連日の猛暑が続いています。
こんなとき、ツーリングルートとして考えていただきたいのが避暑地。
高原の爽やかな風を感じたら「やっぱり夏もバイクは気持ちいいな」と思うことは間違いありません。
ツーリングに最適なワインディングやグルメも多い場所が多いのも魅力です、
そこで今回は山が多い長野方面を中心に、避暑ツーリングのプランを考えてみました。
都心の気温が40度に迫ろうという時期に、このルートを実際に走ってきたのですが、涼しくてとても楽しくバイクを走らせることができました。
早朝の出発が鉄則
今回は中央自動車道を使用しました。
八王子料金所を通過したのは午前5時半。
行楽地に向かう渋滞も、まだ発生していませんでした。
夏のツーリングでは渋滞が始まる前に混雑ポイントを抜けるだけでなく、気温が上る前に標高の高い涼しい場所に到着していることが重要になります。灼熱の太陽の下、渋滞にハマって体力を消耗してしまったらツーリングどころではなくなってしまうからです。
須玉を超えたあたりから中央自動車道は標高が高くなっていくので、グングンと涼しくなっていくのがわかります。気温が上がってくる7時頃には涼しい地域に到達することができました。
長坂インターチェンジを降りたら北杜八ヶ岳公園線を使って八ヶ岳に向かって山を登っていきます。
山に囲まれた道路はとても涼しくて快適。
このあたりに住んでいる人に聞くと、夏でもエアコンが必要なことは殆どないとのことでした。
八ヶ岳周辺で立ち寄りしたいところ
八ヶ岳周辺は、バイクで走って楽しいスポットがたくさんあります。
じっくりと紹介したいのですが、今回は寄り道スポットだけを取り上げることにします。
一つは八ヶ岳高原ライン。
小淵沢から清里の近くまで八ヶ岳の麓を通っているこの道は、気持ちの良いワインディングが続きます。
景色も良いので、ぜひ走っていただきたいところ。
ただ、今回のルートでは最後まで走ると遠回りになってしまうので、途中で引き返すことにしました。
もしもフルで走りたいのであれば中央自動車道を小淵沢でおり、八ヶ岳高原道路で清里方面に向かうという方法もあります。
清里に戻ったら国道141号線、別名野辺山高原サラダ街道に入り、佐久方面に向かいます。
途中通過する野辺山には、JRで最も標高が高い場所にある野辺山駅があることで知られています。
国道から少し入った場所には鉄道最高地点のモニュメントもあります。
もしも時間に余裕があるなら、鉄道最高地点から2キロほど離れた平沢峠の駐車場もオススメ。
ここは遠くに八ヶ岳を見渡すことができる穴場的絶景ポイント。
駐車場にガードレールがないので、八ヶ岳をバックにした美しい写真を撮ることができるのです。
八ヶ岳、清里方面で朝食を取りたいところですが、ルート上で営業しているお店は見つけることができませんでした。
元気に1日走り切るためには朝食が欠かせないという方もいらっしゃるかと思います。
そんな場合は途中のサービスエリアなどで済ませるようにしてください。
サラダ街道に戻り、少し走ったところで出てくるのが南牧村農畜産物直売所。
朝9時から営業しているので、八ヶ岳高原ラインや野辺山周辺を走ったらちょうど良い休憩ポイントになります。
ここではソフトクリームをいただきました。
ベンチもあるので八ヶ岳を眺めながらソフトクリームやヨーグルトを食べることができるんですよ。
早朝から走り続けていたので、このくらいの時間に軽くスイーツをいただくと、とてもリラックスした気持ちになります。
メルヘン街道は絶好の避暑ルート
ソフトクリームを食べ終わったらサラダ街道を再び北上します。
佐久と北杜市をつなぐ幹線道路なのでトラックなどの交通量も多いのですが、この区間だけは少し我慢してください。標高は1,000mを超えているので、トラックと一緒に走っていても都心ほど暑さに悩まされることはないはずです。
15キロほど走ったらサラダ街道を外れて松原湖高原線に入ります。
この道は松原湖を過ぎたあたりから八ヶ岳ビューロードに名前が変わります。名前の通り、眺望が良いワインディングです。
八ヶ岳ビューロードを走っていくとメルヘンロードに突き当たります。
今回の避暑ツーリングで目玉コースの一つ。
メルヘン街道は佐久穂町から茅野市に抜けるワインディング。
ここがまた涼しいんです。
もしもメルヘン街道をフルに走りたいのであれば、141号線を佐久穂まで行ってメルヘン街道に入れば起点から走ることもできます。
この場合はコーナーが続く区間も35キロほどになるので走りごたえもあります。
最高地点の麦草峠は標高2127m 。
平均的な気温逓減率は100mで0.65℃(湿度や気圧などで変わります)なので、仮に標高30mの新宿区が39℃だった場合、麦草峠は14℃近く涼しい25℃くらいになる計算です。
定番の蕎麦にするかジンギスカンか
今回のルートを走った場合、メルヘン街道を走り終わったくらいでランチタイムになるはずです。
グルメライダーなら蓼科で蕎麦というのが鉄板でしょう。
蓼科は日本屈指の蕎麦激戦区。有名店がたくさんあります。
蓼科で蕎麦を食べると最短距離でビーナスラインに入ることができるので時間のロスがないというのもメリット。
ちなみにビーナスラインは別名蕎麦街道と呼ばれるくらい蕎麦店がたくさんあります。
しかし今回取材チームは敢えて蕎麦を食べず、塩尻峠に向かいました。
気温が高い町中を走ってでも行きたいランチスポットがあったからです。
それが塩尻峠のジンギスカンです。
冷たい蕎麦も捨てがたいんですが、お肉を食べてパワーをつけるという考えです。
諏訪湖の周辺は北海道と並んで古くからジンギスカンが伝えられ、現在も多くのジンギスカンのお店があります。
この地方の特徴は義経鍋を使うところ。
源義経が兜を使って煮炊きしたことから生まれたというこの鍋は、中央に水が入った小鍋があり、ここで野菜を茹でてお肉と一緒に食べます。
食事をしたのは塩尻峠にある焼肉縁結岡谷店。
諏訪湖を見下ろしながら食事をすることができます。
ジンギスカン定食は男性だとお肉2人前くらいがちょうどよい感じでした。
今回は一つをラムの塩焼きにしました。
タレを使わないのでラム肉自体の味がとても良くわかります。
住所:〒394-0001 長野県岡谷市今井1723-71
電話:0266-22-5843
営業時間:11:00~14:00、16:30~21:00
定休日:火曜日
Webサイト:焼肉縁結岡谷店
ビーナスラインを通って松本へ
食事をしたあとは諏訪から県道199号線を通ってビーナスラインを目指します。
やっぱりこのあたりを通ったらビーナスラインは外せません。
県道199号線は狭い道なので走りやすくはありませんが、道沿いを小川が流れている場所があったりして山深い感じも面白いのですが、もしも狭い道が苦手なのであれば少し遠回りすればビーナスラインに行くルートは他にもいくつかあります。
今回のルートではビーナスラインの途中から北側を走ることになります。
やっぱり人気のワインディングだけあって、景色、走りやすさは格別でした。
ビーナスラインを経由して松本市内に降り、1日目を終了しました。
松本市内の気温は都心より1、2℃低い程度でしたが湿気が少ないので都心のようなジトジトした感じはありませんでした。
今回通った八ヶ岳、メルヘン街道、ビーナスラインはどれも素晴らしい道で、立ち寄りたいスポットもたくさんあります。
もしも気になるところがあったら、一箇所をじっくり楽しむという方法もありかもしれません。
【文/後藤武(外部ライター)】