阿蘇市で食事や休憩をしたいというライダーに重宝されているのが「ヒバリカフェ」と「ヒバリグリル」です。
バイクが大好きなオーナーは元レーサーでホンダ系の名門チームで活躍した経歴の持ち主。
バイク趣味に浸ることができるガレージやグリルも併設されていて、様々な楽しみ方に対応することができるライダー注目のスポットとなっています。
今回はそんなヒバリカフェについてご紹介したいと思います。
スタートはハムとソーセージの工房
まずはヒバリカフェがどのような経緯でできたのかを説明しておくことにしましょう。
最初のスタートは25年前。
ハム、ソーセージを作るひばり工房を立ち上げました。
地元の農業高校でお父さんがハム、ソーセージの作り方を教えていたことから九州の食材を使い、本場ドイツに伝わる乾塩法を取り入れます。
一般的なインジェクションと異なり、肉の周りに塩や香辛料を塗ってから2日ほど冷蔵庫の中で熟成させるためにとても手間がかかります。
現在代表の池田さんは、それまで半導体メーカーに勤務していたサラリーマン。
お父さんも教職についていたので販売に関しては未経験。
それでも味には自信がありました。
なにしろ本場ドイツの食肉コンテストで金賞を受賞したほど。
足を使って色々な場所に持ち込んだりしていくうちに美味しさが認知されるようになり、少しずつお客さんが増えていきました。
直接工房まで買いに来るお客さんも増えてきたことから、15年前にカフェを併設して、簡単な食事や休憩ができるようにしました。
阿蘇にやってくるライダーたちにも認知され、バイクスポットとして人気になっていきます。
阿蘇の風景を満喫できる
ヒバリカフェは周囲を田んぼに囲まれているので視界を遮るものがなく、阿蘇山が一望できるというのが売り。
駐車場、駐輪場から植木の間を入っていくと絶景を見渡すカフェが現れます。
室内からも阿蘇五岳が一望できるように壁一面がガラスになっていて、阿蘇が一枚の絵のように見えるようになっています。
食事の定番メニューはヒバリ工房で作ったソーセージのホットドッグ。
色々な種類のホットドッグがありますが、一番人気は地元熊本の名物、あか牛のミートソースをのせたヒバリドッグです。
ヒバリカフェはゴールデンウィーク、お盆休み、シルバーウィークなど連休の時は朝6時から8時半まで朝食イベントを開催。
このときは多くのライダーが集まってくると言います。
バイクマニア感全開のガレージも
バイク好きが大喜びするのが敷地内のガレージでしょう。
朽ち果てていた納屋をリノベしたというガレージは、ライダー垂涎の趣味の空間です。
「僕の趣味のガレージなんですけど、ライダーが集まれるような場所にしたいと思いました。」と池田さん。
ガレージを作ったのはカフェがオープンした翌年。
一般のお客さんにも開放されていて、カフェが満席のときは待ち時間をこのガレージで過ごすことができます。
池田さんのバイクコレクションを眺めたり、中に置かれているバイク雑誌などを読みながら、まったりとすごすことができます。
ツーリング先でトラブルがあったライダーが、ここで修理することもあるんだとか。
ガッツリ派にはグリルがオススメ
敷地内にはヒバリグリルもあります。
もっとがっつり食べたいというライダーの要望を受けて6年前にオープンしました。
ステーキやハンバーグが中心のレストランです。
ライダーに人気なのはご飯の上にステーキとウィンナーがのったグリルライダーというスペシャルメニュー。
ウッドデッキもあってカフェとはまた違った開放感があります。
2年前にテレビの取材などもあって、最近ではライダーだけでなく一般のお客さんも多く訪れるようになりました。
ヒバリカフェ、ヒバリグリルが、阿蘇に来るライダーにとって嬉しいのはそのロケーションでしょう。
やまなみハイウエイ、ミルクロード、パノラマラインといった阿蘇のワインディングにどこでも10分程度で行ける距離にあります。
だからツーリング途中の食事や休憩のスポットにとても組み入れやすいのです。
レースも開催
前述したように池田さんは、九州の有力チーム、高武でライダーとして活躍していました。
宇川徹選手、加藤大治郎選手、玉田誠選手など、ホンダで活躍した有名ライダーを多数育てたチームとして知られています。
当時から仲の良い有名ライダーが遊びに来ることもあるとのことなので、運が良ければカフェやグリルで遭遇することがあるかもしれません。
そんな池田さんがレースの楽しさを伝え、自分自身も多くの人達と一緒に走りたいと考えてはじめたのがヒバリカップというグロムのワンメイクレースです。
HSR九州で開催されるこのレースは2020年にスタート。
コロナ中は休止していましたが、2024年から再開される予定です。
阿蘇周辺にはとても魅力的、かつ個性的なライダースカフェがいくつもありますが、ヒバリカフェもまた他に負けず劣らず存在感のあるお店でした。
ツーリングの途中に立ち寄るのも良いかもしれませんが、短時間の滞在ではその魅力をすべて堪能するのは難しいくらい。
南阿蘇には個性的かつ魅力的なカフェが他にもあるので、阿蘇のライダースカフェ巡りをしてみる、なんていう楽しみ方をしても面白いかもしれません。
ヒバリカフェ
住所 〒869-2613 熊本県阿蘇市一の宮町中通640-1
営業時間 11:00~17:00
定休日 火曜
ヒバリグリル
営業時間 11:00~15:00
定休日 水曜
ひばり工房(ハム・ソーセージなどの販売)
営業時間 9:00~18:00
定休日 不定休
【文/後藤武(外部ライター)】