レンタルバイクを活用してバイクの魅力を満喫しているのが20歳のセイントジャスト・ゼンさんです。
「学生でバイクをすぐに買うことができないので、大好きなバイクとの唯一の接点がレンタルバイクなんです」と言います。
バイクに憧れて普通二輪免許を取得したもののバイクを所有できなかったゼンさんは、レブル250のレンタルバイクで念願の公道初デビューを飾りました。
その楽しさが忘れられず、今回は房総半島で初めてのツーリングにトライすることにしたのです。
レンタルバイクのピックアップは袖ヶ浦
寒い時期だったことと長距離の移動が不安だったこともあり、バイクはホンダドリーム袖ヶ浦でレンタルすることにしました。
高速バスでアクアラインを超えたら、そこはもう袖ヶ浦のバスターミナル。
路線バスに乗り換えればホンダドリーム袖ヶ浦はすぐです。
初めて行ったドリーム店はゼンさんにとって夢のような空間でした。
「ショップ内の雰囲気に感動しました。バイクに囲まれた美しい空間にいると、次はどのバイクをレンタルしてみようかと見渡しているだけでワクワクします。スタッフの方にもとても親切に対応いただきました」
初めての旅の相棒はCB250Rに決定
今回選んだのはCB250R。
前回のレブル250とは違うバイクに乗ってみたいと考えてのセレクトです。
単気筒250ccエンジンは低回転からトルクがあってツーリングにもピッタリ。
適度なスポーツ性があるので、房総半島のワインディングも楽しむことができます。
天気はあいにくの曇り空でしたが、初めてのツーリングに出発するゼンさんにとっては、まったく問題でない様子。
バイクに乗って、見知らぬ土地を走れるというだけで嬉しくて仕方ないのです。
アメリカに住むお父さんから譲ってもらったというレザージャケットを着て南に向けて走り出しました。
地元の有名店でエビチャーハンのランチ
房総半島を南下し、最初に向かったのは鋸南町にある住吉飯店。地元の人達に大人気の中華料理店で観光客も多く訪れます。
週末のお昼時は行列ができますが、レンタルバイクを借りてからまっすぐに向かったので、それほど混んでいないタイミングで到着することができました。
15分ほど待って通された店内はにぎやかで誰もが楽しそうに食事をしています。
ここでオーダーしたのはエビチャーハン。
エビが積み上げられたビジュアルが食欲をそそります。
ちなみにこちらが人気の”えびそば”。ドンブリからはみ出したエビがポイント。
この“えびそば”を食べるためだけに、住吉飯店を訪れる人も少なくありません。
チャーハンもえびそばも景気よくエビがたくさん入っているし、ボリュームがあるので夕方まではお腹が空くこともなさそうです。
【 住吉飯店 】
住所:〒299-2117 千葉県安房郡鋸南町勝山430
電話番号:0470-55-0255
営業時間:11:00〜14:00 17:00~21:00
定休日:水曜
Webサイト:住吉飯店
映画の舞台にもなったカフェ岬でコーヒータイム
食事を終えて向かったのは、同じ鋸南町にあるカフェ「岬」。
今回のツーリングで一番行ってみたかったところです。
映画の舞台にもなったこのカフェは、海を見下ろす高台にあります。
海を見ながら飲むコーヒーは最高でした。
あまりにも雰囲気が良いのでテラス席にも行ってみたくなり、ここで食後のデザートにチョコレートケーキもいただくことに。
岬ではママさん手作りのバナナアイスが有名なのですが、ちょっと冷えそうだったので暖かい時期に来た時の楽しみにしました。
【 音楽と喫茶の店 岬】
住所:〒299-1901 千葉県安房郡鋸南町元名1
電話番号:0439-69-2109
営業時間:10:00〜17:00
Webサイト:音楽と喫茶の店 岬
太平洋の荒波を見てパワーをもらう
ツーリングは今回が初めてだったので、一度に走る距離を短めに設定しています。
走るのは長くても1時間程度。
初めてということに加え、寒い時期なのでどれだけ体力が消耗するか分からなかったからです。ギリギリのスケジュールを組んでいないので岬でのコーヒータイムもゆっくりと満喫することができました。
岬を出て、次に向かったのは房総半島の太平洋側。鋸南町から山を超えて白浜へと走ります。
房総半島は温暖なことに加え、高い山がないので寒さが厳しくないというのが、今回ツーリング先に選んだ理由でした。
白浜まで行くルートには適度なワインディングがありましたが、アップダウンは少ないので寒さに襲われることもありません。
途中路面が濡れていたところもあって、初めてのウエット路面には緊張した様子。
それでも危なげなく走って太平洋側に到着しました。
この日は海が荒れていましたが、こういう海もまた良いものです。
白浜周辺には海岸沿いに駐車場がたくさんあるので、バイクを止めて海岸を歩いてみることに。
海に近づくと砕ける波の音が大きくなります。太平洋の荒波は力強く、勇ましくて人間にパワーを与えてくれているような気がしました。
次の目的地である野島崎灯台で雄大な景色を眺める予定でしたが、強風で灯台に登れないということなので、そのまま海岸沿いを走って館山に向かいます。
「前回レブル250に乗った時は、バイクを操作することの楽しさについて考えたんですが、今回はライディングではなく、バイクに乗ることで様々な体験ができるのだということを感じました。速いとか、タイヤの端まで使えるとか、そんな話じゃなくて、バイクでどこに行って何をしたかが重要なんですね」
旅の締めくくりは沖ノ島で夕景を眺める
ツーリングの締めくくりは館山です。
夕日が沈む時間までには館山に到着していようと決めていました。関東で海に沈む夕日が見れる数少ないスポットだからです。
目的地である沖ノ島は曇り。
徐々に日が出て明るくなってきましたが、空が少しオレンジ色になるだけで夕日を見ることはできませんでした。電車での旅だったら残念なことだと思ったかもしれません。けれど初めてツーリングをしたゼンさんには貴重な体験でした。
これも今日だから見ることができる唯一の風景だと思えば感動があります。そんな風に思えたのはレンタルバイクでここまでやって来たからでしょう。
これから何度でも来る時間はあります。そのたびに違う風景を見ることができるはずです。
少しずつ暗くなる中、館山道で袖ヶ浦まで移動。
バイクを返却して初めてのツーリングを終え、バスで帰路につきました。
初めてのツーリングで思ったこと
下記はゼンさんが書いてくれたツーリングの感想です。
バイクがなければ出会えなかった物語があった。
東京に出てきて電車が自分の足になってから、同じ景色を何日も繰り返し見ていた。
そんな時レンタルバイクを知って色々な場所を巡った。
食べたことのない食べ物だったり、地元で有名な飲食店に入ったり。
初心者は濡れた路面を走るだけですら冷や汗が出る。
でもそんな不安もまた楽しい。
日常に少し”飽き”を感じた時のちょっとしたアクセントになってくれる存在。
バイクはそんなキッカケをつくってくれるのだと思う。
もし今回レンタルバイクを借りていなければ、新しい食べ物にだって出会えなかったし、普段では見れない景色や、たまたま出会った動物の温もりだって知らないままだった。
忘れかけていた幼い頃のワクワク感や感性が蘇った気がした。
バイクは点ではなくて線を造ってくれる乗り物なんだと思う。
バイクに乗る事が木の枝のように広がっていくのを感じた。
知らない場所を走る時、どんなバイクで走るのが一番楽しいか、それを悩むのもレンタルバイクの魅力だとゼンさんは言います。
「レンタルバイクだから旅が広がりをみせる」そんなことを知ったゼンさんは、また新しい旅のことを考えているようです。
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【文/後藤武(外部ライター)】