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中部地方の人気ツーリングスポット、オレンジロードと奥浜名周辺の楽しみ方を徹底解説

静岡県西部でライダーに有名なスポットとして奥浜名オレンジロードがあります。
東名高速の三ヶ日インターチェンジから近い「三ヶ日オレンジロード」とか「オレンジロード」と言われるこの道路は、コース設定によって色々な楽しみ方ができる場所です。
今回はそんな奥浜名オレンジロードについて紹介することにしましょう。

同行してくれたのは22歳のタケルさん。1年ほど前にXR250を購入し、最近少しずつツーリングを楽しみだしたところ。
奥浜名オレンジロードは、今回が初体験です。

オレンジロードはミカン農家の人達が優先

奥浜名オレンジロードは、中部方面のライダーに有名な道路ですが、ナビの検索などでは中々出てきません。
それもそのはず。
この道路は農林水産省によって作られた広域農道。
多くの人達が生活のために使う一般道ではなく、ミカン農家の人達が仕事で使うために作られた道路なのです。
だからオレンジロードでは基本的に農作業する人達が優先。
また、オレンジロードに接した細い脇道は、農作業専用の道路であることが多いので、興味本位で入り込んだりしないようにする必要があります。

オレンジロードってどんな道?

奥浜名オレンジロードは、イラストのように浜松市北区引佐町から三ヶ日駅付近まで25kmほどの距離があります。

丘陵地帯の南斜面を東西に通っていて、路面状況は比較的良好。片側一車線の道路が続きます。
ただ、林に囲まれているので秋から冬にかけては、かなりの落ち葉が出ます。
雨が降ると木の陰になっている場所は乾きにくく、晴れてもウエットパッチが残っていることがあるので雨上がりは注意が必要です。

一般道でないため、交通量は全体的に少なめですが、10月くらいからはミカンの収穫時期になり、12月にかけて最盛期を迎えます。
この時期は農作業する人達のクルマが増えます。
ミカン畑を農作業のクルマが出入りするので、他の交通に十分注意を払う必要があるでしょう。
また、サイクリストやドライバー、ハイカーの人達にも人気があるスポットなので、休日はこういった人達が増えるということも頭に入れて走るようにしてください。

オレンジロードと周辺の走り方と楽しみ方を全解説

奥浜名オレンジロードは全長も長く、分かれ道もあるのでどのようにルート設定をするかで悩むことになります。
そこでここからはいくつかのパートに分けて、道順と走り方を紹介していくことにしましょう。

オレンジロードのメインルートはどういくのか?

まずは多くのライダーが走る、三ヶ日インターチェンジから国民宿舎奥浜名湖までのルートを紹介しましょう。
三ヶ日インターチェンジを出たら、すぐに左折

県道308号線を1kmほど走ります。

そうすると信号のない十字路(ここでは便宜的に大谷の十字路と呼びます)が出てきます。

道路標識はありませんが、地元小学生が書いたイラストと「奥浜名オレンジロード」の看板があるので、これが目印。

そうすればあとは国民宿舎 奥浜名湖までは一本道。

一般的に広域農道は、有料のスカイラインなどと違い、走りやすさなどを考えて作られていません。
そのため、漫然と走っていると突然予想外のタイトなコーナーなどがあらわれて慌てることもあります。

しかし、奥浜オレンジロードの場合、そういったコーナーが少なく、全体的に走りやすいのが特徴です。
このルートでワインディングは11km続くので、十分走りごたえがあるはずです。

オレンジロード分岐点、国民宿舎奥浜名湖からどのルートを選ぶか?

オレンジロードは国民宿舎奥浜名湖のところで十字路になります。
もう少しワインディングを走りたければ、直進すればオレンジロードが更に続きます。

終点となる引佐町奥山まで、更に5kmほどワインディングになっています。

もしもこの時点でワインディングはもう十分だとか、あるいは食事や給油がしたいというのであれば、国民宿舎奥浜名の十字路を右折。

1kmほど走ると細江町気賀市街に行くことができます。

もしも気賀市街に降りたのなら、その後は奥浜名湖沿いに国道362号線をノンビリ走るのも良いでしょう。

奥浜名湖近辺は、独特の景観が楽しめます。

雰囲気の良いところなので奥浜名オレンジロードに行くのであれば、ワインディングを走るだけでなく、奥浜名湖も是非ルートに組み込んでいただきたいところです。

奥浜名湖沿いのルートは、国道362号線を外れると、突然道幅が狭くなったりします。
この地図では浜名湖沿いをグルっと回って三ヶ日に戻るルートを設定していますが、もしも細い道を走りたくないのであれば、国道を走ったほうが無難でしょう。

小排気量車向けの冒険ルート?

国民宿舎奥浜名湖の十字路を左折するルートは若干マニアックです(笑)。
道路は非常に狭くなり、クルマ1台分しかありません。

両脇は鬱蒼と木が覆い茂っていて、路肩には落ち葉や苔があります。
走りを楽しむというよりは、探検気分を味わう感じの道路。
大型バイクの場合、Uターンも苦労するような場所もあるので、小排気量車やオフロードバイクで、ちょっと変わったルートを走ってみたいという人向けでしょう。

この道を進むと「北大路秘宝館」という珍スポット(現在は廃業)があったりします。ちなみに国民宿舎奥浜名湖からこのルートを通って、広い道路に出るまでは10kmあります。タイトなコーナーが連続することに加えて路面状況が悪いので、走破するにはそれなりの時間がかかります。
また、このルートには登山道の入山口があり、週末になると多くのハイカーが訪れます。
ハイカーの人達は登山道の入口まではクルマで行くことが多いので、ブラインドコーナーでは対向車が来ることを常に予測しておくようにしてください。

オレンジロードは西側もオススメ

ここまでは奥浜名オレンジロードの東側を中心に説明しましたが、三ヶ日インターチェンジから西方面にもオレンジロードは伸びています。

先程説明した大谷の十字路を左折すると奥浜名オレンジロードの西側のパートになります。
東側に比べて、西側はコーナーのRが若干緩めで距離も6km弱。

林に覆われている区間が多い東側に比べると、開けた感じなので「天気が良い時期にノンビリ走りのであれば西側が好き」というライダーもいます。
突き当りまでいって左折するとオレンジロードが三ヶ日町の市街地まで続きますが、ここまで来るとコーナーはほとんど存在しません。

オレンジロード近辺で景色を楽しみたいなら

オレンジロードはとても走りやすい道路ですが、残念なのは林に囲まれていて景色を楽しめる場所が少ないことです。
ただ、これも少しルートを変えると景色を楽しめる場所もあります。
大谷の十字路でオレンジロードに入らず県道308号線を直進。ワインディングを登っていきます。
3kmほど走ると山の頂上で右コーナーになり、ここが変形十字路になっています。

この交差点を左折して細い道を進みます。
目印は「みかんの里 農村公園」という小さな看板。
公園を過ぎて丘陵地帯の南西側に出れば、眼下に奥浜名湖の雄大な景色を見ることができます。

ただし、この周辺は道幅が狭く、クルマ1台分しかない場所がほとんど。

加えて脇道がたくさんあり、ルートを間違えたりするとUターンに苦労する可能性もありますので、大型バイクの人やビギナーにはあまりオススメしません。

奥浜名、三ヶ日方面で行きたい悶絶級のうどん店

奥浜名オレンジロードに出かけた時に悩むのが昼食です。
三ヶ日インター付近で有名なのはウナギ
浜松から豊橋にかけては、美味しいウナギ屋さんがあり、特に三ヶ日周辺は有名店が集まっている激戦区。ウナギ好きな人には嬉しいことですが、休日の人気店ともなれば行列は必至ですし、そうなれば時間もかかります。
あまり時間をかけずにランチを済ませたいという方もいることでしょう。
ところが三ヶ日インター付近は、ウナギ以外の選択肢が少ないのです。

そこでオススメしたいのが「圧力釜もっちりうどん『福枡屋』」
圧力釜を使い、国産全粒粉の小麦粉で作ったウドンを茹であげています。

関東風とも関西風とも少し違う、このウドンを擬音で表現すれば「ツルツルモチモチ」と言う感じなのですが、その歯ごたえと喉越しが鮮烈なまでに上品。

カツオを効かせたダシも、アッサリしているのに力強い。

他のどんなウドンとも違う食感だと多くのうどん好きが言うほど。

そして凄いのは、ウドン以外の料理もクォリティーがメッチャ高いこと。
天ぷらも秀逸で、タケルさんいわく、蒸したサツマイモの天ぷらは、食べた瞬間に叫んでしまいたくなるくらい美味しかったとのこと。

合鴨も柔らかくしっとりしていて、鴨ならではの味わいが強く感じられます。
ピンク色に美しく染まった鴨肉を見るだけで、どれだけ丁寧な調理がされたか伝わってきませんか?
福桝屋は人気店なので、週末は開店前に行くと行列が出来ていますが、社長さん曰く、逆にランチ営業終了間際の方が空いていることが多いのだそうです。

ラストオーダーが14時なので、時間調整をして行ってみることをオススメします。
オレンジロード+奥浜名湖+福桝屋の組み合わせをツーリングルートに組み込めば、満足度が跳ね上がることは間違いありません。

【 圧力釜もっちりうどん『福桝屋』 】
 住所:〒431-1402 静岡県浜松市北区三ヶ日町都筑1170-10
 電話番号:053-526-1020
 営業時間:10:45〜14:30
 定休日:月・火・水
 Webサイト:圧力釜もっちりうどん『福桝屋』

ちなみに奥浜名オレンジロードや奥浜名湖でコーヒーブレイクを考えているのであれば、オススメは舘山寺スマートインターチェンジ近くにあるコーヒー・プラックバード。
気賀の町から、15分ほど走った場所にあります。
本田技術研究所で数々のビックバイクの開発責任者を努めた経歴を持つ山中勲さんが、スペシャリティなコーヒー豆を使い、フレンチプレスでコービーを淹れてくれます
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三ケ日に来たらお土産はどうする?

三ヶ日に行ったらお土産もお忘れなく。

三ヶ日インターチェンジを出たところに「JAみっかび特産センター」があり、地元のミカンなど特産品を販売しています。
実はライター後藤の周囲にも三ヶ日ミカンの大ファンがいて、必ずお土産に買って帰るほどです。

これからの次期、ミカンは減りますが、その代わりに魅力的なミカンの加工品がたくさん販売されています。

これは地元でしか販売されていないクラフトチューハイ。
三ケ日のミカンがふんだんに使われています。
お酒の好きな方へのお土産にピッタリです。

【 JAみっかび特産センター 】
 住所:〒431-1406 静岡県浜松市北区三ヶ日町駒場101-1
 電話番号:053-526-0155
 営業時間:9:00〜17:00
 定休日:
 Webサイト: JAみっかび特産センター

三ヶ日マニア(?)が狙うのは、道端などにある無人販売のミカン。
格安だし、美味しいものを見つけた時は、宝物を掘り当てたような楽しさがあります。
ちなみに、この道端でワイルドに販売されていたスルガエレガントとは、文旦と川野甘夏の交配種。さわやかな甘さが特徴です。
3月下旬までがシーズンという、期間短めの果物でした。
三ヶ日では、それぞれの季節で色々なミカンが収穫されるので、タイミングがあったら是非旬の果物を探してみてください。

奥浜名オレンジロードとその周辺の魅力、分かっていただけましたでしょうか?
三ヶ日、浜松周辺にはまだまだ魅力的な場所がたくさんあります。
次のツーリングルートに組み込んでみるのはいかがでじょう?

【文/後藤武(外部ライター)】

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