ホンダでは歴代モデルやレーシングマシンが「動態保存」されていて、定期的にマシンを実際に走らせる走行確認テストを実施しているんですが、その映像がホンダのオフィシャルYouTubeで公開されているんです!今回は「CB1100R(1981年)」の貴重な映像を紹介します!
ワークスチューニングが最初から施されていたスペシャルCB
今回紹介するホンダの歴代バイクは、1981年に登場した初代「CB1100R(SC05)」です。
「そのままでもレースで勝てるマシン」というコンセプトで開発されただけあって、レーシングマシンRCBを彷彿させるスタイリングと、機能美を優先させたパーツが融合した、まさに“ロードゴーイングレーサー”として誕生したスペシャルCBです。
1970年代終盤にはプロダクションレースが盛んだったこともあり、当時の最大排気量である1100㏄のスーパースポーツとして企画されたマシンでした。
実際にホンダのワークスレーサー「RS1000」の技術が惜しみなく投入された市販車スーパースポーツモデルと言えるマシンで、全世界でトータル5,500台程度といった限定生産台数や、新車価格が250万円以上だったこともあり、発売当初からライダーが憧れるプレミアムモデルになりました。
当初は1年限りの限定発売の予定でしたが、あまりの反響の大きさに82年、83年にもモデルチェンジされて生産を継続。
また、ホモロゲーション対応モデルだったため、ライン生産ではなく一台一台組み立てられる手作業方式で生産されていました。
あまりの人気ぶりに少量分の初期ロットのカウル製作が追いつかず、一番最初に登場したCB1100R(RB1)は丸眼一灯のネイキッドタイプとして販売されたとの逸話も残っています。
エンジンは1062ccの空冷4ストロークDOHC直列4気筒で、初代モデルの最高出力は9000回転で105馬力を発揮。
その後のモデルチェンジで最高出力は115馬力や120馬力以上にアップしていきますが、レース用のキットパーツを装着すれば、出力は135馬力以上にも跳ね上がるハイパワーエンジンを搭載していました。
大型のスクリーン越しにはアナログの2眼メーターと各種インジケーターが備わり、クリップオンタイプのセパレートハンドルが装備されていました。
大型の燃料タンクは軽量化に大きく貢献するアルミ製で、26リットルの大容量を確保。
初期型はハーフタイプの大型カウルを装着していますが、二年目のCBR1100R(SC08)からFRPとカーボン製のフルカウルが装着されました。
エンジンのベースモデルになったのは「CB900Fシリーズ」で、901ccだった排気量を1062ccまで拡大。
また、初期型は19インチのフロントホイールでしたが、2代目以降は走りの性能を更に高めるべく18インチへと変更されています。
初期モデルのシートはレーシングマシンを意識したシングル仕様で、タンデムすることができない一人乗り設計でしたが、二代目モデルからはタンデムステップを備え、テールカウルを脱着することでタンデムも可能になりました。
乾燥重量は235kgと数値的には重たい部類に入りますが、実施に取り回してみると見た目以上に軽量で、ハンドリングもとても軽快なマシンでした。
最高速度は230km/h。0-400mは11秒台という驚くべき加速性能を備えていました。
ライダー目線からの映像もあり、実際に乗って走っている様な気分が味わえます。
約2分程度の映像ですが、今ではなかなか見ることができなくなった貴重な走行ムービーを是非ご覧下さい!
【動画はこちら】→ https://www.youtube.com/watch?v=q3zYtM0UDv8&t=2s ※仕様変更の時から、こちらで動画リンクが貼れなくなっております。校正時および公開前にリンクを貼ってください。
最新モデルはコレ!『CB1300 SUPER BOL D’OR SP』
CB伝統のカラーリングやスタイルが受け継がれ、CB1100Rの子孫とも言えるのは、やはりCB1300シリーズでしょう。
ホンダ伝統の直列4気筒エンジンを搭載する大排気量ネイキッドで、耐久レーサーのイメージを受け継ぐハーフカウルバージョンが「CB1300 SUPER BOL D’OR」は、CB1000Rの現代版と言えるのではないでしょうか。
そこに更にシリーズの上級グレードとして2018年に登場した「前後オーリンズ製サスペンション」とフロントに「ブレンボ製のモノブロックブレーキキャリパー」を装備した『SPシリーズ』がイメージに近いと思います。
このSPシリーズはCB1300のスタンダードモデルに高性能なサスペンションやブレーキを装着しただけでなく、開発や製造の段階からSP専用セッティングになっているので、リプレイスのユニットを後から組み込むよりも安くて上質な走りが楽しめ、ワンランク上のスポーティさが味わえます。
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】
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