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250ccには真似できない! 400ccだから成立させられた優しいバイク【ホンダの道は一日にして成らず 第3回/Honda CBR400R 前編】

排気量400ccでエッジの効いたスポーツスタイルを持つCBR400Rですが、このバイクって実は、見た目と性格が大きく違うことをご存じですか?  CB400シリーズともCBR250RRとも違う、400ccバイクの新しいアプローチがCBR400Rっていうバイクです!

CBR400Rは見た目とのギャップが大きい!

ホンダのスポーツバイクに冠せられる『CBR』の名前を持ったフルカウルスポーツバイクで、排気量は400cc。

それだけを聞くとCBR400Rはかなりスポーティなキャラクターに思えるかもしれません。

でも、実のところCBR400Rは突き詰めて速さを求めるバイクじゃない。まず前提として、そこだけはハッキリと言っておきます。

このバイクは見た目とは裏腹に、とっても優しい性格なんです。

だけど、そこがけっこう勘違いされやすい。

だってCBR400Rのスタイリングときたら、とてつもなく速そうですから(笑)

それに同じくホンダには400ccクラスに『CB400シリーズ』があるから余計にそう思っちゃうんでしょうね。

そのCB400シリーズはオーソドックスなネイキッドスタイルでありながら、ホンダ伝統の4気筒エンジンを搭載して、走りもピュアスポーツ顔負け。

だからこそCBR400Rには、スタイルからも『それ以上』をイメージしてしまいがちなんです。

けれども、ここは逆の発想。

片側にCB400シリーズというスポーツバイクがあるからこそ、CBR400Rは思い切って『乗りやすさ』に舵を切ることができたんです。

400ccのパワーを『速さ』じゃなく『扱いやすさ』へ振ったバイク

CBR400Rのキャラを決定づけるのは、搭載されているエンジンです。

CB400シリーズの直列4気筒エンジンとは違う、並列2気筒を採用。最高出力は46馬力となっています。

ちなみにCB400シリーズの最高出力は56馬力ですから、ここだけ見ると『控え目のパワー』に感じるかもしれません。

でもCBR400Rは始めから目指している場所が違う。400ccの排気量を『余裕』とか『ゆとり』として捉えているんです。

真逆のキャラクターがCBR250RR

Honda CBR250RR

ある意味、その対極にあるのが同じくホンダのCBR250RR。

CBR400Rと同じく並列2気筒エンジンで排気量は250ccにも関わらず、CBR250RRの最高出力は41馬力。 その高出力を13000回転という高いエンジン回転数で発生する、まさしくピュアスポーツです。

ただし、高回転で高出力を叩き出すエンジンというのは低速~中速域がある程度、犠牲になることが避けられません。このあたりは突っ込むと複雑なメカの話になるのでざっくりとお伝えしますけど、CBR250RRは日常的な扱いやすさよりも、純粋に『速さを求めるバイク』なので、それでいいんです。

CBR250RRとは真逆のアプローチをしたCBR400R

しかし、バイクっていうのは概ね、低速域から中速域が力強いエンジンほうが運転がイージー。

そこでCBR400Rは、とことん低速~中速域の力強さにこだわってエンジンのキャラクターを味付けし、さらに排気量400ccならではの力強さを上乗せ。

あえて最高出力を捨てることでバイク初心者を含め『どんな人が乗っても安心できる』ように仕上げてあるんです。

CBR400Rは乗り手を選ばない

それこそがCBR400R最大の価値。

ホンダはCBR250RRやCB400シリーズのような、スポーティなバイクを作る技術は当然のように持っています。

だけど誰も彼もがバイクに高いスポーツ性を求める訳じゃないですもんね。

フルカウルスポーツのスタイルが大好きだけど、乗りやすくて安心できるバイクが欲しい。そういう要求に応えるのがCBR400Rです。

それに、CBR400Rって実は『バイク乗りを育てる』のが得意なバイクでもあるんですよ!

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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