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生まれて初めてのバイクがCB1100RS。家族全員でバイクを楽しんでいる女性ライダー

CB1100RSを駆る女性ライダーの田端紗弥さん。
今のバイクに乗るようになったのは、お父様の影響が強かったからだと言います。
そして今はご両親も含め、家族全員でバイクを楽しんでいるのだとか。
そんな紗弥さんのバイクライフを紹介したいと思います。

CB1100を見て幼少期の思い出がフラッシュバック


紗弥さんは昔からバイクに乗ってみたいと思っていました。
それはお父様がバイクに乗っていたときの記憶が強く残っているから。

「父が昔CBX1000に乗っていて、後に乗せてもらったことがありました。そのときのことがずっと忘れられなくて、いつかは自分もバイクに乗りたいと思っていました」

漠然と「バイクに乗ってみたい」という思いが現実的になってきたのは、仕事の関係で二輪免許を取得したとき。
せっかく免許を取ったので何か乗ってみようかと思い、バイクショップを何軒か見て歩くことにしました。
そこで紗弥さんの目に飛び込んでバイクがありました。
CB1100です。

「CB1100を見ていたら、父が乗っていたCBX1000の思い出が一気に蘇ってきました」
CB1100は、往年の名車を彷彿させるようなデザインが特徴です。

空冷のフィンを薄くするなど、細部までつくりしてエンジンの美しさを際立たせています。
こういったデザインによる存在感が紗弥さんの心に強く響きました。

「父からも乗るのなら大型が良いのではないかと言われていたこともあって『よし、これに乗ろう』って決めたんです」

この日から頭の中はCB1100一色。
すぐに大型二輪免許を取得するため教習所に通いだし、2022年の5月に免許を取得して翌6月にCB1100RSを購入するのです。

最初のバイクがCB1100RS

CB1100にはいくつかのバリエーションがありますが、その中でRSを選んだのはお父様のアドバイスあったから。

「父と母と3人で千葉のショップに行きました。最初から買う気満々だったので、現車を確認してその場で購入しました」

バイクは住んでいた長野県まで配送してもらい、晴れて紗弥さんのバイクライフがスタートします。
納車されたCB1100RSの第一印象は「重い」ということでした。

「バイクの押し引きって多少のコツが必要じゃないですか。私は中型のバイクすら乗っていなかったから、そもそもバイクの重さを知らなかったんですよ」

免許を取得して初めてのバイクが大型だったこともあって、初めてのライディングでは緊張の連続。
楽しむ余裕はなかったと言います。
救いだったのはCB1100RSが扱いやすいバイクだったこと。

「乗りやすいバイクだったから助かりました。走っているときは思い通りに動いてくれるので少しずつ緊張がほぐれていった感じです。でも購入した当初は積極的にバイクに乗るという感じではありませんでした」

自宅がある長野県上田市の周辺はバイクで走るととても楽しい場所がたくさんあることに加え、絶好のバイクシーズンに納車されたのですが、しばらくは遠出をすることもなかったと言います。

ツーリングの楽しさを知ってバイクに夢中

ところが秋になった頃に状況が一変します。
バイクに慣れてきて、ツーリングに出かけるのが俄然楽しくなってきたのです。

「最初に美ヶ原に行って、新潟の海の方にも行きました。バイクで走るのが楽しくて仕方なかったんです」

上田市周辺は晩秋くらいになるととても寒くなります。

それでもバイクで走る楽しさを知って紗弥さんは、時間があるとCB1100RSで走りました。
冬、実家がある豊島区に帰省するときもバイクでした。

「上田市から東京に行くときは軽井沢を超えていかないといけないんですけど、標高があるからこのあたりでも特に寒いんですよ。道路も凍結するし雪も降ります。だから天気予報を見て、路面状況を予想してできるだけ気温が高そうなタイミングで帰りました。防寒のフリースのアンダーを3枚重ねしてダウンを着たんですけど、それでも寒かったですね。このときは絶対にバイクで帰りたいと思っていたんです」

こうして無事、実家にバイクで帰省した紗弥さん。
ご両親にバイクの楽しさを語ったりしていました。

ご両親もバイクにリターン

そんな様子を見て、お父様の朗久さんがリターンすることになります。

「父がCB1100EXを購入したんです。一緒に走れると思って嬉しかったんですけど、親子で同じバイクに乗るのがちょっと恥ずかしかったですね」

「CB1100EXはデザインと作りが良いと思います。エンジンの造形とかスポークホイールなどは金属の質感が感じられますし、排気音や走ったときのフィーリングも気に入っています」
と朗久さん。

「同じCB100でも私のむRSと父のEXはずいぶん雰囲気が違いました。EXはレトロな感じですよね」
と紗弥さん。

朗久さんは走るよりもバイクを磨くのが楽しみなんだとか。

「綿棒まで使って細かいところを磨いているのを見て笑ってしまいました」
と奥さんの美里さんは言います。

娘さんとご主人がバイクの乗っているのを見ていると自分もバイクに乗ってみたくなるのは当然のこと。
実は美里さんも大型免許を取得しています。

「昔、主人の影響でバイクに乗るようになりました。CBX1000を借りて倒したりしたこともありましたよ(笑)。当時はスクーターに乗っていたんですが、友達のバイクを借りてツーリングに行ったこともありました。主人がバイクを買う時に『ずるい、私も買う』(笑)と言ったんです」

こうして紗弥さんのバイクデビューをキッカケに家族全員がライダーの仲間入り。
実家にあったクルマ用のガレージもシャッターをつけてバイク専用に変更。
クルマは近くの駐車場に追いやられることになりました。

「父と母は週末になると2人でバイクで出かけているみたいで、しょっちゅう写真が送られてきます」

先日、バイクで帰省したときはお父様とお母様が行きつけにしているというレザーウェアショップに行った紗弥さん。
念願だった革ジャンを購入しました。

「フードがついていて可愛いなと思って購入してしまいました。これからの時期はこの革ジャンを着て走ります」

CB1100RSで日本中を走りたい

先日は初めて親子揃ってのツーリングも実現しました。

「秩父に父と母の実家があるので、そこまで3台で走りました。クルマで出かけているときはあまり話さないんですよ。でもバイクでインカムを使ったら、ずっと3人で話しながら走っていました。それがとても新鮮で楽しかったんです」

これから紗弥さんは、CB1100RSで色々な場所に出かけていきたいと言います。

「家族とは河口湖に行きたいねと話しています。先輩が北海道に行ったという話を聞いて、機会があったら行ってみたいなと思いました。東北や島にも興味があるし、いつかは日本中を走ってみたいです」

一緒にバイクで走るのでも家族と友達とでは楽しさが違うのだと紗弥さんは言います。

「家族で走るのも楽しいし、お互い色々分かっているから楽ですよね。でもやっぱりどこかで『心配かけちゃいけない』っていう思いがあって、無意識に『普段より安全運転しなきゃ』とか考えてしまいます」

紗綾さんは、バイクのことをまったく知らないのだと言います。
CB1100RSで楽しく走ることだけを考えているから、他のバイクのことは目に入らないのでしょう。

とてもピュアなバイクとの付き合い方をしているのが印象的な女性ライダーでした。

【文/後藤武(外部ライター)】

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