HondaGO BIKE LAB

楽しい環境は自分で作る。ホンダでレースをしてきたベテランライダーの行動力とバイクライフ

阿蘇市にあるヒバリカフェとヒバリグリルは、九州のライダーたちにとって憩いのスポットになっています。
オーナーの池田さんは、昔からのバイク好き。
単にバイクで走るだけでなく様々な活動を行い、バイクライフを充実させていました。

名門チームでレース活動

池田さんは16歳になると同時に免許を取得。原付で地元阿蘇を走るようになりました。
その後、中型免許を取得してNSR250Rを購入します。

衝撃的だったのは1988年モデルの通称「ハチハチ」でした。 

 

「87年式のNSR250Rから乗り換えたんですけど、凄いインパクトがありましたね。全然違うバイクに進化していました。」

 

18歳になった頃、池田さんはレースに参戦するようになります。
所属したのは九州の名門、Team高武(こうたけ)。

ホンダのレーシング部門RSCで、二輪と四輪のレースに参戦していた孝武さんが設立したホンダ系のサテライトチームで、若手ライダーの育成に力を入れていました。

ただ、池田さんは当時、そんなことを知らずTeam高武に入ったのだそうです。

阿蘇の大観峰で声をかけられて、レースに興味があるんだったらうちのチームに来ないかと言われて行くことにしたんです。九州にHSRやオートポリスといったロードレースコースができる前の年でした。

NSR250RでSP250クラスに参戦して九州ではランキング4位。その後は国内A級、国際A級と昇格していきます。
ホンダのライダーとして大活躍したレジェンド、宇川徹選手も池田さんとチームメイトでした。

チーム高武では他にも故加藤大治郎選手、ホンダからMotoGPに参戦し、現在はホンダ・アジア・ドリーム・レーシングの監督を努めている玉田誠選手、MotoGPやSBK(世界スーパーバイク選手権)で活躍し、現在はTOHO RacingからCBR1000RR-RでJSB1000に参戦している清成龍一選手など、そうそうたるライダーを排出していました。

レースからの引退を決意

10代からバイクにどっぷり使った青春時代を送った池田さんですが、20代前半でレースから引退を決意します。
理由はいろいろありますが、燃え尽き症候群的なものもあったようです。

サラリーマンとして働いたのち、生家のあった阿蘇市にハム・ソーセージを製造するひばり工房を立ち上げます。
その後ヒバリカフェ、ヒバリグリルをオープンさせ阿蘇方面にやってくるライダーに人気のバイクカフェになりました。
レースでも仕事でも一つのことに集中し、脇目もふらず結果を出すまで頑張るのが池田さんのやりかたでした。

当初は手探りで必死だった仕事も順調に動き出した30代の後半、精神的な余裕がでてきたこともあって再びバイクに乗りたいと考えるようになりました。
青春時代を過ごしたサーキットに戻りたくなり、まずはNSF100で走り始めて耐久レースにも参戦。

 

「レースはもちろんですが、サーキットを走るのも久しぶりでした。昔のような感じでは走れませんでしたが、とても楽しかったんです。」

 

無我夢中だった若い時と比べ、色々な意味で余裕が出てきてからこそ、純粋にサーキットやレースを楽しめるようになっていたのかもしれません。

本格的にサーキットを走るためにGROMも購入。
CBR250RRでHSRの7時間耐久レースにも参戦するようになりました。

こうした自身のバイクライフや情報を「ヒバリチャンネル」というYouTubeチャンネルで発信。

オリジナルグッズも製作します。
同じ気持ちでバイクを楽しむ仲間を増やしていきたいという気持ちがあったからです。

敷地内に昔からあった納屋もリノベーションし、ガレージとして活用。
当初は池田さんがバイクの整備をしたり、愛車を入れておくスペースとして考えていましたが、現在はヒバリカフェやヒバリグリルにやってくるお客さんたちにも開放しています。

順番を待つあいだ、バイクを眺めたりバイクの本を読んでくつろぐことができるようになっていて、ガレージを訪れるのを楽しみにやってくるお客さんもいらっしゃるようです。

池田さんにしてみると、バイク仲間が自分のガレージに遊びに来ているような雰囲気になるようです。

池田さんのアクティブな活動は少しずつ周囲の人達を巻き込んで、大きく広がっていきました。

そして独自のレース、ヒバリカップを開催します。
もちろん池田さん自身もライダーとして参加。

カフェやグリルのお客さんと一緒に1日を楽しみました。

昔から仲の良いレジェンド達もかけつけてくれてイベントは大盛況。
カフェのオーナーが企画したとは思えない豪華な顔ぶれでした。

忙しいライダーたちが、スケジュールを合わせてきてくれるというだけで池田さんが仲間をどれだけ大切にしてきたのかが分かります。
ヒバリカップは、コロナで一時中断していましたが、2024年からまた再開しています。

エネルギッシュで行動力のある池田さんだからこそ、仕事と遊びをリンクさせて成長させていくことができたのでしょう。
激戦のレースを戦い抜いて成績を収めていたときの経験と、考え方が原動力になっていたのかもしれません。

ガレージの片隅には池田さんのことを見守るように、現役時代に使っていたヘルメットが飾られていました。

そして最新のヘルメットも当時と同じパターンでペイント。

現在もあの頃の「熱い想い」を忘れず、身につけて走っています。

やっぱりホンダのバイクが好き

ストリート用にとCT125・ハンターカブと、Dax125を使用しています。

 

「どちらのバイクも発売されてすぐ購入しました。なんだか乗っているととても楽しくなるバイクですよね。同じホンダの125だけど、Dax125は後から登場したからエンジンも違いました。乗ってみてすごく進化していることにビックリしました。」

ヒバリカフェの周辺は田んぼに囲まれているので視界がひらけ、阿蘇の山々を見ながら走ることができます。
気が向いたときだけ周辺を走るだけでも楽しいのだそうです。

ガレージの片隅では最近入手したという、X-ADVの整備が始まろうとしているところでした。

次に欲しいのはHAWK 11

実は池田さん、次の増車候補として考えているバイクがあります。
それがHAWK 11なのだそうです。

▶ HAWK 11特設サイトはこちら

「以前から興味はあったんですが、HAWK 11のデザインを担当した人がお店にいらっしゃったことがあって、いろいろ話を聞いていたら『欲しい』という気持ちがドンドン強くなってしまいました。」

最近は年に数回ロングツーリングに行くという池田さん。
もしかしたら次のロングツーリングの相棒はHAWK 11になっているのかもしれません。

【文/後藤武(外部ライター)】

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