バイクはバランスで成立する乗り物。車体側のアップデートでエンジンフィーリングまで変わっているように感じた2022年モデルのCBR400Rでしたが、その本領はワインディングで真に開花するのでした……
従来型とはまるで違う現行型『CBR400R』のコーナリング
足まわりを刷新することで、走りのフィーリングがここまで変わるとは……
エンジンを活かすも殺すも車体(シャシー)次第だということは、バイクに長く乗っている中で知っているつもりでしたが、もともとが扱いやすさを重視した特性のCBR400Rだったせいか、ちょっと油断していたのかもしれません。
2022年モデル CBR400Rは、エンジンに変更を受けていないにも関わらず『アクセルを開ける楽しさ』が数段アップしていたんです。
【中編】からの続きです
そう感じた理由は、先の中編でお伝えしたとおりですが、本領はまだそんなレベルじゃありませんでした。
高速道路を降りて、ワインディングに入ったあと……
私(北岡)は2022年モデルCBR400Rの走りに夢中になることになるのです。
2022年モデル CBR400Rは『全力で楽しめる』スポーツバイクに!
2020年モデルのCBR400Rでは、ワインディングに入っても自然にマイペースを貫ける。そういう穏やかさ、優しさを持っていたバイクでした。
誤解のないように先に言っておくと、その長所は2022年モデルにも変わらず引き継がれています。
だけど違うのは『意識的にスポーティーに走らせようとした時』です。
コーナーへ向かってのブレーキングからして、もう全然違う。
倒立フォーク化とブレーキキャリパーのラジアルマウント化による剛性感アップ、および安定的なブレーキフィーリングは、怖さを微塵も感じさせることなく、フロントタイヤに荷重を載せていけます。
ダブルディスク化でバネ下重量は重くなっているはずですが、そこはフロントホイールの軽量化で相殺。サスペンションの動きを阻害する要因は排除されています。
なので『怖さMAX』になりがちな下り坂のブレーキングですら余裕たっぷり。
確実にフロントタイヤが接地している安心感を感じることができているので、強いブレーキにも恐怖感がありません。ここにはスイングアームの剛性最適化も影響としていると思われますが、バイクを寝かせていく過程、そして寝かせている状態での安心感がハンパじゃない!
必然と言うべきでしょうが、そのおかげで思い切ってコーナーへ飛び込んでいけるようになります。コーナーへのアプローチが断然スポーティーになっているんです。
そこからコーナーの脱出に向かって、アクセルを開けていくんですが、スロットルオンで加速態勢に移行しても、フロントタイヤの接地感が消えない。
加えて後輪の接地感も従来以上に明確に感じられる。
ぶっちゃけ言いますが、ちょっと比較にならないほど、2022年型のCBR400Rはスポーティーさにおいて2020年型を凌駕していると思います。
CBR400Rらしさそのままに『走り』を底上げ!
だけど、エンジン特性は(感覚的にはレスポンスが良くなったように思えても)基本的に従来通りの扱いやすさのまま。
その扱いやすさが強化された走りの安定感と相乗効果を起こして『全力で走りに向き合えるバイク』にCBR400Rを進化させているんです。
やっぱホンダってスゲぇ……2022年モデル CBR400Rに乗って、素直にそう感じました。
バイクっていうのは『バランスの乗り物』です。サイドスタンドが無ければ自立することもできない二輪車を、ライダーがバランスを取りつつ走らせるのもそうですが、バイク側のキャラクターも各部の装備やセッティングのバランスによって大きく変わる。
今回のCBR400Rの進化は、そのバランス感が秀逸だと感じるものでした。
街中を流したり、ツーリングで自然の中をのんびり流す時の余裕のあるフィーリングは従来のまま。
だけど高速道路やワインディングなどで、バイクに高い負荷が掛かるようなシチュエーションにおいては、スポーティにそれに応えてくる。
2020年モデルのCBR400Rに、そのままスポーティーさだけが上乗せされた。
2022年モデルは、そういうバイクになったと断言していいと思います。
街乗りも、ツーリングも、スポーティーな走りも思う存分に楽しめる。そこに加えて、ひと目惚れ必至のスーパースポーツスタイルな訳ですよ?
1台で楽しめる範囲が広くなったうえに、見た目もめちゃくちゃカッコいいって……
2022年モデルのCBR400Rに対して『こんなのズルい!』って思っちゃうのは、私だけなんでしょうかね?(笑)
【文/北岡博樹(外部ライター)】
よろしければ、最初の【前編】からお楽しみくださいね!
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