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レーシング女子岡崎静夏の『いつもバイクで!』【NC750X Dual Clutch Transmission編】熟成のクロスオーバーはやっぱり快適、超便利!

自身が参戦するクラスの全日本開幕はまだ先ですが、体制発表会やイベント出演やテスト走行などで、相変わらず多忙な日々を過ごす岡崎静夏さん。その合間に、’25 年2 月10日に最新版が発売されたNC750X DCTでのんびりツーリングへ……。

ルックスはキュートだけど、全日本ロードレース選手権J-GP3クラスに長年参戦し、昨年はランキング4位を獲得した驚速女子!!

ツーリングでの安心感と操縦性にさらなる磨き!

 

3月下旬には、大阪と東京で毎年恒例のモーターサイクルショーが開催され、いよいよ春本番。東京のほうの土日には、私もいくつかのブースでトークショーに出演しました!

そんなバイクシーズン突入に先駆け今月は、最新モデルにチェンジしたばかりのNC750Xデュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)をお借りして、ちょっぴり気の早い春ツーリングへ出かけてきました。この’25年型は、フロントまわりを中心に外観が一部変更され、フロントブレーキがダブルディスクになり、メーターとハンドルスイッチが最新世代となり、DCTの制御にも改良が施されています。

とはいえエンジンと車体は基本的に、フルモデルチェンジを受けた’21年型と同じ。私にとっては久々の再会という感じでもあります。

車体は、私の体格に対してはけっこう大きく、シーンによっては持て余し気味になりますが、かといって走りづらさは皆無。
これは、ハンドルだけが遠いとかシートだけが高いなんていうチグハグ感がなく、全体のバランスがいいからだと思います。

そして逆に考えれば、私よりもだいぶ背が高い人でも、車格に余裕があるということ。しかも、見た目から想像するほどの重さは感じないので、小さすぎないミドルクラスを探している人にはオススメです。

ちなみに今回の仕様変更では、スクリーンも新設計されているのですが、これが優れたウインドプロテクション効果を発揮。
身長があるライダーを想定して、上半身を起こして乗ってみたのですが、それでもカラダに当たる走行風はかなり軽減されていると感じました。
嫌な巻き込み風もなく、長時間の高速巡航でも快適にツーリングできます。

新旧をその場で比べていないので、フロントブレーキのダブルディスク化による恩恵をはっきり体感できたわけではないのですが、もちろんデメリットはありません。
初期のコントロールがしやすく、握り込むことでじわっと制動力が増し、バンクしながらの操作にも違和感はありません。
ブレーキをガッツリ利かせながらスポーティに走らせる車種ではないとはいえ、やっぱりダブルディスクのほうが安心感はありますね。

最新のDCT制御は極低速走行にも強い

同じくDCT制御に関しても、新旧を直接比較できてはいないのですが、この最新型に乗ってみて、「あれ、DCTって極低速でこんなに操縦しやすかった?」と思いました。
最新のDCTなら、もちろん丁寧なスロットル操作は必要ですが、歩くような速度域でコントロールしながら走ることも可能です!

DCTは、絶対にエンストしないというのが利点なので、極低速走行時はスロットルを開け気味にしながらリヤブレーキで速度を調整するのもオススメなのですが、例えば右Uターンの際などに、右足をステップに載せたままにするのが不安な人もいるはず。
新型NC750XのDCTは、リヤブレーキを使わなくてもドンっと前に進んでしまうような感じがかなり少なく、Uターンが苦手なライダーでも扱えそうです。

ちなみに、走行中の変速がよりスムーズなフィーリングなのも最新DCTの特徴。
ライディングモードによってATの変速タイミングが切り替わり、状況に応じて高回転を使った走りができる点も好印象です。

このDCTと組み合わさる水冷並列2気筒のナナハンエンジンは、極めてパワフルというわけではないけど、トルクはたっぷり。
「縁の下の力持ち、います!」という感じで、優しく支えてくれます。ツーリング中はそれほど回転数が上がらず、だからこそ振動もかなり少なく、長距離を走っても疲れません。

これは車体に関しても同じで、やや長めのホイールベースに由来すると思われる安定感ある動きと、スクリーンや外装類の優れた防風性により、ツーリングでの疲労は少なめ。
俊敏なスポーツバイクとは違いますが、いわゆるアドベンチャー系と比べたらオンロード寄りのハンドリングで、気を遣わず操縦できます。

今回の改良ではメーターも最新世代となり、スマートフォンと連携すれば矢印によるナビゲーションまで表示可能。
もちろんラゲッジスペースは健在で、荷物は簡単に積めます。例えば「長く、遠くへ、ゆったり」なんてツーリングスタイルとは、最高に相性がいいと思います!

 

NC750X Dual Clutch Transmission:SHIZUKAの評価)

1)スタイリング:従来型のイメージを踏襲しながら、よりシャープな雰囲気に。この排気量帯と価格なのに、迫力と存在感がたっぷりあるのも魅力です。

2)スポーツ性:するかどうかは別として、優れた安定性や充実の電子制御などのおかげで、ルックスから想像するよりもスポーティに走れます。
3)ツーリング:まさに、このためにあるバイク。どこまでも遠くへ行けちゃいそうだし、近場を巡るのにも便利で快適。たくさんお出かけしましょう。
4)街乗り:車体は大柄ですが、それほど重いわけではなく、しかも最新DCTは低速域の制御も秀逸。私の身長でも意外と街乗りで使えちゃいます。
5)コストパフォーマンス:この排気量と装備で、走りに以前よりも上質さがプラスされていることも考えたら、十分に納得の範囲。燃費がいいのも長所です。

SHIZUKAのお気に入りポイント

【安心感につながるダブルディスク】
シングルディスクだった従来型でも、フロントブレーキの制動力に不満を感じたことはありませんが、この排気量と車重なので、ダブルディスク化による安心感は大きいです。
止まる力に余裕があるのは、疲労軽減にもつながるはず。

【いつでも、すぐに、荷物を積めちゃう】
普通なら燃料タンクがある位置を、一般的なサイズと形状であればフルフェイスヘルメットも収納可能なラゲッジボックスにしているのが、NC750Xの大きな特徴。道の駅で野菜を買うのが好きな私には、本当に魅力的な装備です。

(クレジット)
●まとめ:田宮 徹 ●写真:楠堂亜希
※当記事は(株)内外出版社ヤングマシン掲載記事(2025年5月号)の内容を編集・再構成したものです。

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