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PCX・LEAD125・Dio110 原付二種スクーターの「良いところ」&「選び方ガイド」

原付二種がとても好調です。
2021年の二輪車新車国内出荷台数は378,720万台

原付二種はその1/3を占める125,651台となっており、前年比123.5%の伸び。しかもその台数は過去10年間で最高記録となっています。

出展元:二輪車新聞(発表データをグラフ化したもの)

原付二種のメリットは色々ありますが今回は省略。気になる方は下記の記事を参考にしてくださいね。

人気の原付二種の中でも特に利便性が高く実用的なのがスクーター。その良さは実際に乗ってみると分かります。
と言いながら、ここ最近原付二種スクーターはめっきりご無沙汰だった筆者。そこで今回は実際に乗ってみて感じたホンダ原付二種スクーターの魅力と解説を3つに分けてお伝えしたいと思います。

 

その1:原付二種と数日間過ごして分かった「良いところ」

今回はPCXとDio110で都内&横浜界隈をあちこち散策。
商店街を抜けたり、バイパスを延々走ったり、買い物に出かけたり・・・その際「これは良いっ!」と特に感じたのは次の4つでした。

① 交通の流れに乗るのが楽

スクーターはクラッチ操作がないため、信号が青になればスロットルオンで”ビューン”とスタートしてくれます。マニュアルバイクでたまにやっちゃう「クラッチ操作ミス→エンスト」の心配がありません。また、軽量なボディを活かした鋭い加速で、法定速度(60km/h)内で交通の流れをリードすることすら可能です。

イージーな操作はスクーターならでは

 

②取り回しが楽

スクーターはコンパクトなので細い路地の走行や方向転換など、小回りの良さを活かしたフットワークの軽い走りが特徴。
一般道の道幅は最低で2.75m以上となっていますが、ホンダ原付二種スクーター(ビジネス車含む)の最小回転半径は全て2.0m以下ですから、Uターンも楽々こなせちゃいます。

Dio110の最小回転半径はなんと1.8m。四輪車の車幅程度でクルッと反転できます

 

③軽い

原付二種スクーターの重量は100〜130kgあたりが一般的で、これは一般的な中型〜大型バイクの約半分となっています。
また、タイヤ径が小さいことで低重心となっており、車体の引き起こしや押し歩きも楽にできます。深夜の住宅街や駐輪場など、エンジンを切ってバイクを押し歩きする時はスイスイ進むことができました。

50ccの原付一種スクーターをちょっと大きくしたような感覚です

 

④足つきが良い

スクーターはシート高が低いものが多く、ほとんどのモデルで両足がしっかり届く設定になっています。バイク選びで多くのライダーさんが気にする「足つき性」は良好な部類なので、立ちゴケの心配も少なくなっています。
筆者は身長169cmですが、スクーターで立ちゴケした記憶は一度もありません。

Dio110のシート高は760mm

 

その2:ホンダ原付二種モデルが持つ「便利な機能」

現在発売中のホンダ原付二種スクーターは「PCX(ピーシーエックス)」「Dio110(ディオ110)」そして2022年3月にモデルチェンジした「LEAD125(リード125)」の3機種。この3モデルに共通となる特徴を見てみましょう。

全車、アイドリングストップ機能付き

ホンダでは原付二種だけでなく50ccスクーターの3台(ダンク、ジョルノ、タクト)にも標準装備されている、アイドリングストップ・システム。
排出ガス(二酸化炭素、一酸化炭素、炭化水素)の低減と燃費の向上に寄与します。アイドリングストップ・システムを使用しないときに比べてガソリンを約7%も節約できるデータ(ECE R40モード 社内テスト値)もあります。

ホンダのアイドリングストップテクノロジー詳細記事はこちら

ホンダのアイドリングストップ・システムについて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
Honda Motorcycle Technology「テクノロジー図鑑・アイドリングストップシステム」

全車、Honda SMART Keyシステム採用

今回のモデルチェンジ(2022年3月)でリード125が待望のスマートキー化。これでホンダの原付二種スクーター全てがHonda SMART Keyシステム採用となりました。
キーはポケットやバッグに入れたまま、車体のスイッチを押すだけでエンジン始動。メットインスペースもキーを使うことなくオープンできます。これは本当に快適で、慣れてしまうとキーのあるバイクに戻れなくなっちゃいますよ。(大袈裟ではなく本当に…)

イグニションのON/OFF、ハンドルロックの施錠/解錠、シートとフューエルリッドの解錠操作が可能(写真はDio110)

 

全車、純正グリップヒーター対応(オプション:別売)

通勤・通学・お買い物に、毎日使いたいスクーターだから欲しかったグリップヒーター。
中でもPCXとリード125はグリップの太さがノーマルとほぼ同径の「スポーツグリップヒーター」が採用されています。

 

その3:Hondaの3モデル「選び方ガイド」

「どのスクーターが自分に合うのかな」と思ったら試乗するのが一番ですが、ここで簡単に3モデルの紹介をさせていただきます。
同じように見えても(見えない?)明確にキャラクターが分かれていて面白いですよ。

注)記事中の★の数は筆者の独断による採点です

2021年原付二種スクーター売上ナンバーワン「PCX」

ホイールサイズ 前14インチ/後13インチ。ワンランク上の走行性能や装備で時代の先をゆく一台

PCX(マットディムグレーメタリック)

パワー:★★★★★
取り回し:★★★★
軽さ:★★★★
収納:★★★★
価格:★★★★

通勤通学はもちろん、ツーリングにも活躍できるポテンシャルを持っているホンダ原付二種スクーターのフラッグシップモデル。
フロントABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やHonda セレクタブル トルク コントロールを標準装備。ワイドサイズのタイヤと前後ディスクブレーキ、リアツインショックなどの装備が走りに安定感と安心感を与えてくれます。

【Honda セレクタブル トルク コントロール】システム概念図

デザインも上質で、スクーターというよりフルカウルスポーツ車のような流麗なデザインに強く惹きつけられます。
原付二種はセカンドバイク、という位置付けを覆して「これ1台でも十分に楽しいバイクライフが過ごせそうだ」と思わせるだけの魅力があります。

エッジの効いたシャープなカウル形状が都会に映えます

ステップスルー式では無いので気軽さでは他の2モデルに軍配が上がりますが、がっしりボディにパワフルなエンジンがもたらすクルーザーのような走りは「原付二種の王者」のような風格を感じます。

合わせて読もう「PCXのインプレッション記事」

ホンダ原付二種で最もコンパクトな「LEAD125」

ホイールサイズ 前12インチ/後10インチ ホンダ原付二種スクーターで最もコンパクトなボディを持つ一台

リード125(マットテクノシルバーメタリック)

パワー★★★★
取り回し★★★★
軽さ★★★★
収納★★★★★
価格★★★★

今回のモデルチェンジからPCXと同じ最新ハイパフォーマンスエンジン「eSP+」を搭載。最高出力はPCXにやや劣るものの、最大トルクは同スペックで力強い走りをしてくれる。シート下収納はクラストップレベルの37リットルと余裕の容量を持ち、フロントインナーボックスにはUSB Type-Cソケットが標準装備。

フロント部は500mLサイズのペットボトルも収納できます

50ccスクーターのようなサイズ感にPCXに比類するパワーを組み込まれた「羊の皮を被った狼」的なバイク。スタンダードでとっつきやすいデザインでありながら、なかなかのハイスペックに仕上がっており、誰にでもオススメできる万能選手だと思います。

手前:パールダークアッシュブルー2 奥:マットテクノシルバーメタリック

大きめのリアキャリアやシート下収納など積載能力は3モデルで一番。
フルモデルチェンジで走行性能と装備がより充実して「最強の実用スクーター」と言えそうです。

100kgを切る軽さが自慢の「Dio110」

ホイールサイズ 前後14インチ 日常使いにぴったりなお手軽スクーター

Dio11(パールジャスミンホワイト)

パワー:★★★
取り回し:★★★★★
軽さ:★★★★★
収納:★★★
価格:★★★★★

原付二種スクーターで、車両重量が90kg台のモデルはこのディオ110のみ
前後14インチのホイール&タイヤは、石畳の多い欧州でスタンダードなサイズとなっており、段差の乗り越えや悪路での走行性能に秀でています。
※2022年3月現在で新車購入可能な国内メーカーの原付二種モデルの内

14インチホイールとディスクブレーキで走る・曲がる・止まるの基本をしっかり抑えた設計

PCX、リードと比べてスペック面では劣るところもありますが、剛性が高く軽量に作られたeSAFフレームとeSPエンジンで快適な走行性能を発揮。ハイパフォーマンスを求めず実用重視であればディオ110の選択が一番かもしれません。

左奥:パールジャスミンホワイト 右手前:マットスターリーブルーメタリック

お手頃価格と気軽さを兼ね備えた、まさに「日常使いのベストパートナー」です。

合わせて読もう「Dio110のインプレッション記事」

おまけの豆知識

実はPCXよりリード125の方が、パワーウエイトレシオが良い

パワーウエイトレシオとは、車両重量を出力(PS=馬力)で割った数値で、この数値が小さいほど加速性能に優れていると言われています。

3モデルのパワーウエイトレシオは、次のとおり。
PCX:10.560kg/PS
リード125:10.545kg/PS
Dio110:11.034kg/PS

この数値が全ての能力を決定するわけではありません。これに加えて出力特性や履いているタイヤの性能など、色々な条件が重なってバイクの走行性能は決定します。
とはいえ、リードはスタートダッシュに優れているキャラクターだと言えるでしょう。

 

まとめ

自分に合うモデルはどれ?と思っている方の参考になればと思って書きましたが、いかがだったでしょうか?
ホンダの原付二種スクーターは三者三様のキャラクターを持っていますので、機会があったら乗り比べをして欲しいと思います。

PCXの上質な走りとデザイン性は欲しくなる筆頭ではありますが、Dio110の柔らかい乗り味と思ってた以上に走りの良さを感じるところも捨てがたい。リード125の使い勝手の良さとパワフルなエンジン特性の組み合わせも非常に魅力的です。

まだまだ止まることを知らない原付二種の勢いは2022年も続くことでしょう。

 

【文/井上修示(外部ライター)】

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