前・中編に引き続き、ファイナルエディションの登場が待たれる CB1100 RSを振り返ります。
CB1100RSっていうバイクは、見た目にそれほど派手なバイクじゃありません。だけど奥が深い。そういうバイクを指して我々ライダーは『渋い』という言葉をもって賞賛するのです。
どんなシーンにも『正統派』を感じるCB1100RS
『渋い』という言葉を人に向けて使う場合には『派手さはないが趣がある』とか『深みがある』なんていうニュアンスの意味があります。
これ、バイクやライダーにも適用されることがけっこうあるんですよね。
そしてCB1100RSは、褒め言葉としての『渋い』という評価がぴったりのバイクだと思うんです。
だってこのバイク、どんなシーンでもきっちり正統派なんですもの。
ワインディングは言わずもがな。
【中編】でお伝えした通りですが、CB1100RSはきちんとスポーツバイクで、手練れが操ってやれば『RS』の名に恥じない走りを見せてくれます。
雰囲気もいいけど雰囲気だけじゃない。1100cc、90馬力。その走りは、決して侮れるものではありませんから。
そして、そういうバイクを、仮に若いライダーが乗っているのを見かけたら『あいつ、わかってるナァ』ってそのチョイスを内心で賞賛したくなると思います。
また、それとは逆に長年バイクを乗り継いできたようなベテランライダーがCB1100RSを乗っていたら『そこでEXじゃなくて「RS」を選びますか!?』って驚く。
そのうえでCB1100RSを見事に操って、綺麗にコーナーを駆け抜けるサマを見せつけられでもしたら……まぁ、惚れますね。
もちろん、この場合の『綺麗にコーナーを駆け抜ける』っていうのはスピードのことじゃありません。
コーナーの進入から脱出までを、流れるようにスムーズに。そういう『綺麗さ』のことを言っているつもり。
走っているのを見て『バイクに優しくて、上手いな』って思わされる走りかたです。
そういう正統派な走りかた、私なんかは『渋いな』って感じるんです。
ゆっくり走っていても『威厳』がある
そして、ツーリングや高速道路では、逆にゆっくり走っていることで『威厳』が漂うのもCB1100RSの素敵なところ。
能ある鷹は爪を隠す、ではないですが、RSとしてのスポーティさを与えられていながら、それを誇示しない。能力をひけらかさないところに、大人っぽさがにじみ出ます。
一般道を一定速度で粛々と、だけどきちんとフォームだけは整えて、印象的な排気音を後に残して走り去る。
想像するだけでもイイ感じのライダーじゃないですか? むしろちょっと憧れますね、そういう人。
それが高速道路ならば、例えば後ろから血気盛んな250ccや400ccのバイクがスッ飛んできたとしても泰然自若。揺るがない。
大型犬は、小型犬に対してキャンキャン吼えたりしないのと同じことです。
バイクにも乗り手にも余裕がある。これもやっぱり『渋い』ですよねぇ……
CB1100『RS』だからこそ!
でも、それらの渋さはやっぱり『RS』だからこそ、なんだと思います。
声高にアピールはしない。けれど、譲れないものは譲らない。
このバイクには、どこかそういうポリシーみたいなものを感じるんです。
正統派ネイキッドと呼べるCB1100RSのスタイリングは、見た目で言えば、それほど派手な部類では無いでしょう。
だけど、その中には一本筋の通った主張があります。
空冷4気筒エンジンと、走りへのこだわり。そのどちらも譲らない。
ホンダの現行車ラインアップの中でも、特に高い志を感じるCB1100RS。
少なくとも『新車で買える』という条件下において、これほどまでに『渋い』という言葉が似合う国産バイクを、私は他に知りません!
どんなファイナルエディションが登場するのか、皆さんと一緒に楽しみに待ちたいと思います。
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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【前編】
【後編】
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