伊豆半島が多くのライダーに人気なのは、美しい自然とワインディングがあるだけでなく、美味しい食の宝庫だから。
今回は伊豆タンデムツーリングで訪れたグルメスポットをご紹介します。
伊豆のランチは海鮮以外にも魅力的なものがいっぱい
伊豆半島には色々な飲食店があって、様々な食を楽しむことができます。
食いしん坊なライダーにとって、ランチに何を食べるかはとても重要。
美味しいランチを食べることができれば、それだけで1日の充実度がアップすることは確実です。
もつ好きなら一度は食して欲しい牛もつ煮『大衆食堂のぐち』
「わざわざ伊東まで行ったのにもつ煮なんて」と思う人もいるかもしれませんが、ここのもつ煮は他とちょっと違います。
断言してしまいますが、わざわざ伊東まで行って食べる価値あります。
最近は豚もつをトロトロになるまで煮込んだもつ煮が人気だったりするのですが、ここで使っているのは豚ではなく牛もつ。
更に火の通し方も独特。
長時間煮ると確かにもつは柔らかくはなりますが、本来の味が抜けてしまうし、小さく縮んでしまいます。
美味しい脂とコラーゲンをタップリ含んだ牛もつにそんなことをしてしまったら勿体ない。
ということでご主人は、牛もつ本来の美味しさを最高に引き出す温度と時間を管理して煮込んでいるのです。
これがイチオシの牛もつ煮定食。
火の通し方、さすがです。
牛もつの脂がトロトロ状態になっているのに食感もしっかり残されています。
それでいてくどくない。
せっかくの美味しいもつなので、通な食べ方も紹介しておきましょう。
もつとご飯を半分ずつ残しておいて、最後にご飯にもつをぶっかけて「もつ丼」を作るのです。
甘すぎない汁がご飯に絡んで、最強の食べ物に進化します。
実はご主人、その昔は大田区にある平和島の競艇場(現BOAT RACE平和島)でもつ煮を作っていたんだとか。
熱海でお店を開いた現在も牛もつは、当時の業者から仕入れるために伊東からわざわざ平和島まで取りに行くのだと言います。
妥協することなく美味いもつ煮を追求する姿勢はさすがプロ。
観光客だけでなく、地元の人で賑わっているというのも、このお店がいかに誠実な仕事をしてきたかの証拠。
地元の常連さん達は「何を食べても美味しい」と口を揃えて言います。
ちなみに伊東は、昭和な食堂が数多く残る食堂の街でもあります。
しかも平均値がとても高いのです。
ツーリングで伊東方面を訪れるのなら、そういう昭和な食堂を開拓するのも面白いかもしれません。
【 大衆食堂のぐち 】
住所:〒414-0027 静岡県伊東市竹の内2-3
電話番号:0557-37-6881
営業時間:11:30〜23:00
Webサイト:大衆食堂のぐち
下田でガッツリトンカツを食べるなら『とんかつ一(はじめ)』
下田駅に近いとんかつ一(はじめ)は、サービスと盛りの良さで地元客はもちろん、観光客にも人気。
下田には体育会系の学生達が合宿で訪れることも多いのですが、ガッツリ系の人達は間違いなくこの店に通ってきます。
半世紀以上トンカツを揚げ続けているご主人の腕前はゴッドハンドレベル。
取材日は人気のトンカツが売り切れていたので、ミックスフライ定食を注文。
食事をした20歳の2人は「どれも美味しいけれどカニクリームコロッケが神」だとコメントしていました。
なんとご飯にはカレーが無料サービス。
キャベツやお味噌汁、ご飯、ナポリタンもお変わり自由。
遠慮していると思われたのか「もっと食べてね」なんて言いながら、ご主人が席まで味噌汁やナポリタンを持ってきてくれました。
美味しさもさることながら、ご主人の「お腹いっぱいになって帰って欲しい」という愛を感じて、とても幸せな気持ちになります。
これは人気が出るわけだ。
昭和な店内の雰囲気も気取ってなくて落ち着きます。
駐車場は分かりにくい場所にあるので、バイクや車で行った時はお店の人にひと声かけてみてください。
【 とんかつ一 】
住所:〒415-0035 静岡県下田市東本郷1-13−1
電話番号:0558-22-6407
営業時間:11:00〜18:30
定休日:月・火
駿河湾の深海魚料理を堪能する『魚重』
西伊豆の戸田町には魅力的な海鮮料理店が何件かあります。
戸田の名物は駿河湾で水揚げされるタカアシガニですが、もう一つ人気なのが深海魚料理。
見た目はグロテスクな深海魚も、実は癖がなくて、脂がのった美味しい魚。
昔は売り物にならないと捨てられたりしていた深海魚ですが、試しにメニューに載せてみたところ、物珍しさから口コミが広まりました。
実際に食べたら想像もできないほど美味しいということが知られるようになり、着実にファンを増やしているのです。
この日は運悪く水揚げがなくて、メニューに載っていた深海魚はトロボッチのから揚げ。
そしてメギスの塩焼きと天ぷら。
どちらの深海魚も白身で熱が入ると身が膨らんでホクホクになります。
魚重は深海魚料理ばかりが注目されますが、通常のグランドメニューのレベルも相当なもの。
これはアジフライ定食。
アジフライを食べたイツキさんは「こんなに美味しいアジフライが、この世にあったなんて・・・」と絶句してしまったほどです。
お刺身も地元で水揚げされたものばかり。
ゲホウのお頭がついた刺身定食なんて、相当なインパクトがあって美味しいんですが、これを食べるには運も必要。
深海魚のお刺身が食べられるのは9月から5月(梅雨から夏は禁漁)。
更にその日の水揚げによって何が食べられるかは分かりません。
でもそれで良いと思うんです。
もしも深海魚が食べられなかったら「また来る楽しみができた」なんて考えればいいじゃないですか。
若干ギャンブル的な要素があるのも深海魚料理の魅力なんだと想います。
【 魚重 】
住所:〒410-3402 静岡県沼津市戸田303−5
電話番号: 0558-94-2381
営業時間:11:00〜14:00
定休日:木曜(水曜不定休)
Webサイト:魚重
伊豆ではスイーツも見逃せない
伊豆にはスイーツに関してもレベルの高いお店が集まっています。
しかも伊豆でなければ食べられないものも多いのです。
ここではオススメのスイーツ店に加え、ドリンクやお待ち帰りのお店も含めて紹介することにしましょう。
伊豆のスイーツ超有名店はライダー大歓迎『スイートハウスわかば』
甘党ライダーに大人気のスイーツ店がスイートハウスわかば。
食べログの100銘店にも選ばれて注目を浴びました。
有名な自家製ソフトクリームを食べるため、わかばを目指してツーリングしてくるライダーも少なくありません。
贅沢にスイーツタイムを楽しみたいのなら、オススメはスペシャルアラモード。
口に入れた瞬間、優しい甘さが広がって、思わず顔の筋肉が緩んでしまいます。
もう一つ人気のメニューはスペシャルホットケーキ。
プリンやリンゴのカットなど、盛り付けにも、どことなくレトロな昭和感が漂っているところが素敵です。
ちなみに社長さんは、トライアル、モトクロス、レーシングカートなど様々なモータースポーツを極められた方で、バイクのお客さんも大歓迎。
バイク黄金期に有名ライダー達と走った時の貴重な裏話なんかも聞けてしまうかもしれません。
男性ライダー(特に中高年の方)にとって嬉しいのは、昭和な店内の雰囲気。
スイーツ好きな男性って多いのに、美味しいお店は男性が入りにくいような可愛らしいところが多いんですよね。
でもここなら大丈夫。
オヤジライダーだけで入店しても違和感ゼロです。
季節限定メニューも魅力的。
訪れた当時はイチゴのシーズンでしたが、社長さん一番のオススメは、夏限定のキングメロンソフトクリーム。
赤字覚悟で提供する大サービス品なんだそうです。
フルーツ系スイーツが好きな方は、是非この夏トライしてみてください。
店舗前にバイク駐車OKなのも嬉しいポイント。
お店の人にひと声かけたら、気持ち良く止めさせていただけます(台数が多い時は事前に連絡をお忘れなく)。
【 スイートハウスわかば 】
住所:〒414-0003 静岡県伊東市中央町6−4
電話番号:0557-37-2563
営業時間:9:00〜19:30
定休日:月曜
Webサイト:スイートハウスわかば
地元民を魅了し続けるイタリアンロール『ふくや EMAIR(エマーユ)』
沼津方面で地元の人に「この地方の美味しいスイーツは?」と聞いたら、高確率で「冨久屋のイタリアンロール」と返ってくるはず。
しかも誰もが皆「イタリアンロールは美味しいよ」と笑顔で言います。
それくらい地元で昔から愛されているスイーツです。
見た目はクレープ的な生地(シュー生地っぽい食感もあります)で包まれたロールケーキ。
王道であるレギュラーのイタリアンロールは、クラッシュした栗の甘露煮がクリームに入っています。
特徴的な部分といえば、それくらいなのですが、スポンジ、クリーム、外を包む生地の一つ一つがビックリするほどレベル高いから、お互いに引き立てあって口の中に入れた瞬間、感動の嵐が襲ってくるわけです。
バイクで言ったらCB400SFみたいな感じですね。
イタリアンロールは一つ一つ手作りなので数も限られています。
この日は午後4時くらいに行きましたが、写真のようにショーケースの中はほぼ空っぽ。
一瞬「売り切れか?」と思いましたが、よく見るとイタリアンロールが10本ほど残っていたので無事にお土産を確保することが出来ました。
持ち帰りの時間を伝えると保冷バックに保冷剤と一緒に入れて包んでいただけるので、パニアケースやサイドボックスがあればバイクでもお持ち帰りが可能です。
売り切れてしまうことも少なくないので、確実に買って帰りたい時は電話予約をオススメします。
【 ふくやEMAIR(エマーユ)本店 】
住所:〒410-2221 静岡県伊豆の国市南江間1387−4
電話番号:055-948-3039
営業時間:9:00〜18:30
定休日:月曜
果物の美味しさを引き出した至福のドリンク『オーガニックボックス』
地元で農園を営むご夫婦が、収穫した無農薬のオーガニックな果物を使った四季折々のドリンクを提供しているのが熱海にあるオーガニックボックスです。
自家製シロップはフルーツにお砂糖、スパイス、少しハチミツを足す程度。
後は瓶の中で半月寝かせてジックリと味を引き出しています。
人気なのは自家製シロップを使ったフルーツサイダーやオーガニックハーブティー、夏にはこのシロップを使ったかき氷も登場します。
素材がシンプルでも、キチンと手間をかければ、こんなに奥深い味わいになるのだと感動するのがここのドリンク。
この写真は20歳のカイトさんがイチゴミルクを飲んだ瞬間「これヤバイよ、美味すぎるよ」と相棒のイツキさんに叫んでいるところ。
フレッシュミントのモヒートや熱海の梅を使ったウメサワーなどのアルコール類も用意されているので、もしも熱海に宿泊されることがあったらお酒好きな人はトライすべき。
爽やかで優しいご夫婦の人柄もオーガニックボックスの魅力。
熱海って伊豆の玄関口になるので、先を急ぐバイクのツーリングだと通過してしまいがち。
でもオーガニックボックスはじめ、素敵なお店がたくさんあるので、機会があったら是非立ち寄ってみてください。
【 オーガニックボックス 】
住所:〒413-0013 静岡県熱海市銀座町10-18
電話番号:0557-81-2231
営業時間:10:00〜
定休日:不定休
Webサイト:オーガニックボックス
通をも唸らせるあんぱん『平井製菓』
あんぱん好きなら、下田に行った時は是非行っていただきたいのが平井製菓。
持ち帰ってから写真を撮ったもので、若干袋の形が崩れておりますが、そこはご勘弁を。
一番人気の「ハリスさんの牛乳あんぱん」は、自家製こしあんにソフトバターの組み合わせ。
なんと年間24万個を売り上げています。
オーソドックスな「下田あんぱん」は、こしあんと粒あんの2種。
大人のあんぱんは、白あんにラム酒漬けのレーズン入りです。
他にも季節限定のあんぱんもあって、どれを食べようか迷ってしまいます。
イートインスペースはありませんが、あんぱんを買って、景色の良い海岸などで食べたらテンションが上がること間違いありません。
【 平井製菓】
住所:〒415-0022 静岡県下田市2-11-7
電話番号:0558-22-1345
営業時間:9:00~18:00
定休日:火曜
Webサイト:平井製菓
いかがでしたでしょうか?
伊豆にはまだたくさんの魅力的な飲食店がありますので、機会があったらまた紹介させていただきたいと思います。
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【文/後藤武(外部ライター)】