HondaGO BIKE LAB

新型『CUV e: 』の走行性能は人気の『PCX』や『リード125』にだって負けてない! EVスクーターはここまで来た!?【後編】

私はこれまでEVスクーターというのは、純粋な『バイクとしての性能』としてはガソリンエンジン車には一歩譲るものだと思っていました。だけどこの新型『CUV e: 』には、その“思い込み”は意味をなさなかったようです。

既存のスクーターから乗り換えても違和感なし……もはやガソリンエンジンでなくても良いのでは?

EVスクーターは環境に優しい。けれど純粋な『バイクとしての性能』は長い時間をかけて技術を熟成させてきたガソリンエンジンのスクーターのほうが優れている。その思い込みはHondaの新型『CUV e: 』の登場により過去の話になりそうです。

これまでは「ガソリンエンジンのスクーターに乗り慣れてた人」がEVスクーターに乗ると「……なんだか違うな」と感じることが多かったのですが『CUV e: 』は走り始めた直後から違和感がまったくないんです……

それどころか、走りはじめて真っ先に感じたのは『上質さ』でした。

EVとか何とかではなく、純粋にスクーターとしての完成度が高い。過去のEVスクーターにありがちだった「急に加速すること」に若干、警戒しつつアクセルを開けていくと……

フワッと優しく加速する!?

そしてその加速感はガソリンエンジン車に乗り慣れた私(北岡)にとってさえ『気持ちいいフィーリング』だったんです。モーターってもっと味気ないものだとばかり思っていたのに、CUV e: の加速フィーリングには伸びやかさすら感じます。それでいてガソリンエンジン車にはない力強さと静粛性まで持ち合わせてる。

この瞬間に私の中で、CUV e: は『運転して楽しい乗り物』という認識になりました。

ハンドリングにも違和感なし

そこに加えて、さらに衝撃的だったのが『ハンドリングのしっとり感』でした。

これまでのEVスクーターの場合、交差点やカーブを曲がる時に「なんとなくフラつくような不安感」を感じることが多数あったんですが、CUV e: はむしろ『どっしり安定感がある』と感じられるんです。だけど動きに重さがある訳じゃなく、シティコミューターとしての軽快感もある。真面目に言いますが、ガソリン車のスクーターから乗り換えてもほとんど違和感を感じることはないと思います。

そのうえでよく動く前後のサスペンションが路面の凹凸やギャップもしなやかに衝撃を吸収し、乗り心地は快適そのもの。乗り手に安心感すら感じさせてくれます。

私(北岡)の中には原付二種/125ccスクーターの傑作モデルとしてHondaの『PCX』シリーズがあるのですが、今回CUV e: に乗ってみて「純粋にバイクとしての性能」の面で『これはPCXシリーズにも負けていないかも……』と感じるほどでした。

正直な話、『EVスクーターはここまで来たか!?』という感動のほうが印象として強く残っています。

EVスクーターは重い?

しかも……驚くべきことにCUV e: は「思っていたよりも軽い」んです。

これまでEVスクーターというと「バッテリーが重いせいで車体自体も重くなる」というイメージがあったのですが、実際の話としてCUV e: の車両重量は120kgに抑えられています。ちなみに言えばPCXの車両重量は133kg。PCXはボディが大柄なのでやや重くなるのは仕方ありませんが、同クラスのリード125が車両重量116kgということを考えると、CUV e: が「EVだから重い」ということにはなりません。

なので、電源をOFFにした状態での取り回しにおいても「慣れ親しんだガソリンエンジン車とほぼ同じ」といった感覚。スクーターは駐輪場などで細々と動かすことが多いのですが、その部分でもCUV e: は使い勝手の良さを感じさせてくれそうです。

あと、もうひとつ気に入ったのが極低速での安定感。要するに「Uターンのしやすさ」でした。ここはCUV e: の総合力が際立った部分です。

ハンドルの左右の切れ角(舵取り角)も十分以上に確保されているし、パワーの出方も優しい。それでいて「どっしりとした安定感」は不安定になりがちな極低速での走行時でも失われないので自信をもって扱うことができます。手狭な街中での機動力も十分。バイクとしての走行性能面において「EVスクーターとしてのネガティブ」が何ひとつ感じられません。

新型『CUV e: 』は数字だけじゃ判断できない

ここまで新型CUV e: のコスパ面や航続距離、そして走行性能について触れてきました。

そうして最終的に感じているのは、CUV e: が『数字やスペックだけで判断できない乗り物』だということです。

モーターの最高出力などは8.2馬力相当ですが最大トルクはガソリンエンジンとは比較にならないし、それ以上に『人が感じるフィーリング』という感覚的な部分に「気持ちいい」とか「扱いやすい」がいっぱいあるんです。こういうのは乗ってみないとわからないことなのですが、つまりCUV e: は『数値では判断できないバイク』になっているということを覚えておいてください。

それにCUV e: は原付二種クラスですからタンデムだって楽しめる!

ガソリンエンジン車とかEVとか、そういうのはいったん横に置いておいて、もっとシンプルに『日常生活を豊かにしてくれる』ことは間違いありません。

このCUV e: の登場によって『EVだから……』なんてネガティブを考えるのは過去の話になったと思います。Hondaが最新の技術を投入して、本気で生み出したEVスクーター……シティコミューターの新時代が、ここから始まる予感がします!

【HondaGO BIKE GEAR/CUV e: 】

https://hondago-bikegear.jp/bike/detail/CUVe_2025

【文:北岡博樹(外部ライター)】

関連記事

最近チェックした記事