーターならではのメリット」を詳しく紐解いていきましょう。
走りが静かでスムーズ!住宅街や夜でも安心して移動できる

EVスクーターに乗ってまず驚くのは、その圧倒的な静粛性です。エンジンを始動した瞬間のアイドリング音や、加速時の排気音が一切ありません。モーターが回るわずかな作動音のみで滑り出す感覚は、まるで滑空しているかのような心地よさです。
環境性能に優れ二酸化炭素を一切排出しないのはもちろんのこと、静粛性が高いため住宅街や深夜、早朝の移動でも周囲に気を遣う必要がないので、都市生活に最適化されたスクーターといえるでしょう。
例えば、早朝の通勤や深夜の帰宅時、ガソリン車だと住宅街でエンジンをかけるのに気を使ってしまう場面でも、EVスクーターならあまり周囲に迷惑をかけることなくスマートに出発できます。また、走行中の振動も極めて少ないため、長時間乗っていても疲れにくく、ヘルメット越しに周囲の音が聞き取りやすいという安全面でのメリットもあります。
充電式バッテリーでガソリン代よりもランニングコストが大幅に削減できる!

経済性の高さもEVスクーターが選ばれる大きな理由です。EVスクーターは1回の満充電にかかる電気代は、ガソリン代と比較しても驚くほど低コスト。日々の通勤・通学にかかる「燃料代」を大幅にカットすることができます。
また、Hondaの交換式バッテリーを採用しているモデルであれば、自宅のコンセントでスマートフォンのように充電できるため、わざわざガソリンスタンドへ立ち寄る時間や手間も不要になります。給油のために行列に並んだり、支払いの手間をかけたりする必要がなくなり、自宅を出る時には常に「満タン」の状態。このタイムパフォーマンスの向上は、忙しい現代人にとって何よりのランニングコスト削減と言えるでしょう。
環境にもエコロジーでメンテナンスフリーの車体設計!

地球環境に優しいのはもちろんのこと、オーナーにとって嬉しいのが「メンテナンスの簡略化」です。エンジン車には欠かせないエンジンオイルの交換、スパークプラグの点検、エアクリーナーの清掃といった作業が、EVスクーターには一切存在しません。
特に「EM1 e:」のようなインホイールモーターを採用しているモデルでは、ドライブチェーンやベルトの調整・注油すら不要になります。部品点数が圧倒的に少ないため、機械トラブルのリスクが低く、車両を長くクリーンな状態に保ちやすいのが特徴です。
ガソリン車スクーターと比べて定期的な整備項目が少ないことは、結果としてショップに預ける回数やメンテナンス費用の削減に直結します。「バイクはランニングコストがかかる……」というイメージを覆す、“日常の友”としての信頼性の高さがEVスクーターの真骨頂です。
今なら地域によって補助金も受けられる!

電動バイクへの乗り換えを検討する際、どうしてもネックになりがちなのが「初期費用の高さ」ですよね。しかし、クリーンでサステナブルなモビリティ社会の実現を後押しするため、国や自治体が実施している「補助金制度」を味方につければ、そのハードルはぐっと低くなります。
たとえば、Hondaの「EM1 e:」を例に挙げてみましょう。バッテリーと専用充電器をセットにした車両本体価格は30万円弱と、一見すると従来の原付一種よりも高価に感じられるかもしれません。ですが、ここで活用したいのが国の「CEV補助金」です。購入形態や条件にもよりますが、23,000円から最大で35,000円もの助成を受けることができ、実質的な負担額を大きく抑えることが可能です。
さらに見逃せないのが、地方自治体独自の支援策です。特に東京都などの一部自治体では、国とは別に数万円単位の非常に手厚い補助金制度を設けています。これら国と自治体の制度を「ダブルで活用」することで、トータルの助成額が跳ね上がり、結果としてガソリンエンジン搭載の原付スクーターを新車で購入するよりも、トータルコストでお得に乗り換えられるケースも珍しくありません。
このように、Honda「EM1 e:」は国の制度や地域の助成金を賢く組み合わせることで、購入時のハードルを賢く、大幅に下げられる点が大きな魅力です。これまで「EVは高いのでは……?」と二の足を踏んでいた方も、このチャンスを活かして次世代のスマートなバイクライフを検討してみてはいかがでしょうか。
▶Honda EVモデルの補助金制度についてはこちら
日常の移動をもっと便利に!EVスクーター生活はじめてみませんか?

これまで長年ガソリン車を愛用してきた方にとって、EVスクーターへの乗り換えは少し勇気がいることかもしれません。しかし、実際に走り出してみれば、その一歩が日々の移動をいかにストレスフリーに変えてくれるかに驚くはずです。
ガソリンスタンドの場所を気にしながら走る必要はなく、帰宅してバッテリーを充電器にセットするだけで、翌朝にはエネルギーが満タン。エンジンの振動や騒音から解放された静かな走行は、いつもの見慣れた景色を新鮮なものに変え、心にゆとりをもたらしてくれます。メンテナンスの手間が大幅に減ることで、より純粋に「移動の楽しさ」を享受できるのも大きなメリットです。
今回ご紹介した、シンプルで軽快な「EM1 e:」と、パワフルで先進的な「CUV e:」。どちらを選んでも、そこにはガソリン車では味わえなかった新しい体験が待っています。環境に優しく、家計にもスマート。そして何より、乗るたびに未来を感じさせてくれる。そんなEVスクーターとともに、これからの時代のシティコミューター・ライフをスタートさせてみませんか?
これからEVスクーターへの乗り換えや購入を検討している方は Honda二輪EV取扱店 まで是非お問い合わせください!
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【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】



















