バイクにはモデルによって様々なタイプがありますが、それによって得意分野が変わります。
スポーツバイクはワインディングやサーキットなどでのスポーツライディングを得意とし、クルーザーは公道をゆったり、楽に走れるバイクタイプです。
今回紹介するRebel 1100 T Dual Clutch Transmission(DCT)をはクルーザータイプのバイクで、Rebel 250、Rebel 500と続くレブルシリーズのフラッグシップモデル Rebel 1100に大型フロントカウルとサドルバッグを装備したタイプです。
ゆったり走れる車体にハイパワーなエンジン、クラッチ操作のいらないDCTを搭載し、旅の相棒として活躍するRebel 1100 Tの魅力をRebel 250と比較しながら紹介していきます!
▼関連記事
Rebel 250と比べると「さすが大型!」のRebel 1100 T
基本的なフレームのレイアウトなどは似ていますが、同じではなく細かい取り回しは変わっています。
しかし大きさ自体はそこまで大差ありません。
1,000cc超えの大型バイクは250ccクラスに比べると二周りほど大きいバイクもありますが、Rebel 1100 Tに関してはせいぜい一回り大きいかな?くらいの差となっています。
なので大型バイクとしては排気量に対してそこまで巨大なバイクではありません。
【参考情報】
Rebel 250(Rebel 500も同様) 全長:2,205mm、全幅:820mm、全高:1,090mm
Rebel 1100 T 全長:2,240mm、全幅:850mm(DCTは845mm)、 全高:1,180mm
アフリカツイン型のエンジンがベースとなっているため、クルーザーの割に回そうと思えば上までビュンビュン吹けますが、低速トルクがしっかりあるので、街中での日常的な走りではDCTも合わさって低回転域だけで楽に巡航ができます。
DCTではないクラッチ付きのMTモデルもラインアップされており、シフト操作を自分でやって楽しみたい方はこちらもおすすめです。
純正で車体と同色のサイドパニアケースが付いているのもRebel 1100 Tならではの魅力的なポイントです。
Rebel 250、Rebel 500は前後とも16インチを採用しており、Rebel 1100 Tのみフロントに18インチを装着しています。
またフロントフォークもRebel 1100 Tはダークネイビーカラーの酸化チタンコートが施されており、メッキではなく黒の中のメッキが光る高級感ある仕上がりとなっています。
大型AT免許でも運転できるDCT(Dual Clutch Transmission)
ハンドルにも左側にクラッチレバーは付いていません。
左足元のシフトペダルもなく、ステップだけが取り付けられています。
発進はスロットルを徐々に開けていくと徐々に繋がっていき、クラッチ操作無しで発進することができます。
クラッチ操作を必要としないため、DCT搭載モデルなら大型AT免許でも運転することができます。
余裕のトルクと深すぎない楽なポジション
Rebel 250はDCTではないのでクラッチ操作で繋いで発進、ギアをスピードに合わせて上げていくという一般的なMTバイクの流れ。
ですがDCT搭載のRebel 1100 T Dual Clutch Transmission はスロットルをちょいと開けるだけで発進し、その後は自動でギアを上げて行ってくれます。
DCTが楽なのは当然なので、一旦DCTを抜きにして説明すると、Rebel 250はクラッチを繋いである程度回転を上げてシフトアップ、という流れですが、Rebe 1100 Tは低速トルクが抜群なので、スロットルを開けて発進したら回転を上げる間もなくテンポよくギアが上がっていきます。
Rebel 250もクラッチ操作が軽く低速トルクもしっかりあるバイクなんですが、Rebel 1100 Tはそれとは比べ物にならないくらいスムーズに加速して巡航できるため、Rebel 250と同じ速度で巡航しているときも常に余裕を感じます。
Rebel 250には流石にここまでの余裕はありません。
Rebel 250も含めてシート位置が低いクルーザーポジションではありますが、他のバイクと大きく操作感が変わらないため、他車から乗り換えの際にもギャップが少なく馴染むスピードも早いと思います。
俊敏なハンドリング面も
Uターンのようなクイックな動作もやろうと思えばスムーズにできてしまうくらい、ハンドリング面での自由度が高いバイクです。
ブレーキもかなりしっかり効くのでスピードを落として曲がりたい方向に目線を持っていけばバイクが自然と曲がって行ってくれます。
この車体の長さでこの幅で曲がれるの?と思う場所でも意外と曲がってみると想定していたより小さく回れるので、見た目や大きさから感じるゴツさとハンドリング面のラフさには大きなギャップがありました。
MT操作が無くてもバイクは楽しい
実際、僕(ライター佐藤)もガチャガチャやるのが楽しくて、バイクはやっぱMTっしょ!と言っていた人間です。
しかし実際DCTに乗ってみると、ただ操作を減らして楽に走れるようにするだけのシステムではないことがわかります。
これでも走れるんですが、ついつい回しすぎてしまう場面も。
DCTは効率よくギアを繋ぐだけでなく、この速度域で一番気持ちよく走れる回転数、ギア数に変わるように設定されているため、シフト操作に慣れているライダーがMT操作で乗るのとDCTを使った運転では結果あまり変わらないと思います。
むしろDCTはバイクの中に自分以上のベテランライダーが住んでいて、一番気持ちよく走れるところを教えてくれていると思って乗ると、なんてぴったりなタイミングでギアを変えてくれるんだ…!と感動することもあり、DCTでもMT操作と同等のバイクの楽しみを感じることができました。
タンデムも楽々
Rebel 250でタンデムすると明らかにバイクが重くなったように感じますが、Rebel 1100 Tの場合はそこまで大きく変わらず、余裕のパワーで車体を押し出してくれます。
今回、自分の中でDCTの懸念点として気にしていたのが、発進やシフトチェンジ時に発生するどん突き。
運転しているライダーは衝撃が来るタイミングがわかるので問題ありませんが、タイミングがわからない後ろの人は衝撃でガクッと頭を持っていかれてしまうことも。
しかしRebel 1100 TのDCTは常に滑らかに動くのでどん突きが発生せず、滑るように加速していきます。
ブレーキのほうが丁寧にやらないとショックが生まれてしまうくらいなので、タンデムする前に想定していたよりずっと楽で操りやすいマシンでした。
長距離ツーリング、街の移動がこれ1台でできる
長時間走ったときの風の影響は大きいため、一日ツーリングした後の疲れ具合は大きく変わってくるはずです。
カウルと合わせてサイドパニアケースも装着されているため、よほど大きな荷物でない限りバックごと収納できるサイズ感です。
純正からここまでしっかり長距離ツーリングに行ける装備に仕上がっているのはバガースタイルのRebel 1100 Tならでは。
普通長距離ツーリングが楽にできるマシンは街中では大きすぎたり持て余してしまうことがありますが、Rebel 1100 Tはそれを超越して両方とも走りやすいを実現させています。
Rebel 250、Rebel 500とは違ったバイクですが、そういった優等生で親しみやすいキャラクターというのは今回のRebel 1100Tも含めレブルシリーズ全てに共通していると思います。
Rebel 250からの乗り換えを検討している方、長距離も街の移動も楽にできる大型バイクを探している方におすすめです。
▼関連記事
【文/佐藤快(外部ライター)】