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走りの軽快さに驚く新型スポーツツアラー!『Honda NT1100』

NT1100

外部ライターの谷田貝です。
突然ですが乗ってきました!ホンダ新型スポーツツアラー『NT1100(エヌティー・センヒャク)』。
日本国内ではもう少し先の2022年3月17日に発売になるブランニューモデルです。

発売に先立ち、2月8・9日に媒体関係者向けの報道試乗会が千葉県 南房総で実施され、私もNT1100がどんなものか知りたくて喜び勇んで参加してきました。
ホンダ関係者によれば、全国のHonda Dreamから既に450台もの予約注文が、1月31日の時点で入っているそうです。

発売前の情報だけで年間800台の計画販売台数の半分を超えしまったというのですから、NT1100に対する市場の期待度の高さがうかがえるというものです。

NT1100/マットイリジウムグレーメタリック

マットイリジウムグレーメタリック

NT1100|メーカー希望小売価格:1,683,000円(消費税10%込み)

 

新型スポーツツアラー「NT1100」とは?

この新型車両 NT1100というモデルについて説明すると、キャラクター的には“ツアラー”と呼ばれる種類に分類されるバイクで、遠くまで旅行に出かけるツーリングを得意としたモデルです。

NT1100

カラーバリエーションは、マットイリジウムグレーメタリック(左)と右のパールグレアホワイト(白)の2色展開

ですから、遠くまで移動するために高速道路を快適に走れるよう、風よけのための大きなスクリーンを備えていたり、旅の荷物が積みやすかったり、旅が楽チンで楽しくなるような工夫がたくさん盛り込まれています。

また、このNT1100にはデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)と呼ばれるオートマチック変速機構が搭載されており、クラッチ操作やギヤチェンジはバイクが自動で行ってくれるのです。スロットル操作やブレーキ操作に集中できる分イージーに乗れて、しかもマニュアルミッション車に近いフィーリングでダイレクトな加速が楽しめるうえに、シフトショックが少なくとても快適なのも特徴です。

DCTを採用した排気量 1,082ccの水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ直列2気筒エンジン

 

NT1100乗ってみてどうだった!?

驚いたことにこのNT1100、乗ってみたら軽いんです!
確かに数値上では燃料満タンの状態で重さは248kgもあります。見た目も大柄で存在感のあるスタイリング。乗る前は逆に“ちょっと重そうだな・・・”なんて思って身構えてしまったのですが、むしろ逆だったのです。

では何が軽いのでしょうか? それは走った時の操作感。

バイクは走り出して、タイヤが回転し始めるとグッと安定感が増します。だからこそタイヤが2つしかないバイクが倒れずに走り続けられるのですが、ツアラーと呼ばれる種類のバイクはこの安定感が強めに設定されることがとても多いのです。
ずっしりと安定感のある走りのおかげで、高速道路などを走り続けるのが楽なんです。

NT1100

驚いたのはその走りの軽快感。この軽さは街中を走るようなシチュエーションでもとっても楽なんです。

 

ただその一方で、この安定感が強すぎるとUターンや交差点の右左折、いわゆる街中で乗る際の使い勝手が悪くなる傾向にあります。走りの安定感は、“走りの重さ”につながることが多く、ツアラーと呼ばれる種類のバイクはこの傾向がちょっと強めなんです。

ところがこのNT1100は、ツアラーに属するジャンルなのに、走りがとても軽やかなのだから驚きます。理由はフロントフォークを立て気味にレイアウトしたり、アフリカツイン由来のしなやかなフレームを採用するといった車体の設計はもちろんですが、軽量な17インチホイールを採用したり、重量物であるエンジンを車体の下側に配置するなどの工夫がされていることが大きいでしょう。

そのためNT1100は、市街地、右左折、信号待ちといった煩雑な状況でも軽快感があり、ものすごく走りやすい。我々は撮影のためにバイクでUターンをする機会がものすごく多いのですが、そんな場合にもNT1100ならとっても楽々。もちろん“リッター超えのマシンにしては”という但し書きはつきますが、それでもこの軽さはこのモデルの大きなアドバンテージです。

高速道路も快適だった!

では高速道路での快適性はどうでしょう?

いくら街中の走りが軽くフットワークの良いモデルとはいえ、ツーリングにおいて移動距離の大半を占める高速道路での性能が低くなってしまってはツアラーとして元も子もありません。

加速に関してはさすがはリッターバイク、排気量が1,082ccもあるのでパワーに余裕があり、合流も追い越しも楽々可能。しかも、このモデルにはクルーズコントロールシステムという、アクセルを開け続けなくても一定速度で走り続ける機能が備わっているので巡航走行がとても楽です。

NT1100

高速走行をさらに楽にしてくれるクルーズコントロールは3速以上のギヤで、50〜160km/hの車速で設定可能となっています。

また防風性に関しても「◎」。高さが最大164㎜、手動で5段階、角度にして13度も立てられる大型のスクリーンや、ディフレクターと呼ばれる風を車体の外側へと受け流すパーツが付いているおかげで、ライダーに走行風が直接当たらないようになっています。特にスクリーンを一番立てると走行風がほぼ全くと言っていいほど当たらなくなります。ゴールドウイングの防風性もすごいですが、僕的にはホンダのラインアップにおける防風性ナンバーワンは、今回の試乗でこのNT1100になりました。
この他、グリップヒーターも標準装備されていることもあるでしょうが、2月初旬というとても寒い時期の試乗会でしたが夏用グローブで走り切れてしまったほどです。

NT1100

NT1100は避風性に関して非常にこだわって作られており、スクリーンを下げれば風を浴びながら走ることができ、一方でスクリーンを上げれば風を避けて走ることができます。

さて気になる車体の高速安定性はというと、こちらも十分でした。
もし軽量な250ccや400ccクラスから乗り換えたのなら、そのあまりの快適さにびっくりすることでしょう。NT1100が“ツアラー”と呼ばれる理由がしっかりとわかるハズです。

NT1100

発熱して冬場や雨天時などの走行を楽にしてくれるグリップヒーターは5段階で温度調節が可能です。

 

NT1100の足つき性はどう!?

このNT1100、大柄な車格で迫力がありますが、足つき性はとても良かったです。
NT1100は820mmと大型バイクとしては標準的なシート高ですが、着座部分の車体幅もスリムなおかげで身長172cmの筆者の場合、両足のかかとが1cmほど浮く程度。もうちょっとで地面にベッタリ着くんじゃないかというくらい足着き性が良いから、車体をしっかり支えやすい。

いくら走りが軽やかで、高速道路が楽に走れたとしても、信号待ちでバイクを支える度に緊張してしまうようではやっぱり疲れてしまいます。この足着き性はツアラーにはとても大事なことです。もちろん、街乗りや二人乗り時にもこの足着き性のよさはアドバンテージになります。

820mmという低めのシート高とスリムに絞られたシート形状のおかげで足着き性はとてもいいと感じました。(ライダー/172cm)

乗車ポジションは、ツーリング時の疲れを軽減するためのアップライトなポジションに設定されています。

信号待ちなどでしっかりバイクを両足で支えられるのでとても安心感があります。

 

まとめ

よりツーリングを楽しくするカスタマイズパーツも豊富。サイドケースとパニアケースを装着すれば積載容量はなんと約115L。これだけの容量があれば、二人乗りで泊まりがけのツーリングに出ることだって十分可能です。

軽快感のある走りが特徴のNT1100は、街中が走りやすくて普段使いにも便利。しかも、それでいて高速道路を楽に走ることができる工夫がたくさん盛り込まれ、旅をより快適にするための積載系パーツも豊富。こんな1台でマルチに使えるバイクがあったら、街乗りだろうと、ロングツーリングだろうとついついバイクで出かけたくなりそうです。

今回の試乗は限られた時間での試乗となりましたが、NT1100とは、実際に荷物を積んで遠くへ出掛けてみたり、二人乗りをしてみたり・・・、じっくり時間をかけていろいろ試したくなりました。

次回の記事では、もう少しNT1100の機能を掘り下げてみていきましょう。
各種車体機能の他、スマートフォンを接続することで使うことができる、アンドロイドオートの機能も試してみましたが、これがとても旅で便利な機能でこの辺りをメインにご紹介したいと思います。お楽しみに・・・。

NT1100

Apple CarplayやAndroid Autoといったスマートフォンアプリと連携する機能を使えば、画面にナビ画面を表示することも可能。停止中はもちろん、走行中も音声による目的地検索などの機能が使えてとても便利でした。

NT1100 機種情報はこちら

※Android、Android Auto は、Google LLC の商標です。
※Apple CarPlayは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。

【文:谷田貝 洋暁(外部ライター)】

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