バイクのサイドスタンドを払うタイミングは? 跨る前と、跨ってからのどっちがいいの?
教習所ではバイクに『跨る前』にサイドスタンドを払うと教わるけど・・・
教習所では『サイドスタンドを払ってからバイクに跨る』って教わりますよね。
でも実際、公道に出てみると多くのライダーは『バイクに跨ってからサイドスタンドを払う』のが一般的です。
これ、どっちが正解なんでしょう??
ちなみに実際問題としては、サイドスタンドを払ってから跨るのって、けっこう緊張します。
跨る瞬間はどうしても片足立ちになるし、その不安定な状態のままバイクが倒れないように支えていなければいけません。
シート周りの車高が高いバイクだと、足が引っかかって、バイクを倒してしまいそうな恐怖感もあります。
正直、『跨ってからサイドスタンドを払う』ほうが安心感が高い。
これは初心者のみならずベテランライダーでも同じこと。
実際のところ『跨ってからサイドスタンドを払う』ライダーが大多数を占めるのが現実です。
跨る前に『サイドスタンドを払わなければいけない』というルールは無い
ちなみに、バイクに跨る前にサイドスタンドを払わなければいけない、といったルール、もしくは法律は存在しません。
つまり『跨ってから』でも基本的にはOK。
でもじゃあ、なぜ教習所では『サイドスタンドを払ってからバイクに跨る』という手順で習うんでしょうか・・・?
諸説あるけど『安全のため』が有力説
これにはいろんな説があります。
昔はサイドスタンドスイッチ(サイドスタンドが出た状態でギアをN(ニュートラル)以外に入れるとエンジンが停止する安全装置)が無かったため、サイドスタンドが出たまま誤発進するのを防止するため、とも聞きます。
それも理由のひとつとして、納得のいくものです。
だけど、それ以外の『安全のため』というのが、有力な理由となるようです。
まず大きな理由のひとつが『後方確認』です。
跨る前にクルマが後ろから来ていないかを、きちんと目視で確認してから跨る。
二輪免許取り立てのバイク初心者の頃は、バイクを発進させることに頭がいっぱいになりやすいので、うっかり後方確認を忘れがち。
そうやって安全確認を徹底するための手順のひとつでもあるようです。
確かに・・・そういえば教習所で『跨る前に後方確認をすること』って習いますよね。
車道側にバイクを傾けないように
それ以外にも『車道側にバイクを傾けないようにする』という理由も。
サイドスタンドの長さには車種毎に個体差がありますけど、跨った後にサイドスタンドを払う場合は、基本的に上の写真のような『足元を見つつ、右足でバイクを支えて、左足でサイドスタンドを払う』という状態になります。
この時、バイクの重量を支えるため、大なり小なり、車体は『車道側』に傾くことになる。このタイミングでうっかり足を滑らせでもしたら、バイクは車道側に倒れることになるし、場合によってはライダーも車道側に投げ出される可能性を否定できません。大きな事故につながらないよう、安全面に配慮されているのでしょう。
ちょっと憶測混じりなところもあって申し訳ないのですが、教習所で『サイドスタンドを払ってから跨るのは安全確保のため』というのが主な理由。
教習所ではとにかく『初心者の人のため』に最適化された指導がされている・・・ということです。
なにぶん、この手順が規定されたのが昔すぎて、完全に真相究明とまではいきませんでしたが『安全のため』というのは納得のいく理由ではないでしょうか?
もちろん『跨ってからサイドスタンドを払う』ことのメリットもあるので、どっちが正解!っていうものでもありません。
大事なのは、ちゃんと安全確認をすること。それに尽きます。
大好きなバイクだからこそ、安全面にも気を付けて楽しむのが『ライダーのマナー』っていうものですからね!
【文/北岡博樹(外部ライター)】