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電車+レンタルバイクで楽しむ新しいフィッシングスタイル【実釣編】

CT125・ハンターカブを静岡でレンタルし、初めてのアジング(ルアーでアジを釣る方法のこと)にトライすることにした海斗さん。
桜えびのランチと釣具店での買い物を済ませ、いよいよ清水港でアジ釣りをスタートすることにしました。

まるで釣り専用マシンのように使いやすいCT125・ハンターカブ


今回レンタルしたCT125・ハンターカブは気ままな釣り旅にピッタリのマシンでした。
大きなキャリアがあって釣り道具などの荷物を搭載しやすく小回りが効くので、気ままに寄り道をしたりしながら移動することができるからです。
釣り場までの移動でも十分すぎるくらいの動力性能があり、ハンドリングが良いので走りを楽しむことができるのも魅力。

静岡市清水区にはライダーに人気のスポット「日本平」があり、立ち寄ることも考えましたが、今回の目的はあくまでも釣りなので、早めの時間に最終目的地である清水港へ向かうことにしました。

アジングのチャンスタイムは夕方


アジの活性が高くなるのは通常夕方から夜にかけてです(場所によって若干異なることがあります)。
それまでには釣り場を確保して準備を整えておきたいところ。
初めての釣り場では、明るい時間帯から釣り場に行って、状況などを確認しておくのが鉄則だからです。
今回釣りをする清水港は世界中から貨物が集まる国際貿易港で、そのために釣りが出来る場所は限られています。
このあたりの情報はCT125・ハンターカブを借りたモトランド三澤や地元の釣具店で確認していたので、迷うことなく目的地にたどり着くことが出来ました。
教えてもらったのは岸壁までバイクで行くことができる釣り場。
ポイントまで歩く必要がないので、無駄な移動時間もなく、釣りをする時間も十分に取ることができます。

釣り場に到着したら、まずロッドを継いでリールをセット。
まだ日が高く、アジが釣れだすまでは時間がありそうでしたが、アジングタックルは初めてなのでキャスティングの練習をしておくことにします。

最初にセットしたのはアジング用のジグヘッドとワーム
1グラムという非常に軽い仕掛けなので、最初は中々思うように飛びません。
しかしこれまで色々なルアーフィッシングをやってきた海斗さんだけに、少しずつイメージがつかめてきたようです。

ウルトラライトジグの練習もしてみることにしました。
金属製のメタルジグは同じ重さでも空気抵抗が少ないのでワームに比較すると飛距離が出ます
沈んでいくスピードもロッドアクション(竿の動かし方)をつけた時の動きも速いので、ワームとは違ったアピールができそうだということを確認しました。
これでアジングの準備は万端です。

魚は小さくてもゲーム性が高いアジング


日が傾いてきた頃、アジの群れが回ってきました。
周囲で餌釣りをしている人達がアジを何尾も釣り上げています。
コマセ(寄せ餌)に興奮したのか、ルアーに対しても積極的にアタックしている様子。
いよいよ時合(魚が釣れるタイミング)の到来です。

まずはアジがいるレンジ(水深)を見つけ出さなければなりません。
アジは中層魚なので、その時の水温などの状況によって遊泳しているレンジが違うからです。
ルアーを色々な深さで泳がせてみて、ロッドアクションやリーリーングスピード(リールを巻くスピード)などを変え、アジが興味を引くパターンを見つけ出します。
目が良い魚なので単調なアクションでルアーを動かしているとすぐに見破られてしまいます

ワームの色や大きさを変えたりしながらトライしていると、突然ビビビと小気味良い引き。
魚体は小さくてもアジは回遊魚なので、とても元気良く竿先を引き込みます

冬は30cmを超える大アジがかかることもあって、そんな大物がかかったら柔らかなアジング用ロッドでのやり取りはスリリングで夢中になってしまうのです。
今回釣れたアジは15cmくらいばかりでしたが、それでも繊細な仕掛けを使ってのルアーフィッシングはとても楽しくて大満足でした。

冬のレンタルバイク釣行だから夕マズメを効率的に狙える


冬は釣りをするのもバイクで移動するのも寒くて大変なものです。
けれどレンタルバイクを使った場合は、他の時期にないメリットもあります。
夏場は返却時間を考えると夕マズメまで粘ることが難しいのですが、日が暮れるのが早いこの時期なら、レンタルショップの近くに釣り場があれば夕マズメ狙いで釣行し、一番良い時間だけサクッと釣りをして帰るという効率的な釣りができるのです。
もろちん寒い時期でも体への負担が少ないのは見逃せないポイント。
各地にあるレンタルショップや釣り場を様々なシーズンで考えてみると、新しい釣行スタイルが見つけられるかもしれません

釣り人だけに許されたアジ料理を堪能


持ち帰ったアジは調理して食べることにしました。
魚は種類によって、切り身にしてから冷蔵庫でしばらく寝かさないと旨味が出てこないものもあります。
これに対してアジのような青魚は新鮮な方が美味しいと言われています。
釣ったアジをその日のうちに食べることができるのは釣り人の特権
小さな魚を裁くのは面倒くさいと思うかもしれませんが、アジは比較的さばくのも簡単です。

大事なのは多少骨に身が残っても気にせず、手早く調理すること
慣れていないとどうしても慎重になり、時間がかかってしまうもの。
ところが、時間をかけてしまうと手の温度で魚が温まり、鮮度と味が落ちてしまうのです。
特に刺身など生で食べる時は魚を温めないように注意が必要です。

大きなアジは、両脇にあるゼイゴというヤスリ状になっている部分を落としてから3枚におろしますが、小アジを数多く釣った時に同じやり方をしてしまうと、とても手間がかかってしまいます。
そこで今回は外房の漁師さんに教えてもらったやり方でさばくことにしました。
まずはアジのエラ蓋の下に左右から親指と人差し指を入れ、頭を後ろに折るようにして引き千切ります
上手くいけば、この時に内蔵も取れてしまうはず
小アジを素揚げや唐揚げ、南蛮漬けにする場合もこのやり方は便利。
唐揚げなどでは好みによって頭を残すこともあります。
その場合でも内臓とエラを取っておけば、エグみがなくなって食べやすくなります

刺し身や「たたき」「なめろう」にする場合は皮を剥きます
指で皮をつまみ、めくれる部分を増やしていったら力を入れると皮が剥がれていきます

ここまで来たら後は包丁で三枚におろすだけです。
背びれ側から背骨まで包丁を入れ、下側からも同じように尻ビレから背骨まで包丁を入れ、腹骨を背骨から切り離せば切り身が一枚できます。

反対側の身も同じようにすれば三枚おろしの完成です。

もしも翌日以降に食べる場合もここまで処理をしてから保存するのがオススメです。
魚を丸ごと保存すると血や内臓の匂いが身にまわってしまうのですが、切り身にしておけば血の匂いや生臭さが出ることも防ぐことができるからです。
更にキッチンペーパーで包んでおけば、血やドリップも吸い取られるので生臭さも出にくくなります
冷蔵庫に入れる時はラップをして乾燥を防ぐことをお忘れなく。

食べるときは小骨を取り除く必要があります。
腹骨を包丁ですき取ってから中骨を骨抜きで抜くだけです。

指の腹で前から後ろに撫でるようにすると中骨が引っかかるので、骨が残っている部分が分かるはず。
骨抜きが無ければ毛抜で代用することも可能です。

後はお好みのサイズに切って食べるだけ。
そのままお刺身にしてもでも良いですし、細かく切って生姜、ネギを添える「たたき」にしても美味しく食べられます。
更に細かく叩いて味噌で味付けした「なめろう」は、最後にお皿まで舐めたくなるくらいに美味しいから名付けられたと言われるほど。
アジがたくさん釣れた時は、「なめろう」の醤油バージョンも試してみたい料理。
なめろう」を作り過ぎたらハンバーグのように焼けば「さんが焼き」になり、また違ったアジの美味しさを堪能することができます。

今回は醤油と麺つゆを混ぜたタレに細かく切った身をくぐらせてネギと生姜を和え、ゴマと刻み海苔を散らしてみました。
半分だけ食べたら、薄味のだし汁(粉末の和風だしを薄めに溶いたものでも可)をかけてお茶漬けにすると、魚の脂がお湯で溶け出して更に優しい味わいになります。
釣ったばかりのアジを使った料理は、どれも感動的な美味しさでした。


海斗さんは、これを食べてまたアジングに行きたくなったと言います。
「海の釣りはあまりやったことがありませんでしたが、やっぱり川とか湖とは違った面白さがありますね。冬のツーリングもストイックな感じがして好きなんですけど、電車とレンタルバイクを使うのもアリですね。釣って面白く、食べて美味しいアジ釣りにはまってしまいそうです」
次はアジを求めて房総方面への釣行も考えている様子。
レンタルバイクを使った釣りは、海斗さんのフィッシングライフを大きく広げてくれたようです。
【文/後藤武(外部ライター)】

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