Hondaが2021年3月に発売した大型クルーザーモデル Rebel 1100(レブル1100)にロングツーリング仕様の「Rebel 1100 T」が加わった……んだけど、これってアリだと思う?
Rebel 1100(レブル1100)はスポーティーさが『個性』だったのでは?
2022年11月に発表されたRebel 1100のツーリングバージョン『Rebel 1100 T』(2023年2月23日発売)。
昨年のうちに市販予定車(試作車)は実際に見ることができていたけれど、あの時は試作車ということで、走ることはおろか跨ることさえできませんでした。しかし、ついにそのRebel 1100 Tに乗るチャンスが到来! だけど、実車を前にしてふと思い出したことが……
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Rebel 1100 Tの試作車を目の前にした時は、その絶妙なサイズ感から『これこれ、こういうのが欲しかったんだよ!?』と思ったものですが、今回、いざ乗るぞ! となったら『あれ、ちょっと待てよ』となったんです。
だってスタンダードのRebel 1100と言えば、クルーザーとは思えないレベルのスポーティな走りこそが真骨頂だったはず。
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そこにウインドプロテクションに優れた大型フロントカウルと、荷物が積めるハードケースを車体両サイドに装備したのたロングツーリング対応型のRebel 1100 Tとなる訳ですが……スポーティーさが真骨頂のバイクに快適ツーリング装備って、何だかチグハグというか、本末転倒になるのでは? と思ってしまったのです。
これはいけない。大好きなRebel 1100のアイデンティティが揺らぎかねない!
なんてことを言う理由は、私(北岡)のバイクのルーツがHondaの250ccアメリカンクルーザー『V-ツイン マグナ』だから。そこから大型バイクの免許も取って輸入車も含めて色んなクルーザーに乗ってきました。要するに私、クルーザー大好き! なタイプのバイク乗りなのです。
そのクルーザー大好き視点から言うと(アイデンティティうんぬんを一旦棚上げして)、このバイクは『日本のツーリングに最適なクルーザーじゃないか?』と思えるほどのジャストサイズ感がとにかく魅力的。
それが何故って、こういったいわゆる『バガースタイル』のクルーザーは、そのほとんどが超巨体&ウルトラ重量級のモデルばかりだから。
なんならサイドスタンドから引き起こすだけでも気合が必要になるようなバイクも珍しくありません。
しかしっ!
車両重量がシリーズで最も重い248kgのDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)モデルでも248kg。実際には車両のバランス感もあって、サイドスタンドからの引き起こしは『一般的な大型バイク』程度に感じられ、そこに気合はまったく必要ありません。個人的には240kg以下のバイクに感じたくらいです。
ロングツーリングなどでライダーが疲れてきたとき、バイクが重いのってストレスですからね。些細なことに思えるかもしれませんが、こういうのも旅バイクにはすごく重要です。
そして、街中を走り出して……
ん? なんだろ?
基本的にはスタンダードのRebel 1100と大きく変わらない走りだと感じるんですが、ふとした時に全体的に少し優しさが感じるような?
実を言うとRebel 1100 Tは正式な広報発表上では『大型フロントカウルとサドルバッグを装備したモデル』という情報があるだけで、バイク自体の仕様変更などについては一切、言及されていないんです。
でもなんか違う……乗り込むほどにスタンダードとの違いが感じられてくる気がする。
その真相を確かめる意味合いもあって、Rebel 1100 Tが本領を発揮するであろうツーリングシーンへ連れ出してみることに。そして、明確な違いはまず『高速道路』にあったんです!
※Honda Rebel 1100 T <DCT> 試乗インプレ・レビュー 中編(5/23公開予定) に続く
【文/北岡博樹(外部ライター)】