DCTという個性と『クロスオーバー』コンセプトを持って生まれた2012年はNC750Xではなく、NC700Xでした。そこから熟成を重ねて今は第三世代。この10年の中で生まれたホンダの新型バイクの中で、いちばん成長したのは、ひょっとしてNC750Xかもしれません。
【後編】からの続きです
2012年の『NC700X』から進化してNC750Xは今に至る
もはやすっかり定着しているから忘れそうになりますけど、2012年に登場した時、このバイクはNC700Xという名前でした。
その頃の排気量は669cc。それが2014年に745ccへと排気量が拡大され、車名もNC750Xとなりました。
このタイミングで素晴らしいエンジンの味わい深さを手に入れています。
そして2年後の2016年にはさらに第三世代へと進化。前後サスペンションが刷新され、スタイリングも洗練。短いスパンで次々と改良が施され、そのたびに確実に魅力を大きくしてきました。
誤解を恐れずに言えば、ここ10年の間で『まったくの新型』として登場したホンダのバイクの中で、もっとも成長したのがNC750Xだと個人的には思っています。
でもどうして、それほど矢継ぎ早に改良が積み重ねられたのか?
それはきっと、このバイクに『可能性』があったからだと思います。
最高出力を求めなかったテイスティなエンジンは味わいが深く、750ccの車体は大きすぎず、小さすぎない。足つき性も悪くないし、快適性も確保されてる。第三世代への進化の際にはスタイル面での所有感も手に入れた。
いわゆるミドルクラス・中間排気量帯のバイクはよく『ちょうどいい』と言われて評価されますけど、NC750Xの場合はちょっと違うと思うんです。
もちろん『ちょうどいい』のも確かですけど、ことツーリングシーンにおいて話をするならNC750Xは『ちょうどいい』どころか『ド真ん中』だと言っていい。
旅するバイクとして、必要なものを、必要なだけ標準装備。
そこを土台にしたうえで、ホンダ独自のDCT機構が、NC750Xを『よくあるミドルクラスのツーリングバイク』とはひと味違うものに昇華させているんです。
NC750Xは『総合力』で勝負する
大パワーが自慢じゃないし、切れ味鋭いハンドリングを持つわけでもない。NC750Xには『コレ!』というような突出したものがありません。
だけど、すべての要素の平均点がとても高い。
総合的に見ると、バイクとして実に優れているんです。
だから強い個性は無いはずなのに、乗っていると『これ、いいバイクだなぁ』って、いつの間にかお気に入りになってしまう。
これって、実は長く付き合えるバイクの必須条件。
そうやって2012年のシリーズ誕生から今日まで、このバイクは多くのライダーに愛されてきたんです。
数あるホンダのバイクラインアップの中でも、これほどのバランス感を備えたバイクは多くありません。
世の中にはいろんなバイクがありますが、ツーリング好きのライダーには、是非とも一度体感してもらいたい思える1台。
それがオートマチックDCTを装備したNC750X。
ニッポンを旅をするにあたって、ひとつの理想に限りなく近いバイクです。
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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