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HAWK 11(ホーク11)とCRF1100L Africa Twin(アフリカツイン)は同じエンジンだけど何が違う?ベースは同じロードスポーツとアドベンチャーの2台を並べて比較してみた

アドベンチャーモデルのCRF1100L Africa Twinと、ロードスポーツモデルのHAWK 11。
どちらも全く違ったスタイルのバイクですが、実はどちらも同じエンジン、同じフレームを使ったバイクなんです。

今回はそんな2モデルの比較検証。
ベースは同じですが、比べてみるとココが違いました!

大きさは全然違う

2モデルを並べてみるとまず大きさが明らかに違いますが、よく見るとベースは同じというのがわかると思います。
先に登場したのはCRF1100L Africa Twinで、その後CRF1100L Africa Twinのエンジンとフレームを使ったロードスポーツとしてHAWK 11がデビューしました。

HAWK 11は一般的な大型バイクとほぼ同じサイズ感で、小排気量クラスに比べると大きいですが、大型バイクとしては小柄な部類だと思います。
対してCRF1100L Africa Twinは車高が高くフロントカウルが大きいため、大型バイクの中でもかなり大きい部類です。

● CRF1100L Africa Twin:(全長)2,330mm×(全幅)930mm×(全高)1,475mm
● HAWK 11:(全長)2,190mm×(全幅)710mm×(全高)1,160mm

まず大きな違いとしてHAWK 11はセパレートハンドル、CRF1100L Africa Twinはアップハンドルです。

HAWK 11のセパレートハンドルはトップブリッジの下にマウントされた本格的なセパハンのため、姿勢も前傾になります。
CRF1100L Africa Twinはアップハンドルでポジションも楽ですが、オフロードを意識したハンドル幅なので横幅が広くなっています。

タイヤサイズも大きく違うポイント。

HAWK 11は前後17インチと一般的なロードスポーツバイクと同じサイズ感です。
対してCRF1100L Africa Twinは前21インチ、リア18インチと太さは違えどオフロードバイクのインチサイズ。
当然ハンドリング面でも大きな差となっているポイントです。

ライディングモード変更やトラクションコントロールなど搭載されている機能が違うため、メーターデザインも変わっています。

写真左のHAWK 11のメーターは反転液晶タイプでスピードやタコ、ライディングモード変更など基本的機能プラスαをシンプルに収めたデザイン。
写真右のCRF1100L Africa Twinのメーターはスマホが丸ごとメーターになったような液晶タイプで基本的機能だけでなく、電制サスペンションの設定やCarpalyなどHAWK 11以上にたくさんの機能が詰め込まれています。

搭載されている機能が違うため、当然 操作するスイッチボックスも違います。

写真左のHAWK 11のスイッチボックスは最低限の操作ができるシンプルな作りですが、写真右のCRF1100L Africa Twinのスイッチボックスはボタンを使ってゲームが出来るんじゃないかと思うほどボタン数が多くなっています。

最初はボタンが多すぎて複雑でしたが、いざ乗ってみるとこのくらいのボタンがなきゃ全ての機能を操作できないので、中身に見合ったボタンの多さとなっています。

CRF1100L Africa Twinは電源ポートが標準装備

CRF1100L Africa Twinのカウルには左にシガーソケット電源、右にUSBポート電源が用意されています。
USBはCarplayなどで使用するものですが、長距離を走る想定のため最初から必要な機能は備わっているバイクです。

一方 HAWK 11は外部電源は用意されておらず、コンセプト通り週末の空いた時間を短時間楽しむ用のシンプルな装備となっています。

CRF1100L Africa TwinはDCTもラインアップ

CRF1100L Africa TwinにはDCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)モデルも用意されており、大型AT免許でも乗ることができます。
DCTはクラッチ操作を必要とせず、エンジンをかけて右スイッチボックスのDボタンを押せば、あとはスロットル操作だけで発進、その後シフトチェンジを自動で行ってくれるものです。

ほぼATなんですが、左スイッチボックスのマイナス、プラスボタンで任意のギアに変更することが出来るため、クラッチ操作がないだけで走り出してしまえばMTとほぼ同様に走ることができます。
注)CRF1100L Africa Twinのみの設定でHAWK 11にDCTタイプには設定されていません。

 

意外にも足つきがいいのはCRF1100L Africa Twin

身長168cmのライダーが跨ってみるとこんな感じ。
ポジションが大きく違いますが、HAWK 11はかかとが少し浮くのに対し、CRF1100L Africa Twinはベタ足です。

一見HAWK 11のほうが足つきが良さそうに思っていたので、実際比べてみて意外な部分でした。
理由はポジションもありますが、シート形状にもありました。
シートの高さ自体は2台ともそこまで変わりませんが、シートに座って足を降ろしたときに足が真っ直ぐ降ろせるのがCRF1100L Africa Twin、HAWK 11はサイドカバー部が少し横に出ていて真っ直ぐ降ろすことができないため、少しの差ですがCRF1100L Africa Twinのほうが足つきが良くなっていました

ですが、HAWK 11は車重が軽いので大型バイクに慣れている方なら片足つま先でも余裕で支えることができると思います。
一方、CRF1100L Africa Twinは車重も少し重く、重心が高いため、ベタ足じゃないと安心して支えられないので結果どっちにもメリット・デメリットはあるように感じました。

取り回しはCRF1100L Africa Twinに軍配

重量が違うこの2台ですが、車体をまっすぐの状態で押し引きしている分にはさほど変わりません。
しかし明らかに違うのは押し引きでの切り返しやUターンなどハンドルをフルに切って操作する場合

CRF1100L Africa Twinはかなりの角度までハンドルが切れますが、HAWK 11はセパハンのためキレ角がかなり少なくなっています

同じエンジンでも違ったフィーリング

先述したとおり、HAWK 11とCRF1100L Africa Twinは同じエンジン、同じフレームです。
ですが走ってみると違ったフィーリングとなっていて、HAWK 11は鋭い吹け上がりと抜群トルクで1100ながら軽快に回っていきます

対してCRF1100L Africa Twinのエンジンは荒々しい吹け上がりで低回転にメインのパワーバンドがあるイメージ
全開加速はどちらもほぼ同じなんですが、常用域では違うため、特に街を走ると違いを大きく感じました
今回のCRF1100L Africa TwinはDCTモデルのため、クラッチ操作が必要ありません。
それもあってか、街を効率的に走るならCRF1100L Africa Twinのほうが鋭く扱いやすいエンジンだと思います。

対してHAWK 11は効率的というよりも走る楽しさをメインに考えている感触。
低回転だけでなく上まで回した時の楽しさはHAWK 11のほうが上に感じます。

あくまでもイメージですが HAWK 11は走りを楽しむエンジン、CRF1100L Africa Twinはツーリングを楽しむエンジンだと思います。

楽しみたいライディングで選ぼう

エンジンの違いだけで言えば走るシュチュエーション次第での違いですが、ハンドリング面も合わさるとベースは同じとは言えしっかり違うマシンです。

今回乗ってみて感じたのは週末や仕事終わりなど短時間のライディングを楽しむならHAWK 11がおすすめ
エンジンもハンドリングもとにかくファンライドに振ってあるので、いつも走り慣れている道でもHAWK 11で走るとまた違った楽しみを感じられるはずです。

CRF1100L Africa Twinはロングツーリングやキャンプツーリングなど、まだ走ったことのない道や見たことのない景色を求めて遠くまで走る際におすすめです。
パワフルなエンジンと軽快なハンドリングなので、先がわからない道でも抜群の安定感で目的地まで連れて行ってくれます。

日常使いだけで考えるとHAWK 11は普通の大型バイクと同じ大きさなので特に特殊な扱いをする必要はありませんが、CRF1100L Africa Twinはサイズが大きいので、街の駐輪場などで大きすぎて入らないということがありました(もちろん、問題なく入ったところもあります)。

そもそもそういった使い方を想定していないバイクなので、ツーリングが楽しめればOKなんですが、同じバイクで日常使いまでするとなるとそういった問題も出てくるかもしれません。

どちらも乗っていて楽しいバイクなので、これから走りたいシュチュエーションや使い方で選ぶとベストなバイクに出会えると思います!

【文/佐藤快(外部ライター)】

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