エッジの効いたスーパースポーツテイストのスタイリングにも関わらず、運転はバイク初心者にも優しいフレンドリーなキャラクターを持つのがCBR400R。その扱いやすさから、ツーリングバイクとしてもおすすめしたい1台です。
Honda CBR400R(2020)
現行シリーズのCBR400Rの初期型は2013年に登場。2019年のアップデートで現代的に洗練されたスーパースポーツライクなスタイルを手に入れています。
2020年夏には『CBR』のロゴデザインがトップエンドのCBR1000RR-Rと同じものに変更され、ホンダの『CBR』ファミリーであることをより強く感じられるようになりました。
エンジンは400ccならではの余裕とフラットなパワーフィーリングで低~中速域が特に扱いやすい特性。
しかしながら、ピークパワーを発生する9000rpmまでスムーズに回る直列2気筒エンジンを搭載しています。
また、2019年の刷新ではクラッチ操作が軽くなり、リアタイヤに急激なバックトルクがかかった際にそれを緩和するアシストスリッパ―クラッチを採用。リアサスペンションも分離加圧式のものに変更され、乗り心地の良さとスポーティさを両立する足まわりを手に入れました。
ライディングポジションもよりスポーティになっており、扱いやすさと操る楽しさを両立したベーシックスポーツとして仕上げられています。
■車両価格(10%税込)80万8500円
CBR400Rのライディングポジションや足つき性は?
2019年の変更によりセパレートハンドルの位置がより低く設定されたものの、前傾姿勢の程度は適度なレベルで、ツーリングでも苦しさを感じることはありません。このライディングポジションには785mmという低めのシート高も関係していて、着座位置が一般的なスーパースポーツよりも低いため、相対的に上半身を起こし気味にして乗ることができるようになっています。
そして400ccのボディサイズは250ccクラスよりもひと回り大きく、膝の曲がりも含め、身長176cmの男性ライダーでも窮屈さを感じない乗車姿勢で走ることができます。
CBR400Rの燃費は?
CBR400Rの使用燃料はレギュラーガソリン。燃料タンク容量は17Lの大容量となっています。
高速道路7割、一般道3割の割合でトータル493.7kmの距離を走った場合の合計給油量は15.66L。
満タン法で計測した燃費はガソリン1Lあたり31.5kmとなりました。
タンク容量が17Lあるので、航続距離としては500kmを超える計算。
エンジンは扱いやすいだけでなく燃費も良好。快適なツーリングを楽しめるバイクです。
CBR400Rの主要装備を解説
まずはじめに、CBR400R最大の特徴はこの、ものすごく『カッコいい顔』です! ここだけを見ていると、本当にスーパースポーツ同然。まさかこのバイクがライダーフレンドリーなキャラクターだとは想像もつきません。
もちろんヘッドライトはLED。ウインカーも2019年モデルからLEDへと変更されました。
高速道路でのウインドプロテクション性能は限定的で、ツーリング向きというよりも、スポーツバイクとしての『風よけ』というべき装備です。
もっと快適にツーリングを楽しみたいライダーは、純正アクセサリーとして設定されているハイウインドスクリーンの装着がおすすめです。
2020年モデルではCBRのロゴが変更されています。このロゴはホンダのハイエンド・スーパースポーツCBR1000RR-Rと共通のロゴデザインです。
シートには張りのあるウレタンが採用されていて、座り心地は硬すぎず、柔らかすぎない絶妙のサジ加減。スポーティな走りではダイレクト感とツーリングでの快適さを両立しているシートです。
こういったフルカウルのスポーツバイクとしては、後席もすこし広め。タンデム走行も快適に楽しめるよう配慮されていることが伺えます。
トップブリッジの下にマウントされたセパレートハンドルはかなりスポーティな印象。ただし前述の通りシート高が低いので、実際に跨ってみると『あれ?そんなにキツくない』と感じます。
フロントフォークにはプリロード調整機構が備わっているので、走りのスポーティさを重視したい場合は、乗り味の変更も可能です。
ステップはラバータイプで長時間走行の快適さを重視。CBR400Rは『スーパースポーツ』ではなく、走りを味わうベーシックなスポーツバイクであることが見て取れるディテールのひとつです。
フロントブレーキはΦ320mmのシングルウェーブディスクローターとNISSIN製の2ピストンキャリパーの組み合わせ。絶対的な制動力の高さよりも速度コントロールに重きを置かれている印象で、ブレーキ効力の立ち上がりも穏やか。ブレーキにも扱いやすさが際立ちます。ABS標準装備。
エンジンは総排気量399ccの水冷4ストロークDOHC直列2気筒を搭載。最高出力は46馬力でCB400シリーズに比べると抑え目ですが、そのぶん力強さと扱いやすさの面で優れた特性となっています。
扱いやすさを武器に、スポーツバイクとしてレッドゾーン付近まできっちりと使って走らせる。瞬間の速さよりも『操る楽しさ』を感じられるキャラクターのエンジンです。
マフラーからのサウンド/音量は控えめな印象。ゆっくり流して走るときに、優しい低音のサウンドが心地よく耳に響きます。
メーターはフルデジタル表示で、速度表示を最も見やすい位置に配置。その周囲を時計や燃料計、タコメーターやギアポジション表示など必要な情報で囲むようなレイアウトになっています。
瞬間/平均燃費の表示が可能なほか「燃料消費量表示」がとても便利。どれくらいガソリンを使ったか=どれくらいガソリンが残っているか、の指標としてかなり参考になります。
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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