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エンジンを活かすも殺すも車体次第だと2022年モデル『CBR400R』で思い知る【ホンダの道は一日にして成らず 第32回/Honda CBR400R(2022) 中編】

足まわりを中心に進化した2022年型CBR400R。エンジンは特に変更を受けていないはずなのに、走りがぜんぜん違うんですけど?!

2022モデル新型『CBR400R』の進化は奥が深い?

バイク初心者の人も安心して扱いやすさなのに、スタイリングはスーパースポーツ。

そのギャップこそが、CBR400Rのひとつの持ち味だと私(北岡)は信じていました。

そして2022年モデルとしてアップデート受けた新型も、その延長線上を正しく進化している。最初はそう感じていたんです。

【前編】からの続きです

 

だけど高速道路に乗ってみてからというもの、印象が変わってきた。

はじめはエンジンの出力特性を変えてきたのか? と思ってしまったほどでした。

2020年モデルのCBR400Rは、400ccならではの豊かなトルクと鷹揚さを感じるアクセルのレスポンスで、穏やかにまったりクルージングを楽しむといった性格のものだったと私は記憶しています。

高速道路の巡航ペースでは、どうしても高回転まで回さざるを得ない『250ccにはないゆとり』こそが武器であり、その恩恵として長距離走行でも疲れない。

スーパースポーツライクなスタイリングとは裏腹の、ツアラーとしての快適性能が個人的には大好きだったんです。

だけど2022年モデル CBR400Rは、なんだかこう……アクセルを開けたくなる。

例えば時速90kmあたりで走行車線を巡航中に、前方を大型トラックやバスに塞がれてしまった時、それがあまりにもローペースであれば、車線変更をして追い越しをかけることになります。

その時の加速感が2020年モデルとは違うように感じられたんです。

高い速度域で活きてくる足まわりの進化

先の【前編】でも言ったことですが、2022モデルの新型CBR400Rは足まわりの進化が中心。特にエンジンに変更があったという情報はありません。

それなのにアクセルを開けた時のレスポンスが気持ちよくて、2020年モデルよりも無意識にハイペースになってしまう……

『え? インジェクションのセッティングも変わってる?』って、そう思うほどの違いがそこにはあったんです。

でも、それこそが実は『足まわりの進化』の恩恵によるものなんだと、ライダーとしてのセンサーをフル展開して、じっくり走ってみることで気づくことができました。

おそらくフロントフォークとスイングアームの変更、そしてフロントホイールの軽量化が効いている。

わかりやすく言うなら、高速道路での高い速度領域において『バイクの安定感』が従来型とは比較できないほどに進化を果たしているんです。

その安定感のおかげで起こる変化はふたつ。

まずひとつ目として、これまで以上にしっかり感の出た車体が、アクセルを開けると同時にタイムラグの無い加速フィーリングをライダーに伝えてきます。排気量400ccの2気筒エンジンらしい、路面を蹴り飛ばすようなメリハリ感とでも言えばいいでしょうか。だけど、もちろんCBR400Rの持つ美点は健在なので、加速感にメリハリが出たと言っても、それは乗り手を怖がらせる種類のものではありません。

そして、その副次的効果としてライダーの気分が盛り上がる。これがふたつ目。

というか、こっちのほうが影響が大きいのかもしれません(笑)

持ち味の安心感は変わらないままなので、もっともっと!ってアクセルを開けたい気分になっちゃうんです。

おまけに車線変更の際の動きもスッ、ピタッと決まるようになってるし、追い越し加速から巡航ペースへ戻る時の軽いブレーキもタッチが心地いい。

感覚的な話でも申しわけありませんが、2022年モデル CBR400Rは『楽しくなってる』んです。

それと同時に、車体側の変更でエンジンの印象って、こんなにも変わるのか……と舌を巻く思いでした。

だけど、この時に感じた進化の恩恵は、実のところ本領の一部分でしかないことに、高速道路を降りた後に思い知ることになるんです。

 

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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