いまさらだけどHondaの『E-Clutch』をRebel 250(レブル250)シリーズではじめて体感しました。それで実際に乗ってみた感想なのですが……なんだか聞いてた話と違う?
遅ればせながら『E-Clutch』を初体験したんだけど……
Hondaから『電子制御によるクラッチ操作を自動で操作してくれる機構』としてE-Clutchを発表され、昨年2024年4月にCB650RとCBR650Rに初搭載。そこからざっくり1年半くらい経っている訳ですが、私(北岡)はお恥ずかしながらようやくE-Clutch付きのバイクに乗ることができました。
でもちゃんと乗った訳じゃなくて、ちょい乗り程度。HondaGO BIKE RENTALで『Rebel 250 S Edition』を数時間借りて走っただけです。

ちなみにですが、私はツーリングが好きなのでこういう『ラクをさせてくれる進化』は基本的に大歓迎! E-Clutchの評判は上々だし、新しいRebel 250シリーズなんて購入層の大半がE-Clutchモデルを選んでいるそうです。バイク初心者の人だったらクラッチ操作の不安が無くなる訳だし、そりゃそうですよね。
これは期待が持てるぞ!
と、さっそく走り出したところ……

ああ……渋滞がラクだぁ……
予想通り。これはいいぞ! なにがいいって停車の際に「いちいちクラッチ操作しなくていい」からそのまま足を着くだけなのがいい。そこからの発進もアクセルを回すだけ。これは街乗りや高速道路の渋滞で疲労軽減に絶大な威力があるな、と感じた次第です。
ですが、実はそれ以上に良いと感じたことがあります。それは『違和感が無いこと』でした。

なんというか……このE-Clutchって『人が操作している感覚に近い』んです。
運転技術はともかくとして期間だけは長くバイクに乗っている私ですが、そういった『長年バイクに乗ってる人』でもクラッチミート&リリースの感覚にすぐに馴染める。自分がやってもこういう感じだよな~って思えるんです。きちんと人が乗って何度も何度もテストを繰り返したんだろうなぁ……これスゴいかも。
そこに加えて、クラッチを握ればマニュアルトランスミッションのバイクと同じように走りが楽しめるんでしょう? 完璧かよ。
ということで軽くカーブが続く道を走ってみたところ……
え? Hondaの『E-Clutch』ってひょっとして……

ん?
Rebel 250シリーズはクルーザースタイルながらスポーティな走りも楽しめるのが魅力のバイクですが……なんだか「これまで知ってる感覚と違う」んです。
そこで思った……
ひょっとしてHondaのE-Clutchって本質的には『ラクをするため』とか『初心者の不安を軽くするため』の機構ではないのでは……?
確認のために『CBR650R』のE-Clutchを借りてみた
これまでの私はE-Clutchのことを全面的に『ラクちん機構』だと信じていました。だってスポーティに走るシーンのことだけ考えたら、既存技術で『クイックシフター』っていう機構もあるし、それで充分じゃない? と思ってた。
だけどRebel 250のE-Clutchで感じたことを検証するために……

CBR650R、借りてみました。
ちなみにツーリングシーンにおけるE-Clutchの有効性は、先に乗ったRebel 250 S Edition E-Clutchで感じたとおり。抜群にラク!
これに慣れたらもう普通のMT(マニュアルトランスミッション)車でのシフト操作が面倒になってしまいそうです。ぶっちゃけで言いますけど『街乗り&ツーリングの快適さ』だけで言うならRebel 250やネイキッドのCB650Rのように上半身が起こせるライディングポジションのバイクのほうがE-Clutchの快適さは活かせると思う。

でも、だったらなんでHondaはセパレートハンドルの大型スポーツバイク『CBR650R』にE-Clutchを搭載した?
それを身をもって確かめるために、そしてRebel 250のE-Clutch仕様に乗って感じたことの検証のために、CBR650Rでワインディングを走ってみたのですが……私の結論を先に言っておきます。
たぶん、E-Clutchって本質は「バイクのスポーティさを楽しむため」の機構だと思う。
その理由は……後編で!
【文/北岡博樹(外部ライター)】


















