新車で買える世界唯一の空冷4気筒エンジンを搭載した大型ネイキッドバイク。これぞテイスティスポーツの決定版と言うべき1台です。
Honda CB1100RS(2018)
2021年の今、新車で手に入れることのできるバイクで、世界で唯一、空冷4気筒エンジンを搭載しているのがホンダCB1100シリーズ。CB1100RSはそのテイスティなエンジンをベースに、走りを味わうことができる大排気量ネイキッドスポーツです。
基本的にはオーソドックスなネイキッドスタイルなので、スタイルに派手さこそありませんが、ラジアルマウントされたブレーキキャリパーやリザーバータンク付きのリアサスペンションなど、きちんと『スポーツバイク』として全体が整えられていることがわかります。
しかしながら、パフォーマンス最優先という訳ではなく、金属の質感を大切にし、スポーティでありながらも趣のあるパッケージとなっているのが特徴です。
兄弟車のCB1100EXが空冷4気筒の『エンジンを味わうバイク』だとすれば、RSはそのエンジンを土台に『走りを味わうバイク』だということができます。
スキルを問わず、誰もが大型バイクでのスポーツランを楽しむことができる貴重な正統派スポーツです。
■車両価格 1,403,600円(消費税10%込み)
CB1100RSのライディングポジションや足つき性は?
ローハンドルが採用されている他、CB1100EXに比べて、フレームをピボット中心に前傾させているため、跨った時の印象は予想以上に前傾姿勢に感じます。
ステップの位置もEXに比べると断然スポーティですが、全体の印象としては『程よいスポーツ感』を感じさせてくれるライディングポジション。
ワインディングの走りからツーリングまでを、幅広く許容してくれる乗車姿勢と言うことができます。
シート高が785mmと大型スポーツバイクとしては低めに抑えられているので、足つき性は良好。身長176cmのライダーの場合、両足カカトまでべったりと接地する安心感があります。
CB1100シリーズは質感を重要視し、金属パーツを多用しているため車両重量がRSでも252kgと重めですが、この足つき性があるので取り扱いに不安を感じることはありません。
日本人の標準的な体格の男性であれば、問題なく扱うことができるはずです。
CB1100RSの燃費は?
CB1100RSの使用燃料はレギュラーガソリン。燃料タンクは16Lとなっています。
今回は高速道路5割、一般道5割のイメージで合計455.5kmを走行。総給油量は20.33リットルでした。
満タン法で計測した燃費はガソリン1リッターあたり22.4kmとなっています。
この455.5kmのうちで一般道のみ211.5kmを走った際の給油量は9.56リットル。同様に満タン法で計測した燃費はガソリン1リッターあたり22.1kmとなっています。
CB1100RSで走ってみた感想は?
CB1100RS(2018)の主要装備を解説
一見するとクラシカルな雰囲気も感じるCB1100RSですが、丸目1灯ヘッドライトやウインカーなど灯火類はすべてLEDを採用しています。
懐古的なバイクという訳ではない、あくまで現代的な解釈で生まれたスポーツバイクであることを高級感と共に主張します。
CB1100RSの中核を為す空冷4気筒エンジンはスタイリング上の存在感も抜群。美しい空冷フィンが他には無い個性となっています。
最高出力は90馬力を4気筒スポーツバイクとしては低めの回転数となる7500回転で発生。最大トルクも5500回転で発生することから、低~中速域での力強さを重視したキャラクターになっていることが伺えます。
排ガス規制が厳しくなる一方の現代において、このエンジンを新車状態から味わえるということ自体が奇跡的とも言えるでしょう。
クロームメッキが美しいメガホンタイプのマフラーは左右2本出し。
特筆したいのはその排気サウンドで、ゆっくりと流している時は重厚かつ揺らぎのある低音を奏でますが、高回転まで回すと4気筒らしいスポーティなサウンドに変化。
この『音』だけでCB1100RSが欲しくなってしまう人も少なからずいることでしょう。
動きの良い正立フロントフォークは2ピースボトム構造。インナーチューブ径はΦ43mmとなっており、ショーワ・デュアル・ベンディング・バルブを採用し、しなやかな動きが特徴です。
EXはフロントホイールが18インチですが、RSは前後とも17インチホイールを採用し、ニュートラルなハンドリングを実現。フロントブレーキキャリパーがラジアルマウントされているところも見逃せません。
ショートフェンダーがスポーティな印象を際立たせています。ABS標準装備。
フロントフォークにはプリロード調整機構が備わっています。ノーマル状態は快適さも加味したセッティングになっているので、よりスポーティな手応えを求めるライダーはセッティングを変えてみるのもおすすめです。
リアサスペンションは2本サスを採用していますが、リザーバータンク付き分離加圧式の倒立ダンパーによって十分以上の路面追従性を発揮。快適さとスポーティさを両立するセッティングとなっています。また、リアサスペンションはプリロード調整のほか、圧側4段階、伸び側15段階の減衰調整機構を備えた高性能サスとなっています・
このサスペンションに加えてCB1100RSは高剛性なアルミ角断面スイングアームを採用。180幅のワイドなリアタイヤを最大限に活かし、スポーティな走りが楽しめるよう設計されています。
CB1100RSの走りを支えるディテールとして、目立たないけれど大きく貢献しているのがシートです。
タテ基調のワディング加工や肉厚さもあり、一見するとクラシカル感すら漂うシートデザインですが、フラットで広い座面のおかげでライダーの着座位置の自由度がとても高いのが印象的でした。
そこに加えて、表皮が滑りにくいのでスポーティな走りの際にはライダーをがっちりホールドしてくれる高性能なシートです。
フランジレスのスチール製フューエルタンクはCB1100シリーズの特徴的なディテールのひとつ。
タンク底面のシーム溶接のフランジを排除することで、他には無いセクシーな曲線美を手に入れています。
サイドカバーひとつをとっても、こだわりが感じられるのがCB1100RS。樹脂製ではなくアルミ製とし、ヘアライン加工およびブラックアルマイト加工が施され、バイク全体の質感を引き上げています。
写真だけ見ると一般的なネイキッドバイクのバーハンドルに見えるかもしれませんが、ハンドル位置は低く、絞りや垂れ角も走りを意識した設計となっているため、スポーティなコーナリングにもしっくりきます。
目立つパーツではありませんが、シート同様、CB1100RSの走りを支える重要なディテールのひとつです。
今となっては逆に貴重なアナログ2連メーターを採用。センターの液晶ディスプレイには時計や燃料計のほか、ギアポジション表示や逆算燃費計など現代的な機能も備わっています。
トップブリッジが細部まで手仕上げでバフがけされるなど、細かな部分にまでこわだりが貫かれているのがCB1100RSというバイクです。
空冷4気筒エンジンを中心に、深い趣を感じさせるCB1100RSですが、グリップヒーターが標準装備されるなど、さりげなく快適性も追及。また、ETC2.0も標準装備となっており、ツーリングも快適に楽しむことができるようになっています。
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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