カブシリーズは年齢を問わず多くの人達から愛されています。
今回はスーパーカブ110とクロスカブ110を使い、21歳の若者2人がショートツーリングに出かけることにしました。
2台のカブは2人に色々なことを感じさせてくれたようです。
学生時代はバイクを我慢
渡辺さんは高校生時代に普通二輪免許を取得し、Hondaのネイキッドモデル、ホーネット250に乗っていました。
しかし、学生時代に生活費をすべてアルバイトでまかなっていたことから維持費が捻出できず手放しました。
4月からは社会人となりましたが、収入が安定していないためバイクを購入することは考えていないと言います。
高校の同級生とショートツーリング
そんな渡辺さんに、スーパーカブ110を使ってショートツーリングに行っていただくことにしました。
クロスカブ110で一緒に走る長野さんは高校の同級生。
免許を取得した頃は、いつも二人で走っていたそうですがそれは3年前のこと。
一緒に走るのは久しぶりです。
天気が良いので外でランチを摂ろうということで向かったのは、あきるの市にある「手作りパン工房スリール」。
地元の人達から愛されているパン屋さんで、ハード系のパンがとても美味しいことで知られています。
お弁当と違ってゴミも出ないし、食べきれなくても持ち帰ることができるのでパンのランチはツーリングの味方です。
親しみやすくて乗りやすい
カブ2台のツーリングは、以前中型のバイクで走っていたときとは違う楽しさがあったようです。
中型のバイクで走っていたときは、バイクで走ること自体に意味がありました。
でもカブで走るとバイクをあまり意識しないというか、バイクが自然と体に馴染んでくるような感じですね。
こんなふうに感じられたのはスーパーカブ110の乗りやすさと走行性能の高さが影響していたようです。
車体が軽くて、とても乗りやすいので、バイクを操っていることを意識しないですね。
気負わなくていいバイクだと思います。それでいてパワーは十分。色々な場所を走りましたが不満はまったくありませんでした。
ロータリーミッションの変速も気に入ったといいます。
ギアチェンジがわかりやすくていいですね。シフトペダルが大きくて操作しやすいし、カチャンという感じで確実にギアが入るから、「あれ、ギアが入ったかな」なんて不安になることがない「ギアを変えたぞ感」が楽しいです(笑)。
コーナーリング性能にも満足。
昔、中型のバイクで走っていたときはコーナーで恐る恐る走っていたようですが、今回はコーナーリングも楽しめたとのこと。
路面をグリップして走っている感じがして安心してバイクを傾けることができました。重心が低くて安定している感じです。
走りを楽しむクロスカブ110
天気が良いので景色を見ながら外でランチ。
買ってきたパンを食べながら長野さんと高校時代の思い出やバイクのこと、仕事などについて色々話しています。
ランチが終わったらクロスカブ110にも少しだけ乗ってもらうことにしました。
クロスカブ110に跨った瞬間「ぜんぜん違う」と渡辺さん。
レッグシールドがないし車高も高い。ハンドルとかの雰囲気も違います。
クロスカブ110って、なんかモタード系カブみたいですね。バイクをコントロールして楽しむためのポジションなのかな。レッグシールドがないと風の当たり方も少し違いますね。同じカブでもクロスカブ110は全身で風を感じて軽快な走りを楽しむバイクのように感じました。
スーパーカブは癒やしのバイクだった
実は渡辺さん、しばらくバイクから遠ざかろうと考えていました。
学生時代にバイクの維持費で苦しんだので、バイクのことを考えないようになっていました。
今は新しくスタートする仕事のことで頭がいっぱいなので、なおさらですね。今回のツーリングにも友達と一緒じゃなかったら参加していなかったかもしれません。でも2人で走ってみて「やっぱりバイクっていいな」と思いました。仲の良い友達と走れたこともありましたが、スーパーカブ110が心を癒やしてくれたような感じがします。
バイクに大事なのは速さじゃないんだって思いました。スーパーカブ110って、色々なことを感じたり、考えたりする余裕ができるくらいのパワーもあって、ひさしぶりにバイクに乗っても不安なく乗れる優しさがありました。
今年から社会人となって働く渡辺さん。
お金と心に余裕ができたら「バイクが欲しい」と思うのかもしれません。
そのときはスーパーカブ110が第1候補だと言います。
すごく苦労をしたからお金がかかるバイクは嫌なんです。大事なのはパワーと燃費、維持費のバランス。スーパーカブ110はこのバランスが最高なバイクだと思います。
確かにこの考え方だとスーパーカブ110を超えるバイクはないかも。
そして先ほど渡辺さんから連絡があり、仕事も順調にスタートした様子。
もしかすると近い将来、スーパーカブ110で長野さんとツーリングに行くことになるかもしれません。
【文/後藤武(外部ライター)】