大型バイクは車体の重厚感やパワー、充実した装備など普通自動二輪クラスのバイクでは味わえない魅力が詰まっています。
しかし、排気量が大きくなると車体の重量も増えて車種によってはコントロールがシビアになるなど、全てがプラスなわけではありません。
今回はそんな理由から大型バイクを降りてしまったライダーが、『CB650R E-Clutch』に乗って気付いた、Honda E-Clutchだからこそできる大型バイクの楽しみ方をご紹介していきます!
大型の重さ、シビアさから降りてしまったライダー
今回『CB650R E-Clutch』に乗るのは、元大型ライダーの赤坂さん。
バイク歴8年で10代から乗っていた赤坂さんは、以前はリッタークラスの大型バイクを所有していましたが、ある理由から降りてしまって現在は単気筒400ccの1台のみ。
昔のバイクも好きでバイクにはラクさ以上にかっこよさを求めるタイプのライダーですが、なぜ大型バイクを降りてしまったのでしょうか?
「元々は昔のバイクが好きで400cc4気筒のネイキッドからスタートし、1100ccの大型バイクに乗っていました。
通勤から週末のツーリングまで1台で楽しんでいたんですが、大型バイクってサイズが大きくて重いんですよね。
スタイリングが好きで買ったので後悔はしませんでしたが、ほぼ毎日乗って移動するとなるとこの重さがしんどくて、おまけに街乗りではパワーを持て余しすぎていました。
もっと軽いバイクで軽快に乗りたいな、と思って400ccクラスのバイクを買ったら「これで十分じゃん」って思っちゃって、1100ccを売って今は400ccだけで楽しんでいます。」
大型バイクに長らく乗っていて、同じ思いをした方もいるんじゃないでしょうか。
強大なパワーを支えるためにはより頑丈なフレーム、足回りなどトータル的に排気量相応なスペックなものが搭載されているため、重量もそれに応じて増えていくことが多いと思います。
しかしCB650Rのようなミドルクラスの排気量で、尚且つクラッチ操作を省略できるHonda E-Clutchが搭載されている場合、これまで乗ってきた大型バイクとは違った感覚になるかもしれません。
クラッチレバー操作は必要時のみ
これまで感じた大型の気怠さは払拭できるのか、いざ試乗スタート!
Honda E-Clutch搭載車は最初から違います。
最初はキーを回してエンジンをかけるところまでは同じですが、普通のバイクはクラッチを握ってギアを1速に落とし、半クラッチ操作をしながら発進という流れになります。
しかし、Honda E-Clutch搭載車の場合はエンジンをかけたらクラッチレバーを握らずにギアを1速に落としてもエンストせず、発進準備が完了します。
エンジンがかかっている状態で、クラッチレバーを握っていないのにシフトインジケーターが1速を表示しているのはHonda E-Clutch搭載車ならではのこと。
これにはHonda E-Clutch初体験の赤坂さんも驚いていました。
「Honda E-Clutchは初めて乗ったんですが、クラッチレバーを握らなくていいというのは不思議な感覚でした。
いつもならレバーを握らないとエンストしてしまうので最初はドキドキしましたが、Honda E-Clutchが自分の代わりにクラッチコントロールしてくれているのを理解したら問題なく乗れました。」
「発進は1速でスロットルを開ければ自然と発進してくれます。いきなり出すぎたり、繋がるタイミングが合わないこともあるのかな、と思って何回も発進、停止を繰り返したりしたんですが、常に一定のタイミングで制御してくれるので、自分の予期せぬ動作は起こらず、いつもと何ら変わらないペースで運転できました。」
Honda E-Clutchのクラッチコントロールは、上級者並みの安定した挙動で制御してくれるため、初めて乗る方でも慣れやすいシステムだと思います。
基本操作は通常のバイクと変わらず、クラッチレバーがあるので自分の任意のタイミングでクラッチの切断操作が可能です。
運転中の余裕は安全に繋がる
Honda E-Clutchは発進時も、停車時もクラッチレバーを操作する必要がありません。
しばらく街中を走ってみると、クラッチレバーの操作を省けることによる別のメリットが見えてきました。
「常にクラッチレバーを握らなくていいので、特に発進停止が多い街中を走るのが楽なのはもちろんなんですが、それによって普段よりも視野が広くなっている感じがします。」
「普段運転しているときも横断歩道に歩行者がいたら止まって横断するまで待ちますが、こういうときも停車、発進でクラッチレバー操作が必要です。
ですが、Honda E-Clutchの場合クラッチレバーを握る必要がなくブレーキだけで停まって、スロットルを開ければ発進できるので、意識しなきゃいけないことが少なく、自然と普段より広い視野で運転できている感覚がありました。」
バイクの運転に慣れているライダーでも、運転中意識することは多いはずです。
その中でもクラッチレバー操作は大きな比重になっていることが多く、それが必要無くなるだけで普段見えていないところまで気を配れる余裕が運転に生まれます。
人にもよりますが、赤坂さんにとってはそれほどクラッチレバー操作の有無は大きなものだったようです。
大型疲れが、無い?!
しっかり大型クラスの『CB650R E-Clutch』ですが、当初話していた大型疲れはあったんでしょうか?
「まず以前乗っていた1100ccに比べて年代も違うし、排気量もそこまで大きくないので同じ距離を走ってもそこまでの疲れはありません。
それよりも、自分がなぜ大型に疲れていたのかが『CB650R E-Clutch』に乗ってよくわかりました。」
「まず発進、停止時のクラッチレバー操作がないため、左腕は全く疲れません。
旧車のクラッチレバーは重いので、以前はシビアなコントロールが必要な住宅街や渋滞時は、自分の予想と違った繋がり方をしてしまうとそれがストレスで疲れに繋がっていました。
ですが、Honda E-Clutchの場合はシビアなクラッチ操作が全く必要ないので、住宅街だろうが渋滞の中だろうが、どこを走っても以前のようなストレスはありませんでした。」
「一番感じたのは、バイクの運転を純粋に楽しめているということ。バイクを操ることに全集中できるので、何気ないコーナーも、信号で停まって発進することも、車の後ろでペースを合わせながら走るなど何気ないことが楽しく感じることができるバイクでした。」
試乗後、赤坂さんは自身のバイクで帰路につきましたが、僕のスマホにメッセージが来ていました。
「Honda E-Clutchが便利すぎてクラッチ握るの面倒くさくなりました(笑)。」
今回の赤坂さんのように、Honda E-Clutchによって大型バイクの敷居が低くなり、普段よりもっと深いバイクの楽しみ方ができるようになるライダーは多いと思います。
ミドルクラスのCB650Rはただでさえ乗りやすくてコントロールしやすいので、それにHonda E-Clutchが搭載されたら何よりも乗りやすい大型バイクに感じるはずです。
Honda E-Clutchは一度体験したら良さがわかるものなので、気になった方はぜひ試乗してみてください!
▶『Honda E-Clutch搭載モデル』のレンタル はこちら
▶『CB650R』の製品情報はこちら
▶『Honda E-Clutch』ポータルサイトはこちら
【文/佐藤快(外部ライター)】