9月某日、Honda Bike 公式SNSアカウントの「CB1100 EX/CB1100 RS Final Edition Coming soon…」という投稿をご覧になった方も多いと思います。
排ガス規制が厳しくなる一方の流れの中で、やむを得ないのかもしれませんが、本当に残念でなりません。
1100ccもの大排気量の空冷4気筒エンジンを搭載した新車が存在する。実はこれ、もうそれだけでほぼ『奇跡』みたいなものだと思うのです……
今回は、ファイナルモデル登場を前に、CB1100シリーズを振り返ってみたいと思います。
なぜホンダは『CB1100 EX』のようなバイクを作ることができるのか?
ホンダのバイクラインアップの中で、私(北岡)がある意味、最も尊敬しているのが実はこのバイク、CB1100EXです。
元々の個人的な趣味嗜好として、テイスティなバイクが好きっていうのもあるんですけど、その贔屓目を除いても、こればっかりは本当にすごいと思う。
だって空冷4気筒エンジンですよ。しかも1100ccもの大排気量……
排ガス規制は厳しくなる一方の時代に、このバイクを現代の基準に適合させて製品化できていること自体がもう奇跡みたいなものです。
私は仕事柄、いろんな車両に乗る機会に恵まれているんですけど、その中で厳しい規制に適合させるため『ぜんぜん楽しくないエンジン』になってしまったバイクもいくつか知っています。
日本国内の規制がものすごく厳しかった時など『もう味わい系エンジンは無理なんじゃないか』と内心、本気で思っていました。
2014年に登場した『CB1100 EX』の衝撃
そして2010年に登場したシリーズ初代のCB1100が登場。この時も嬉しかったのですが、その4年後に左右二本出しマフラーを搭載した初代CB1100 EXは衝撃でした。
初めて乗った時は、純粋に『感動した』のを覚えています。
これを大げさに言っているつもりはありません。空冷とか二気筒とか、OHVとかキャブレターとか。数値的なスペックよりも、数値化できない味わいを重視する私としては『完璧だ』と思いました。
ちなみに言うと当時は『インジェクションでは、やはりキャブレター車の味わいは出せない』と考えていたのですが、その考えを改めるキッカケになったのがこのバイク。
パワーやコーナリングスピードじゃない部分で、ホンダの技術力を思い知らされた気持ちでした。キャブレター車のネガティブを排除して、味わいだけを抽出する。CB1100EXは、その具現化だったんです。
そして、トドメが現行車につながる2017年のアップデート。
軽量化を果たした上で、アシストスリッパ―クラッチの採用で操作も快適&走りも安心に。
さらにABS、グリップヒーター、ETCも標準装備。
だけど、わたし個人の核心はそこじゃありませんでした。
このアップデートから『CB1100』シリーズは、とてつもなく良い音のするバイクに進化していたんです。
現代を走る『新車のクラシック』として完璧なCB1100 EX
こうしたステップを踏んで着実にCB1100 EXは味わいを増し、同時に現代的な快適さも装備してきました。
それも規制は厳しくなる一方という流れの中で、です。
だから、このバイクは『新車として今、買えることが奇跡みたいなもの』だと思うんですね。
そして2021年の今、CB1100 EXは新車で買えるクラシックスタイルのバイクとして、パーフェクトな完成度に至っている。
と、わたしは本気でそう思っています。
じゃあ、その根拠は何か?
それはエンジンでもあり、車体設計でもあり。いろんな要素が絡み合ってのこと。
続編では、なぜCB1100 EXを完璧だと思うのか。その理由をお伝えしたいと思います!
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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