いよいよ2024年のモーターサイクルショーシーズンが到来です。
ライダーの皆さんや、これからバイクに乗りたいと考えている方々はワクワクしているのではないかと思います。
そんな方々にモーターサイクルショーに展示される最新モデルの情報をお伝えしておこうと思います。
今回は発売以来高い人気を誇っているアフリカツインシリーズから、CRF1100L Africa Twin〈s〉とCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESをご紹介。
展示予定のCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESは、なんとモーターサイクルショーが日本初公開なんです。
果たして、今までのアフリカツインシリーズからどんなところが変わったのでしょう。
エンジンと機能面が大幅に改良された
アフリカツインシリーズは長い歴史を持ち、冒険を愛する人達から愛され続けてきました。
今回の変更ではエンジンとDual Clutch Transmission(DCT)、機能面などを中心に変更が加えられています。
まずはCRF1100L Africa Twin〈s〉とCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESの両方で変わった点をお伝えすることにしましょう。
エンジンが更に力強く乗りやすくなった
まずはエンジン。
圧縮比、バルブタイミング、吸気ポート、ECUなどの変更でトルクが最大7%も向上しています。
しかも最大トルクがこれまでより750rpmも低い5,500rpmで発生するところがポイント。
トルクはバイクの加速力に大きく影響する要素ですから、ストリートやツーリングなどでより乗りやすく、力強く走れるようになるはずです。
中速のトルクが増えたからといって最大出力が下がったりはしていません。
つまり高回転での気持ちの良い吹け上がりはそのままに、実用域での楽しさをアップさせたということ。
この特性はオフロードでも強い武器になるはずです。
エンジン特性にあわせて、デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)のシフトダウンのタイミングが早くなりました。
また、コーナーリング検出性能が向上し、発進や1速から2速への変速がより自然になるなどの改良が加えられ、より完成度が高められています。
念のために説明しておくとDCTは、ホンダ独自の自動変速トランスミッション。
イージーに走れて疲れが低減されるだけでなく、オフロードやスポーツライディングでもマニュアルとは違った楽しさがあります。
特にアフリカツインでは、多くのユーザーがDCTを選んでいるほどなのです。
CRF1100L Africa Twin〈s〉とCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESではマニュアル・トランスミッションとDCTの両方がラインアップされます。
機能面も充実
CRF1100L Africa Twin〈s〉とCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESは5段階調整式のアジャスタブルスクリーンを採用。
防風効果が高くなり、走行シーンにあわせて最適なスクリーン位置を選ぶことができます。
実際にマシンに跨ったらその効果の高さがイメージできるはずです。
カウルのデザインもより精悍になりました。
CRF1100L Africa Twin〈s〉とCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESではスクリーンの高さとアッパーカウルのデザインが若干異なっています。
さらに前後チューブレスタイヤとなっているのも嬉しいところ。
仮にパンクしても空気が急に抜けにくくなりますし、旅先での応急修理も容易になります。
どちらもユーザーにとってはありがたい装備です。
CRF1100L Africa Twin〈s〉の高性能サスペンション
CRF1100L Africa Twin〈s〉はオフロードでの走りを求めるライダーに支持されているバイク。
こちらのモデルにはオプションで実に魅力的な足まわりが採用されることになりました。
ショーワ製電子制御式ライドアジャストメント、ショーワ社製電子制御サスペンションEERA(Electronically Equipped Ride Adjustmentの略)です。
6.5インチ・タッチスクリーンを介してリアサスペンションのプリロードを変更できるばかりでなく、モードをMID/HARD/SOFT/OFF-ROADに切り替えることで、あらゆるライディングシーンで最適な減衰力に調整することが可能です。
最先端のテクノロジーはCRF1100L Africa Twin〈s〉の走りを更に引き上げてくれることになるでしょう。
CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESはオンロード性能が向上
本格的なアドベンチャーモデルとしてツーリングライダーなどから高い支持を得ているCRF1100L Africa Twin Adventure Sportsは別な方向に進化しました。
フロントホイールが19インチ化されたのです。
タイヤもワイドなものが装着され、これによってオンロード性能が向上しています。
シートにも厚いパットが採用されて快適性が向上しています。
防風効果の硬い大型スクリーンとの組み合わせで、長距離での疲労を少なくしてくれることでしょう。
モーターサイクルショーで現車のシートに腰を降ろしたら、旅に出たくなってしまうかもしれません。
2モデルの棲み分けが鮮明に
アフリカツインは1980年代に登場し、以来ずっと世界中のライダーの冒険心を刺激し続けてきました。
その方向性にブレはまったくありませんが、今回の変更で2つのモデルの棲み分けがよりハッキリしてきたといえるでしょう。
CRF1100L Africa Twin〈s〉は高いオフロード性能を追求して21インチフロントタイヤとストロークの長い高性能サスペンションを装備。
そしてCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESはオンロードでの性能と快適性を高めて、冒険の旅へと誘います。
実際にマシンを見比べて跨ってみれば、その違いがよく分かるはずです。
モーサーサイクルショーで、ぜひ進化したCRF1100L Africa Twin Adventure Sports ESをご覧になってください。
【文/後藤武(外部ライター)】