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ありそうでなかった? CBR400Rは走ることの楽しさを『正しく』教えてくれる400ccのバイクです!【ホンダの道は一日にして成らず 第3回/Honda CBR400R 中編】

やろうと思えばスポーティなバイクに仕立てることもできたはず。だけどホンダはCBR400Rでそれをやりませんでした。目指したのは別の場所。バイクの原点的な楽しさを、ひとりでも多くの人に知ってもらうために!

【前編】からの続きです

スタイルを味わう、というCBR400Rの独自路線

バイクはまず、運転することそのものが楽しい。

そこには多くの人が賛同してもらえることだろうと思っています。

でもバイクに乗る人は年齢も性別も様々で、いろんな人がいます。

その中にはもちろんバイク初心者の人や、好きだけど運転にはちょっと自信がないっていう人もいる。

そういう人がもし、フルカウルスポーツのカッコ良さに憧れていたとしたら……

ウデが無いやつは乗る資格無し! じゃないですよね?

そんな器量の狭いことをホンダは言いません。

だからこそCBR400Rっていうバイクが生み出されたんです。

見た目が好き!から広がるバイクライフ。それも正解!

スポーティなスタイルのバイクを十人十色のファッションで楽しむ。

最初は『見た目重視』で良いと思うんです。

と言うか、初心者に限らず、長い間バイクに乗り続けている人でもバイクの『カッコ良さ』は何より大事なことですから。

そして、入り口はなんであれ、走り出せばバイクの世界は一気に広がるものです。

最初は誰だってビギナーな訳だし、大事なのはそこから『バイクが好き』っていう気持ちが強くなること。

最初から厳しいだけの環境に放り込まれたら、嫌になっちゃう人だってたくさんいます。

だからCBR400Rのような優しさのあるバイクからはじめるのは、とても正しいと思うんです。

そうしてバイクに乗る中で『もっとステップアップしたい!』と感じる人もいれば、CBR400Rと共に『とことんバイクの楽しさを突き詰めたい』と考える人だっているはず。

ライダーはみんな、多かれ少なかれ、そういうプロセスを経てバイクをどんどん好きになっていくものですよね。

CBR400Rは『ライダーを育てる』バイクだと思う

なので、CBR400Rはとにかく乗りやすい。

400ccのパワーがありながら、スロットルを開けた瞬間もパワーが唐突に出ることなく、どっしりと安定して加速します。

ハンドリングは鋭すぎることもなく、でも応答が鈍い訳じゃない。

決してライダーの感覚を追い越すことが無いから怖くない。純粋に、バイクでコーナリングすることの楽しさを味わうことができるんです。

けれど勘違いしちゃいけないのが、やっぱりCBR400Rはホンダの『CBR』であって、単純なビギナー向けのバイクではないっていうことです。

前後のサスペンションは乗り心地の良い、柔らかめのセッティング。だけどグニャグニャって訳じゃなくて、奥のほうできっちり粘る。

個人的に好きなのはハリのある明確なブレーキタッチで、車速の微細なコントロールがしやすいところ。そして、ブレーキリリースの瞬間に違和感が無いところ。

つまるところ、エンジンは扱いやすさに特化しているけれど、車体の作りこみはきちんとスポーツバイクとしてバランスさせてあるのがCBR400Rなんです。

わたし(北岡)はバイクに乗ってもう長いですけど、CBR400Rに乗っていると、色んなことを試してみたくなりました。

運転することに余裕があるから『こうしたらどうかな? もっと上手く走らせられるかな?』って試行錯誤したくなるんです。

そうやって走っていて思ったのは『CBR400Rって乗り手を育てるのが上手なバイクだな』という感想でした。

先に言ったように、最初は『見た目から』でいいんです。

CBR400Rは、そこから優しくライダーにバイクの楽しさを教えてくれる。

こういうバイクは、ひとりでも多くの人にバイクを好きになってもらうのに必要な存在です。

そういう意味でのCBR400Rって、今まで『ありそうでなかった』貴重なバイクかもしれませんよ!?

【文:北岡博樹(外部ライター)】

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