秋から春にかけてシーズンを迎えるワカサギ釣り。この釣りには熱心なファンがたくさんいます。
そして初心者でも快適に楽しめるアクティビティとして注目されているのが、ドーム船の釣りなのです。
スーパーカブでワカサギ釣りに行きたい
ゆきこさんは、最近アウトドアに出かける機会が減っていたのだと言います。
そんな時に聞きつけたのがワカサギのドーム船。
湖に家のような船を浮かべ、この中で釣りをするのです。まだ肌寒い日でも暖かい部屋の中で美味しいワカサギが釣れるというのは魅力です。
それに湖に家が浮かんでいるのって、とても非日常的でワクワクします。
そんなことを考えているうちに、いてもたってもいられなくなり、ドーム船でのワカサギ釣りに挑戦することにしたのです。
餌つけや魚を外すのは初めてだし、バイクにもしばらく乗っていないなど若干不安はあったようですが、不安よりも興味の方が断然大きかったのだと言います。
カブだから久しぶりのライディングも怖くない
最近バイクに乗っていないから小さくて乗りやすいバイクがいい、ということで選んだのはスーパーカブ50。
青梅市にあるオクズミでレンタルすることにしました。
このショップ、青梅駅前にあるので交通の便が良く、電車で行くのにとても便利な立地。
ドーム船は早朝から昼過ぎまでが釣りをする時間になるのでレンタルバイクは前日午後に借りて、翌日午後返却というスケジュール。
ギアチェンジを完全に忘れてしまったということで、事前に動画サイトでスーパーカブの乗り方をしっかり予習して挑みました。
最初こそ恐る恐る走り出しましたが、クラッチがないカブなら操作は簡単です。
すぐに思い出したようで快調に走れるようになりました。
「久しぶりだけどやっぱりバイクって面白いね」とスーパーカブを満喫しているようです。
【 オクズミ 】
住所:〒198-0042 東京都青梅市東青梅2-17-2
電話番号:0428-23-2288
営業時間:9:30〜19:00
定休日:水曜日 第2第3木曜日
Webサイト:オクズミ
東京から最も近いワカサギ釣り場
今回釣りに行くことにしたのは神奈川県の相模湖。
都心から最も近いワカサギ釣り場です。
自宅がある八王子からカブでも1時間もかからないのが便利なところ。
ドーム船をお願いしたのは天狗岩さんです。
釣り道具はレンタルがあり、餌も用意してあるので手ぶらで行ってもOK。
竿はとてもシンプルで糸巻きに道糸を巻いてあるだけ。
料金を払って道具と餌を受け取ったら、ライフジャケットを身に着けて準備完了です。
ドーム船へはボートで移動
ドーム船はワカサギが釣れるポイントに停泊しているので移動にはボートを使います。
出船前、天狗岩のマスコット、ネコが見送りに来てくれました。
ここには人懐っこいネコが2匹いて、釣り人を追いかけて甘えてくるんです。ネコに会うために天狗岩に通いたくなるほどの可愛さでした。
ドーム船は湖に浮いた快適な空間
ボートで5分ほど移動するとドーム船に到着。
ワカサギ釣り専用に作られたこの船はボディーがFRPで出来ていて、いくつかの部屋に仕切られているので感染対策も万全。中にはストーブがあるのでとても暖か。
男女別のトイレも備え付けられています。
まずはスタッフの方から釣り方を教わります。
魚群探知機でワカサギのいる深さを教えてもらい、餌の付け方と魚の外し方などを聞きます。
床の穴に向かって糸を垂れるのは、とても不思議な感覚でした。
簡単だけれど奥が深いワカサギ釣り
一通りレクチャーを受けたらいよいよワカサギ釣りのスタート。
今日は10メートルくらいに魚影があったということなので、その周辺を集中的に攻めることにします。
ユックリと上下に竿を動かして誘ったら、竿を止めてワカサギが食いつくのを待ちます。小さい魚なのでアタリは小さいのですが、ハッキリと穂先が引き込まれてブルブルと震えました。
ただし、そのままにしていると逃げられてしまいます。
アタリがあったら、すぐに竿を持ち上げるアワセをいれて、針をワカサギの口にかけなくてはなりません。
ゆきこさんは最初これが上手く出来ず、ブルブルとアタリがあるのに針をかけることが出来ません。
「あ、またきた」
「またかからなかった」
などと大騒ぎしながら徐々にヒートアップしている様子。
少ししてアワセをいれたら穂先がブルブルと元気よく動いています。
「これ、かかったよね」
と言って糸を手繰っていくと美しいワカサギが針についていました。
ここからはコツを掴んだようで少しずつワカサギを釣っていきます。
最初は船酔いを心配していましたが、水の上はまったく船が揺れることもなく、船酔いの心配はありませんでした。
隣の船では、釣ったワカサギを餌に泳がせ釣りをしていて、大物のニジマスがかかった様子。
釣り上げた人はお友達から拍手喝采を受けています。
ドーム船の外も景色がきれいで美しいので、天気が良い時は外で釣りをするのも楽しいかもしれません。
最初は「餌つけと魚を外すのが苦手かも」と言っていたゆきこさんですが、いざ釣りをはじめたら嫌がらず積極的にトライ。
アタリが遠のいた時は誘い方や深さを変えてみたり、餌が残っていても新鮮なものに付け替えたりと色々と工夫をしています。
今回が初めての釣りということですが、この様子を見ていると、とても上手になりそう。
ひとしきり釣りと景色を楽しみ、お昼であがることにしました。
湖の上なので帰りたい時間に電話を入れます。
しばらくするとボートが迎えに来てくれました。
【 天狗岩 】
住所:〒神奈川県相模原市緑区日連512
電話番号:0426-87-2006
定休日:12/31,1/1,1/2
Webサイト:天狗岩
青梅の食堂でランチを楽しむ
早めにあがったのはバイク返却の前に青梅で行ってみたい食堂があったから。
ナカガワ☆スエ食堂です。
熊本の食材を使った料理が食べられることと古い蔵を改装したレトロな雰囲気が魅力。
ご主人は古いロックが好きで店内にはレコードやプレーヤーが置いてあり、好きなレコードを自由にかけて音楽を楽しむことができます。
この日頼んだ煮込みハンバーグには、熊本の郷土料理「だご汁」がセット。
熊本のフリカケもサービスしていただきました。
【 ナカガワ☆スエ食堂 】
住所:〒198-0062 東京都青梅市和田町2-240
電話番号:0428-27-1248
営業時間:11:30〜14:00 17:00~22:00
定休日:木曜
Webサイト:ナカガワ☆スエ食堂
釣ったワカサギは信じられないくらい美味しい
バイクを返却してからは自宅に戻り、ワカサギを唐揚げにして食べてみることにします。
といっても一度に大量のワカサギを揚げると冷めてしまいます。
揚げ物は揚げたてが一番美味しく、時間がたつにつれて急激に味が落ちてしまいます。
だからまずは10匹取り出して下ごしらえ。
下唇のあたりを持って後ろに引っ張るとエラと内臓を簡単に取ることができます。
そのまま唐揚げにしてしまうこともできますが、エラと内蔵を取ったほうがエグみや臭みがなくなって食べやすくなります。
下処理が終わったらザルに入れて流水で洗い流し、キッチンペーパーなどで水気を取ります。
次に片栗粉と薄力粉を半々に混ぜた粉をワカサギにつけて、180度の油で揚げるだけ。
魚から水分が出るので、最初は魚の周囲の油が泡立ちますが、水分が少なくなると泡が減ってきます。
これが油から取り出すタイミング。
揚げたてを口に放り込んでみると・・・・
「美味しい」と満面の笑み。
ワカサギの天ぷらや唐揚げはお惣菜として売られていたりしますが、釣ったワカサギを丁寧に下処理して唐揚げにしたものの味は別格でした。
小さいのに魚の旨味がとても強いし、苦味やエグミがまったくありません。
相模湖の自然を思わせるような爽やかな味なのです。
久しぶりにバイクに乗って、初めて釣りと魚料理をしたゆきこさんは相当楽しかったみたい。
「今度は海がいいかな。美味しいお魚が食べられる釣りをしにバイクで出かけてみたい」
早くも次のバイク釣行を考えているようです。
【文/後藤武(外部ライター)】