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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【Dio110・ベーシック編】もはや即買いレベルのコスパ最強移動ツール

市街地での日常的な“足”として、リード125をフル活用中の岡崎静夏さんが、リアルな原付二種スクーターユーザーの視点でDio110・ベーシックを徹底検証。その走りと価格から、「これは迷わず買いで!」と太鼓判を押すことに……。

安心の大径ホイールなうえ超スリムで抜群の機動力

いよいよ春を迎え、レースシーズンも到来。でも今季は、私が参戦する全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスは例年より開幕が2週間ほど遅いので、3月中は本格的なテストもなく、プライベートトレーニングを続けている段階です。

ちなみにこのオフシーズンは、千葉県・茂原ツインサーキットで不定期開催しているライディングレッスンも何度か実施しました。今後の開催予定や参加者募集は、私のX(旧ツイッター)にアップしますので、ぜひチェックしてみてください!

さて、私の全日本が開幕するのはまだ先ですが、とはいえ相変わらず多忙な日々。そこで今回は、日常生活の頼れる相棒としてディオ110・ベーシックをしばらくお借りして、実用しながらその走行性能や利便性、快適性をチェックしました。

現行のディオ110シリーズは、フルモデルチェンジにより’21年2月に登場。’23年3月には最新の排出ガス規制に適合化する改良を受け、このときに追加されたのがベーシックです。ディオ110との相違点は“カギ”だけで、スマートキーに代わりメカニカルキー&シャッター付きキーシリンダーを装備。これにより3万5200円のプライスダウンに成功しています。

そもそもディオ110は、スマートキー付きの仕様でも、現行型の原付二種スクーターとしてはかなりのロープライス。でもそのルックスに、安っぽさはありません。オシャレしていても、あるいはフルフェイスヘルメットとライディングウエアで乗っても、変に浮かない質感の高さや車格があり好印象です。

それでいて、車体はとてもスリムで、車重は96kgと軽量。さらに、シートは低めで足着き性に優れ、最小回転半径は1.8mとかなり小回りが得意なので、狭い場所でもキビキビと自在に操ることができます。

この部分だけを切り取れば、まさに私が思う〝原付感〟がある乗り物なのですが、ディオ110は一般的な原付二種スクーターとしては大径な前後14インチホイールを採用しており、これが走行時には小径ホイールスクーターとの大きなフィーリングの違いを生み出します。ちょっとした路面の段差やギャップなどを通過したときに受ける影響が、10インチや12インチのスクーターと比べて少なく、直進安定性も旋回時の安定感も抜群。車体はスリムでとても軽快なのに、不安なく操れます。

エンジンの排気量は、原付二種クラスとしてはやや少ない109cc。でも、加速感は125と比べても遜色ありません。出足こそ緩やかですが、動きはじめたらスルスルと車速が伸びます。これは、車体の軽さがメリットになっているはず。幹線道路でもまるでストレスなく使え、「110でもこんなに走るんだあ!」と思いました。

コーナリングは、リヤから積極的に曲がろうとする感覚。前輪が過敏に反応するとか、内側に巻きそうな感触はないので、街のスクーター乗りに多いハンドルだけで操縦するクセのある人でも、安心して乗れると思います。ハンドルの高さを含め、フロントまわりから受ける印象は一般的なバイクにちょっぴり近いイメージ。これまで小排気量スクーターに乗ったことがなく、いきなり二輪免許を取得してバイクライフを楽しんできたような人が、セカンドバイクとして使うのにも適しているかも……と感じました。

ちなみに、ディオ110で驚いたことのひとつは、想像以上にコントローラブルな前後ブレーキ。レバーを握った量に比例して制動力が増し、しかも大径ホイールのおかげで車体の安定感もあるので、しっかり止まることができて安心です。

でも、ディオ110・ベーシックで一番驚いたのは価格設定。現行モデルの原付二種で、いくら110とはいえ21万円台というのは驚異的です。この走りでこの価格なら、日常の足として原付二種スクーターの導入を検討している人が“即買い”しても、絶対に後悔しないはず。純正アクセサリーのトップボックスを導入すれば、フルフェイスヘルメットも収納できるし、そこまで含めても装着の工賃を抜きに考えれば25万円以下。走行性能を考えたら“超”が付くバリュープライスです。原付二種スクーターの利便性をリーズナブルに入手できるディオ110・ベーシック。本当にオススメです!

Dio110 BASIC:SHIZUKAの評価

1)インナーパネルの模様やマフラーカバーのヘアラインなど、廉価な設定なのに細部までしっかりデザインされているのが好印象。

2)スポーツ性を、機敏性や運動性能という言葉に置き換えるなら、十分に満足できるレベルにあります。扱いやすいブレーキもポイント。

3)例えば同じ原付二種クラスのPCXと比べたら、もう少し近距離向きですが、もちろんツーリングに使えないわけではありません。

4)まさに街乗りのためにあるバイク。しかも、片道1時間くらいのやや長い距離の移動でもストレスなし。“通勤快速”に最適です!

5)エンジンやブレーキの性能、乗り心地の良さなどを考えたら、本当にバリュープライス。高いと感じるユーザーはいないのでは?

SHIZUKAのお気に入りポイント

【大径の前後輪で安定感のある走り】

小径ホイールのスクーターは機敏な動きが魅力ですが、対して前後14 インチホイールを履くDio110・ベーシックは、路面から受ける外乱の影響が少なく、走行安定性に優れています。フロントが落ち着いたハンドリングも魅力!

【実用モデルなのにオシャレも意識】

どちらかと言えば、通勤や通学などの日常で便利に使えるコスパ重視の機種なのに、インナーパネルは部分的に模様が入っていて、安っぽさがありません。ホワイトの車体色にはパールも使われていて、上質な雰囲気がたっぷり!

●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希

※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2024年5月号)の内容を編集・再構成したものです。

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