ある意味『超』正統派スポーツツアラーとも言えるVFR800F。長年バイクを乗ってきた熟練のライダーには、V4エンジンのフィーリングが心に染みることになると思います。
独特の『V4フィーリング』を余裕をもって味わってほしい
ホンダのバイクである以上、どんな人が乗っても楽しめることは大前提です。
だけど、その中でもVFR800Fだけはちょっと特別というか、ライダーによって感じ方が変わるバイクかもしれません。
基本的にはスポーツツアラーとして仕立てられているので『ツーリング先でも走りを楽しみたい人』には純粋におすすめできます。
800ccという排気量を考えるとやや大きめに感じるボディサイズと、243kgの車両重量によって高速道路ではリッタークラス同然にどっしり安定。しなやかでよく動く足まわりもあって、ライダーを疲れさせません。
しかも『ロングツーリングの快適性を高めた』と言うだけあって、防風効果も高く快適に長距離を走ることができます。
スポーツツアラーとして、快適性もスポーティさも、パフォーマンスは必要にして十分。
ですが、VFR800Fには『それ以上の特別感』があるんです。
ホンダ『V4』に歴史あり
まずこの『インターセプタ―』カラーにビビッと来た人は、もうそれだけでVFR800Fを乗ってみる価値があります。
ホンダのV4エンジンがアメリカを、ひいては世界を席巻した1980年代において、ある意味ホンダのバイクの象徴していたのがこのカラーです。
その歴史を知るライダーならば、VFR800F独特のエンジンフィーリングに強い感銘を受けるはず。同じ4気筒エンジンでも、やっぱりV4って直列4気筒とはまるで違いますから。
そして、スポーツバイクを長年乗り継いできたライダーは、もっと実際的な部分で、V4フィーリングに価値を見出すことができるはずです。
誤解を恐れずに言えば、そのフィーリングに派手さはありません。
ホンダ独自のバルブ制御システム『HYPER VTEC』によるパワー感の変動はエキサイティングですが、基本的には派手さよりも、フラットで扱いやすいフィーリングこそが真骨頂。往年のレースシーンにおいて、この扱いやすさこそが無類の武器だったのだろうと感じることができます。
その上で不等間隔爆発が生み出す自然なトラクション性能により、コーナーの立ち上がりは実にスムーズで安定。
スロットルの開けやすさ、そしてトラクション性能。そこにこだわりのあるライダーにとって、VFR800Fの走りは『他には無いもの』と感じることができるはずです。
どちらかと言えば『玄人向け』のVFR800F
もちろんバイク初心者が乗っても、その扱いやすいパワーフィーリングは大きな安心につながると思います。
だけどこのバイクに乗って『ハッとする』のは、きっとベテランのライダーでしょう。
V4エンジンの、この扱いやすさは何のため?
そこに想いを馳せることができる熟練者は、ちょっとした感動をVFR800Fの中に見出すことになるかもしれません。
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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