前編ではRebel 250の歴史や特徴などを紹介しました。後編ではRebel 250 S Edition E-Clutchに乗り、さまざまなシチュエーションを交えて250㎞ほどのツーリングに出かけ、そのとき感じたことをお伝えしたいと思います。
チェックポイント1/基礎の基礎〜ライディングポジション・足つき・取りまわし・タンデム〜
ライディングポジション(身長172㎝・体重68㎏)

足を大きく振りかぶらず、乗降車できるのはうれしいポイントです。2024年モデルまではハンドルに手を伸ばすと若干前傾気味になりましたが、ハンドルグリップ位置の変わった2025年モデルは上体が起きるようになりました。ステップ位置もヒザの曲がりが90度ほどで、リラックスした乗車姿勢をとることができます。
足つき

シート高690㎜なので、足つきは両足べったりの状態になり不安は感じませんでした。また車重が軽いので、片足で支えるのも苦にはなりません。この数値なら身長150㎝のライダーでも、安心できるでしょう。
取りまわし

シート高の低さに目が行きがちですが、ハンドル位置は高めで、車両を押し歩くときにも力を入れやすいです。その反面、ネイキッドモデルやスーパースポーツモデルのように、左手でハンドルを持ち、右手をライダーシートとタンデムシートの間あたり添える方法には適していません。ただ、シート高が低く、車重も軽いので、またがったまま車体を動かすことは可能です。ただホイールベースが1,490㎜あるので、同じ250㏄クラスのネイキッドモデルやフルカウルスポーツモデルと比べると大回りになりがちですが、何度か切り返せば狭い路地でもUターンできました。
タンデム

タンデム時は発進時にソロよりもエンジン回転を上げ、半クラッチを長めにする必要はありますが、とくに気負うことはありませんでした(今回試乗したE-Clutchであれば発進時に意識する必要はありません)。後ろに乗る場合は、タンデムシートの形状から加速時にはしっかりとタンデムベルトやテールカウルを握って、姿勢を保持する必要がありました。積極的にタンデム走行を楽しむのであれば、より握りやすいグラブバーやバックレストを追加装備することをオススメします。なお、ソロとタンデム時で、リヤショックのプリロードを調整した方が、乗り心地がよくなります。
チェックポイント2/街乗り

Rebel 250に搭載される単気筒エンジンは、低回転域からトルクがあるので、発進時にエンストする心配が少ない、足つき性が良好なので立ちゴケする心配も少ないので、ストップ&ゴーを繰り返す街中では安心して走り回ることができました。低いエンジン回転数でもギクシャクすることもなく、リラックスして乗れたのもポイントです。
バイクに乗るときは、街中がもっとも多くの時間を費やすステージ。この場面を気負わずに乗れるのはどんなキャリア・体格のライダーであってもプラスになる要素です。
取りまわしのところでも触れていますが、他のカテゴリーのモデルと比べホイールベースが長いため、小回りが得意ではありません。ただし、車体がクルーザーとしては軽いこと、足つきがいいのでまたがったまま車体を取りまわすことができるため、ネガティブに感じることはありませんでした。
チェックポイント3/高速道路

高速道路で感じたRbel 250の魅力は直進安定性の高さです。長いホイールベースが優位に働いています。路面の凸凹もサスペンションが適度に吸収してくれるので、120㎞/h巡行でも安心感が高かったです。
エンジンを高回転まで回してシフトアップしていけば、合流で不安を感じることはありません。また、6速で120㎞/h巡行していても、まだ余裕がありました。それに加えて追い越しをかける際にも、ギヤを1段か2段落としてスロットルを開ければ、力強く加速してくれます。高速道路を使ってツーリングを楽しむライダーも不満を感じることはないでしょう。
なお、今回試乗したのはヘッドライトにカウルが装備されるSエディション。この影響もあってか100〜120㎞/h巡行でも、個人的には“走行風に耐えるのがツラい”と感じることはありませんでした。ただ、防風性能をあげるためのアイテムが社外メーカーからリリースされているので、より快適に走りたいと考えるのならば、導入をしてもいいでしょう。
チェックポイント4/ワインディング編

初めてRebel 250に乗ったとき筆者の一番印象に残っているのが“スポーツが楽しい”ということです。それまでクルーザー/アメリカンは、高速道路をクルージングしたり、リラックしたライディングポジションでゆったりと走るのが魅力だと思っていました。Rebel 250にもその要素はあります。しかし、スポーツモデルのCBR250R由来のエンジンは、エンジン回転数を上げれば、それまでのクルーザー・アメリカンと異なる加速を見せてくれるのです。
もちろんロー&ロングな車体なので、ネイキッドやフルカウルスポーツのようなコーナリング性能ではありません。バンク角も浅いのですが、それまでクルーザーというカテゴリーの中では感じることのなかった楽しさがあり、そのため強く印象に残っているのです。
とくに2020年モデルからはアシスト&スリッパークラッチが導入され、適度にエンジンブレーキが緩和されたこともあり、その魅力はさらに高まっています。ブレーキやサスペンションも十分な性能を持っているので、ツーリングで出会ったワインディングロードでも意外と攻めた走りが楽しめるのです。もちろん、トコトコと景色を楽しみながら走るということも満喫できる懐の広さを持っているモデルなのです。
チェックポイント5/Uターン

“できればUターンはしたくない”と思っているライダーもいるでしょう。とくにビギナーであればエンストしたり、まがり切れなくて立ちゴケするケースも少なくありません。ただ、このRebel 250はホイールベースが長くても、Uターンしやすい車両だと感じました。
まずエンジンが扱いやすい出力特性で、スロットル操作がシビアでなく、半クラッチをうまく使えばギクシャクしにくいこと。またバランスをくずしたとしても足をついて対処できますし、その状態からハンドルを逆に切って足を使ってバックして、再度ハンドルを戻りたい方向に切って前進するという方法も使えるからです。
ちなみに、2025年モデルからハンドル位置がライダーに寄ったこともプラスに働いています。それ以前のモデルだとハンドルをフルに切ってUターンしようとすると、筆者の場合はアウト側の腕が伸び切ってしまうので、意識的に着座位置を前にして調整していました。筆者(身長172㎝)よりも小柄な体格の人は、ハンドルをフルに切ってのUターンがさらに難しかったと思います。しかし、それがだいぶ改善されているので、着座位置を変えずにハンドルをフルロック状態でのUターンをすることができました。
チェックポイント6/Honda E-Clutchの実力

街乗りで感じたE-Clutchの魅力はとにかく疲労が少なく、運転に集中できることでした。ストップ&ゴーを繰り返す状況の中で、クラッチレバーを握らずに発進・停止ができるのは、疲労軽減に大きく影響します。アシスト&スリッパークラッチが導入され、クラッチレバーを握る力が軽減されてはいますが、やはりクラッチレバーを操作しなくていい恩恵は大きいです。また、高速道路の渋滞でもその恩恵を感じられます。Uターンもクラッチ操作以外に意識を向けられるので、よりスムーズにできました。
高速道路では、ETCが導入されていなくても料金所で慌てることがありません。E-Clutchがない場合は、料金所で一旦停止→ニュートラルに入れる→チケットやお金を出す→お釣りや領収書を収納する→クラッチレバーを握る→1速に入れる→発進するという流れから“ニュートラルに入れる” “クラッチレバーを握って1速に入れる” という動作が省けるのです。この3動作がないだけで、スムーズに料金所を通過することができました。
その一方で通常のクラッチ操作をすることができるのも魅力だと思います。筆者はDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)のX-ADVを所有していますが、Uターン時に半クラッチを使えればなと思うこともあります。またクラッチ操作に不慣れなビギナーにとって練習できるのはプラスの要素だと思います。E-Clutchはさまざまなメリットがあると、今回の試乗を通じて感じました。

まとめ|不安を減らしツーリング・走る楽しさを広げてくれるRebel 250 S Edition E-Clutch
約250㎞のツーリングを通して感じたのは、Rebel 250が“扱いやすさ”“安心感”“走る楽しさ”を高い次元で両立しているということです。低いシート高による足つきのよさや軽めの車体、扱いやすいエンジン特性で、街乗りや取りまわしでの不安が少ない。さらに2025年モデルではハンドル位置の変更によって乗車時に上体が起きよりリラックスして乗れること、Uターン時の扱いやすさも向上していました。
高速道路では、長めのホイールベースによる直進安定性が頼もしく、250㏄単気筒ながら合流や追い越しでは必要十分な力強さを見せてくれました。ワインディングでは、クルーザーらしいゆったり感だけでなく、エンジンを回して走るスポーティな楽しさも味わえる。景色を楽しみながら流すことも、少しペースを上げて走ることもできる懐の深さが、Rebel 250の大きな魅力です。
さらにE-Clutchが気軽さをプラス。より気楽に、より疲労を少なく乗れるようになり、もっと遠くへ走りに行きたくなってしまいました。最後に、燃費がいいことも付け加えておきます。高速道路やワインディングで、エンジンを高回転まで回すケースが多かったのですが、それでも実走行で平均燃費33.5㎞/Lという優秀さ。ガソリン価格が高騰している昨今、この燃費のよさもRebel 250の魅力なのです。
【写真/岩崎雅考・文/吉田 朋(外部スタッフ)】



















