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ホンダが好きなら『VFR800F』っていう大型バイクのことを知っておいて損はない!【ホンダの道は一日にして成らず 第7回/Honda VFR800F 前編】

誤解を恐れずに言うなら! いまホンダのバイクラインアップの中で、最もマニアックだと思うのがVFR800Fです。ざっくり言うなら800ccのV4エンジンを搭載した大型スポーツバイクなのですが……VFRって、ホンダの栄光の軌跡そのものでもあるんです。

VFR800Fはホンダのバイクの中でもちょっとマニアック?

ぶっちゃけまして、ホンダのラインアップの中にある『VFR800F』っていうバイクのこと、ご存じでしょうか?

長年ホンダのバイクを乗り継いできたベテランのホンダ乗りの方なら当然のように知っているとは思いますが、バイクの世界に入ってきて日が浅いライダーにはちょっと謎な存在かもしれません。

このバイクの特徴としてわかりやすいのは、何といっても『V型4気筒』っていう国産バイク唯一、かつ市販車には珍しいエンジンを搭載しているところです。

V4エンジンっていうのは、4気筒なのに直列2気筒エンジンくらいの幅でスリムなエンジンを作れたり、それに付随してクランクシャフトを短くできるからジャイロ効果が抑えられて、軽快な動きのバイクが作れるなど、さまざまなメリットがあります。

このあたりのメカの話は追い込むとキリがないのでざっくりした説明に留めますが、わかりやすさとして言うなら『ホンダが世界最高峰のバイクレース「MotoGP」で採用しているエンジンもV4』だっていうことでしょうか。

そしてV4エンジンに関して、ホンダには長いレースの歴史があるんです。

VFR750R(RC30)

伝説的なのはまず、1987年のVFR750Rです。

世界耐久レースで連勝したレーシングマシンRVFの市販車バージョンとして登場したVFR750Rですが、これがとんでもないバイクでした。本気でレーシングマシン直系と言えるレベルの、今でいう『市販車レーサー』状態だったんです。

型式でRC30と呼ばれ、現代でも歴史的なバイクとしてファンが多いバイクですが、ベースとなるレーシングマシンRVFと共に、V4エンジンを世に知らしめた存在でもあります。

RVF(RC45)

そして、1994年のRVF(RC45)も同じくホンダのレジェンドバイクのひとつ。

今度は車名もRVFと、レーシングマシンと完全に同じ。開発もレーシングマシンRVF750の技術をふんだんに盛り込み『レースで勝つため』のスーパースポーツとして仕立てられています。これらは市販車ベースのバイクで競われるレースで勝つために作られた、掛け値なしの『本物』だったんですね。

かなりシンプルな説明で申し訳ないのですが、そういった経緯もあり、生粋のホンダ派ライダーにとって『V4エンジン』っていうのは特別な存在になっているんです。

現代の『VFR800F』はスポーツツアラーとして

ですが、今のホンダのバイクラインアップの中でスーパースポーツといえば『CBR1000RR-R』が最高峰となっていて、VFR800Fはスポーツツアラーという立ち位置。

2014年に『大人のスポーツバイク 〜Elegant Sport〜』という開発コンセプトで登場したバイクです。

往年の栄光の歴史や、本気すぎるほど本気のVFR750R、そしてRVF(RC45)を知る人たちにとっては、その遺伝子を今に受け継ぐ存在。

でも、それを知らない人にとってのVFR800Fは、ちょっと珍しいエンジンを搭載しているスポーツツアラー。

このあたりがちょっと複雑なので、すこしマニアックなバイクに思えてしまう訳です。

だけど、やっぱりこのバイクは『単なるツーリングバイク』じゃありません。

走らせてみると、他とは全然違う。

ツアラーとして扱いやすさを重視しつつも、レーシングバイクのDNAを奥底に感じる……

続編ではその『走り』について、感じたことをお伝えしたいと思います。

NEXT▶▶▶スポーツバイク?ツーリングバイク? VFR800Fの軸足はどっち!?

【文:北岡博樹(外部ライター)】

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