レブルシリーズは250、500に始まり、その後1100が登場して現在3兄弟となっています。
形はクルーザーですが、一般的なクルーザーとは少し違って高速ツーリングなどの巡航が多いシーンだけでなく、ストップアンドゴーの多い街中を走ってもバイクを操る楽しみを感じさせてくれるモデルのため、3モデルそれぞれ幅広い人気があります。
今回はそんなレブルシリーズの違いは何なのか、見た目だけでなく中身、走って感じるフィーリング含めて解説していきます!
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レブル3モデルを比較
左からRebel 250、真ん中がRebel 500、右がRebel 1100 Tになります。
普通自動二輪免許で乗れるのはRebel 250、大型自動二輪免許で乗れるのがRebel 500とRebel 1100 Tです。
3台中2台が大型モデルになりますが、意外にも車格はそれほど大きな差はありません。
Rebel 250とRebel 500に関してはエンジン以外基本ほとんど一緒で、Rebel 1100 Tは純正でカウルとサイドケースが装着されているため大きく見えますが、フレームで見ると同じではないものの、多少大きい程度の差となっています。
スタイリングも3モデル共通していてアメリカンクルーザースタイル。
ヘッドライト、テールランプ、ウインカーのデザインは共通ですが、Rebel 1100 Tのみテールランプがクリアとなっています。
スペックで見てみるとRebel 500(Rebel 250も同様)の全長は2,205mm、Rebel 1100Tの全長は2,240mmとRebel 1100 Tのほうが若干大きくなっています。
他で見てみてもRebel 500(Rebel 250も同様)は全幅820mm、全高1,090mm、Rebel 1100 Tは全幅850mm、全高1,180mmとそれぞれ少しづつ大きくなっています。
単気筒は初心者にも優しく、扱いやすいため人気ですが、ベテランからすると少し頼りないように感じるかもしれません。
ですがレブル250の単気筒エンジンは低回転のパンチ力がしっかりありながら、高速走行時は高回転まできれいに吹け上がり、高回転のまま巡航も可能。
一昔前の単気筒は特技が決まっていましたが、今の単気筒は上から下まで幅広く扱えるハイテクなエンジンとなっています。
500ccって大型なのにほぼ400ccと一緒じゃん…と思われがちですが、Rebel 500のエンジンはしっかり大型クラスのパワー感。
速さ、というよりはトルクが大型クラスで、250cc以上の低回転の粘り強さに始まり、心地いいパルス感とサウンドと共にグングン体を前に押し出してくれるフィーリングは大型クラスでしか体感できない感覚です。
最高速を気にするエンジンではありませんが、750ccや1,000cc超えの大型バイクと違って「速すぎないのが良い」と思える大人な味付けです。
エンジンタイプはRebel 500と同様ですが、中身は大きく違っていて、アフリカツイン系のエンジンがベースとなっているため、500ccとは比べ物にならないくらいパワフル。
トルクもスピードもさすが1,100ccと感動してしまう仕上がりです。
Rebel 1100にはクラッチ付きのMTモデルと、クラッチ、シフト操作を自動で行ってくれるDual Clutch Transmission(DCT)採用モデルもラインアップされています。
今回撮影したRebel 1100 TもDCTモデルとなっており、こちらは大型自動二輪AT免許でも乗ることができます。
足つき比較
身長170cmのライダーが跨って足を出すと両足ともべったり地面につけることができ、支えられないんじゃないかという不安感は全くありません。
ですが重量がRebel 250とRebel 500では約20kg違うため、バイクに慣れている方は250ccと変わらない感覚で乗れますが、大型バイクに慣れていない方は最初だけ多少支えられるか不安に感じるかもしれません。
それでも、ここまで両足べったり付くので乗り始めてしまえばその不安も消えていくと思います。
しかし重量はDCTの場合248kgとしっかり大型バイクの車重なので、Rebel 250やRebel 500ほど気軽ではありません。
ですが同系統のエンジンを搭載したアフリカツインに初めて跨ったときは「この重さを信号待ちで支えられるのか…?」と不安を感じましたが、Rebel 1100 Tでは足つきが良いのでそこまでの不安は感じませんでした。
大型慣れしていない方は最初こそ多少慣れが必要ですが、一度乗ってしまえば不安なく乗れるようになるまでのスピードは他の大型バイクよりも早いと思います。
手押し比較
Rebel 250を手押ししてみるとこの大きさの車体に対して押すのが楽すぎて驚きます。
車体自体は超軽量、というわけではありませんが、ハンドル幅が広く、位置もアップポジションなので押すのも引くのも楽々です。
400ccクラスの車体とほぼ同じだと思います。
手だけでも押せますが、最初の勢いは腰を入れて押すなど、若干大型バイクらしいところが出ています。
手だけでなく足腰も使って押し引きすれば、大型バイクに慣れている方は扱えますが、大型バイクに慣れていない方は多少慣れが必要です。
Rebel 250やRebel 500は頑張れば少しの坂道でも押すことは可能そうな重さでしたが、Rebel 1100となると坂道を押して上がるのは無理だと思います。
このクラスのバイクは小排気量と違って手で押す機会も少なく、多少の取り回しレベルだと思うので、そのくらいであれば問題なく扱うことができます。
レブルのキャラはシリーズを通して共通
クルーザーポジションというのが大きいですが、乗っていて飛ばそう、とか攻めようという気には一切ならず、ゆったり走るのが心地よく感じさせてくれます。
250クラスなのでゆっくり走っていてもエンジンは多少回りますが、自分の手の範疇に収まる等身大の気持ちでバイクを楽しめるのはRebel 250ならではのもの。
初心者が乗っても同じように良さが感じられるので、バイクレベルに関係なく万人受けするバイクだと思います。
高回転まで回したらもちろん大型なので速いんですが、Rebel 500が本当によく感じたのは超低回転域。
景色がきれいな場所を30km/hほどで流すと、4速or5速の低回転域で巡航することになるんですが、このときのドコドコという鼓動感がたまらなく気持ちいい!
Rebel 250で感じた等身大な感覚とは少し違いますが、飛ばすのではなくゆったり走る余裕の中に楽しみが見いだせるのは、レブルシリーズの真ん中であるRebel 500らしいキャラクターだと思います。
回せば大型にしかできない爆裂加速ができますが、Rebel 1100 Tの良いところはその余裕を下でも上でも使えること。
低速走行が多い街中では安心感のある立ち上がり加速と巡航時の楽さがあり、常に低回転〜中回転域で十分な加速ができるため、高回転まで回すことはありません。
遠距離ツーリングなど高速巡航を想定したシーンでは加速してギアを上げてしまえば、あとはスロットルの微妙な加減速調整だけで巡航できるので、Rebel 250で同じ距離、同じ場所を走っても明らかにRebel 1100 Tのほうが疲れにくいと思います。
しかし楽さだけでなく、DCTにはバイクを操る楽しみもしっかり残っているのでMT同等とは言いませんが、MTに乗って感じるものと近い感覚で楽しむことができます。
アフリカツインやNT1100など他にもDCTを搭載した大型モデルはありますが、個人的にはRebel 1100 Tが最も乗っていて楽しさを感じれるDCTだと思いました。
レブルのキャラクターはフレンドリー
排気量や加速感、運転の楽さなどは同じレブルシリーズでも各排気量によって差がありますが、レブルシリーズに共通しているのがライダーに寄り添ってバイクの運転を楽しませてくれるということ。
レブルに乗って出かけるのではなく、レブルと一緒に走る、というライダーとバイクが一緒になって一つのことを楽しめる性格はレブルシリーズ全てに共通しているのではないでしょうか。
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【文/佐藤快(外部ライター)】