高速道路上ではもはやスタンダードとは別世界レベルの快適さを披露したRebel 1100 T。
そのバイクでワインディングに突撃してみたら、ちょっと予想外の展開になりました。
人によっては『Rebel 1100 T』のほうが走りを楽しめる?
極寒2月の高速道路ですら『これなら1日1,000kmとか走れちゃうんじゃ?』と思えるほどの快適クルージングが可能なRebel 1100 Tでしたが、先の【中編】の最後に言ったとおり、このバイクはHonda「Rebel 1100」です。
そのアイデンティティの一環とも言えるスポーティーさが、大型フロントカウルとサドルバッグの装着による弱まってしまうのならば、それは本末転倒と言うものでしょう。
なので、ここはある意味、核心。
Rebel 1100 T でワインディングは楽しめるか? を検証します。
で、先に結論を暴露してしまいますが、個人的には『人によってはRebel 1100 Tのほうがワインディングを楽しめそう!』と感じた次第です。
これまた車両の仕様など詳細がわからない部分はあるのですが、体感として言うならスタンダードのRebel 1100よりも、ちょっとだけハンドリングが穏やかに感じられるのが『T』なんです。
もちろん純粋なコーナリングパフォーマンスで言えば、走りにソリッドな鋭さを感じるスタンダードのRebel 1100のほうが1枚上手だとは思います。車両重量も軽いですしね。
ただしRebel 1100 Tにはスタンダードにはない武器がありました。
高速道路で感じた乗り心地の良さにもつながるサスペンションの滑らかな動き、そしてバイクを寝かせている間のどっしりとした安定感です。
正直な話、クルーザーとしては深めの最大バンク角を確保してあるRebel 1100シリーズですが、車体側のパフォーマンスが高いせいで、そのバンク角にさえあっさり到達しちゃいそうになるのはスタンダードも『T』も同じだな、と感じています。
違いがあるのは、狙ったバンク角まで車体を寝かせきるまでの時間。スタンダードはここが『T』よりも早いです。切れ味鋭くコーナーに進入していくことができます。
だけどRebel 1100 Tが鈍重かと言われれば、全然そんなことはありません。
こういったバガースタイルのクルーザーとして考えるなら、飛びぬけて軽快にバイクを寝かせていくことができます。あくまでスタンダードと比べた場合、っていうだけ。
そして、これもスタンダードに比べれば、という話ですが、アクセルオンで加速体勢に移行してコーナーを脱出する時。ほんのわずか、それこそタイヤ1本分も無いレベルだとは思いますが、フロントタイヤがイメージよりも外側を旋回していくようなフィーリングがあります。
タイトにコーナーを切り取るなら、ここもスタンダードのほうがスポーティーに楽しめると思います。
ただ、バイクの走りっていうのは、それを操る乗り手のスキルによっても感じ方が違うものです。
こう言ってはRebel 1100のエンジニアさんに申し訳ない気持ちにもなりますが、長くバイクに乗ってきたことだけが自慢の自称・中級ライダーたる私(北岡)くらいの腕前だと、Rebel 1100 Tくらい走りに(その差はわずがだけど)ゆとりがあったほうが、怖いと感じることがなくアクセルを開けていけたりするんです。
そして、アクセルを開けてコーナーを駆け抜けられるバイクっていうのは、体感的な楽しい! に直結します。
ちなみに私の場合スタンダードのRebel 1100Tでは、クルーザーにも関わらず、純粋な大排気量ロードスポーツでワインディングに挑むような気持ちになります(笑)
このバランス感、嫌いじゃない。どころか、けっこう好き!
スタンダードのRebel 1100とはちょっと性質が違いますけど、立派にHonda車として『スポーティーな走りが楽しめる』と言い切ってしまって問題ないと思います。
ハンドリングのキャラクターの違いは、ぶっちゃけすぐ慣れる程度の差ですしね。
現実的に考えると……
ちょっと個人的な話にはなっちゃいますけど、私は足しげく峠に通うタイプのライダーじゃないですし、バイクの楽しみかたのメインはツーリングですから、ひょっとしたらスタンダードよりも『T』のほうがライフスタイルに合うかもしれません。
Rebel 1100 Tはスタイルにも迫力があるし、それ以上に高速道路の快適さとか高原道路をのんびり流す時などのゆとり感には強い魅力を感じます。
抜群のコストパフォーマンスとクルーザーとは思えない走りの性能で選ぶスタンダードのRebel 1100か、スポーティ―に合わせて快適さと余裕も併せ持つRebel 1100 Tか。
もちろんバイク(特にクルーザー)は『見た目が命!』なので、スタイルが好みなほうを選ぶのが正解にはなりますけど……
スタンド―ドも『T』も、どっちのスタイルも好き! という、私と同じような感覚の人がいましたら、現実問題として、Rebel 1100 Tの快適性にはかなり魅力を感じるはず。もし迷うようでしたらHondaGO BIKE RENTALで体感してみるのがいちばんの近道でしょう。
そうすれば間違いなく『自分にフィットするRebel 1100』が直感で判断できると思いますので!
▶▶▶前編・中編 もご覧ください。
【文/北岡博樹(外部ライター)】
ホンダ『Rebel 1100 T』に乗ってみたいなら!