寒い時期に「冬物の普段着」のままバイクに乗っている人を見かけますが、実は「バイク専用ウェア」を着て走った方がライダーはいくつも「得をする」ことをご存じですか?
今回はバイクの秋冬ライディングウェアを着て走る「5つのメリット」をご紹介します!
冬に普段着のまま走っても問題ない?バイク専用ウェアは一般アパレルと何が違うの?
気温が低くなる冬の時期を迎えると、普段着も“温かい冬物の服に衣替えする時期”になってきます。そして普段着の冬服を選ぶ時は、好みのファッションやデザイン性もあるかとは思いますが、まずは「とにかく温かいウェア」を着たいですよね。
特にバイクは外気温の寒さに加えて、走行風を受けながら走ることになるので服装選びに迷ってしまう方も多いかもしれません。
しかし、冬の時期でもツーリングを楽しむベテランライダーの多くは、迷うことなくその季節に合った「冬用のバイクウェア」を選んでいます。
その理由は、バイク専用ライディングウェアに、温かさ以外にも冬でも安全で快適に走れる機能性や利便性がいくつも備わっているから。
冬服だからといって普段着のままバイクに乗ってしまうと、万が一の時の安全性が損なわれるだけではなく、快適性や機能性の面においていくつも“損”をしている場合が多いんです。
バイク専用ウェアは「ライディングの動きや機能性に特化した作り」になっている
そもそも一般アパレルの冬服と、バイクライディング専用に作られた「秋冬ライディングウェア」にはどんな違いがあるのでしょうか?
例えば、登山をする時にはトレッキングウェア、スキーやスノーボードなどのウインタースポーツをする時も、そのシチュエーションに適した専用ウェアを着ている方がより快適に楽しむことができますよね? バイクライディングもこれと全く同じ。
バイクに乗るために設計されたライディングジャケットは、安全性や利便性はもちろん、快適性や運動性に至るまで、普通の服とは全く異なる機能性がたくさん盛り込まれているんです。
もちろん、そのライディングウェアの種類やデザインによっても備わっている機能に若干の違いはありますが、基本的にバイク専用ウェアには「バイクで走るときに必要な機能や快適性がしっかり備わっている」と思って間違いないでしょう。
今回はHondaの秋冬ライディングギア2024にラインアップされている「プロテクトソフトシェルパーカ」を題材に、バイク用の秋冬ウェアにはどんな機能性や快適性が備わっているのかを見ていきましょう。
①防風性:走行風を長時間あびても冷えや疲れを軽減できる
まず、バイク専用ウェアには、走ることで浴びる走行風を上手に防いでくれる「防風性能」が備わっていることです。
例えば、一般的な秋冬アパレルを着ている時、じっとしていればそれなりに温かいのに、強い風が吹くと急に寒さを感じることって結構ありますよね? 走行風を浴びながらバイクで走っている時は、常にこの時の状態をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。
特に高速道路を時速100km/hで走行している時の走行風は、環境にもよりますが、風速おおよそ25m/sという台風並の風を浴び続けているような状況です。このようなシチュエーションを想定していない一般アパレルでは、身体の体温を維持してくれる保温性はあまり機能していないと思った方がよいでしょう。
バイク専用ウェアはウェアそのものの保温性に加えて、走行風をシャットアウトしてくれる防風性能が一般アパレルと比べて格段に高いんです。
②撥水性:雨水を弾きやすい素材で少しの雨なら大丈夫
バイクツーリングは自然の中を走っているので、突然の雨に降られてしまうこともしばしばあります。そんなシチュエーションで備わっていて欲しい機能が、水滴を弾いてくれる「撥水性能」です。
もちろんウェアの種類にもよりますが、昨今のライディングウェアには水滴を弾いてくれる機能的な生地素材が使用されているものが多くラインアップされていて、これらの機能性が備わっているウェアであれば、ちょっとした雨程度ならレインウェアを着なくても大丈夫なほどです。
もちろん土砂降りのような雨はレインウェアを着るべきですが、雨が降るのか降らないのか微妙な空模様の時や、軽く雨が降ってきたけど走っていたらいつの間にか止んでしまった、というようなケースは結構たくさんありますからね。
ちなみに、今回テストしているHonda プロテクトソフトシェルパーカは、トレッキングウェアやアウトドアウェアなどに多く使用され、防風性能やストレッチ性能、保温性などが高い「ソフトシェル」と呼ばれる素材で作られています。
水滴を弾いてくれる撥水性に加えて、ポケットなどに止水ファスナーが採用されていたので、ちょっとした雨に降られても平気なほどでした。
③運動性:ライディングフォームに適した立体構造と動きやすさ
バイク専用ウェアと一般アパレルが大きく異なるポイントのひとつに「ウェア形状そのものの違い」があります。
バイク専用ウェアは「バイクに乗る時の乗車姿勢」に合わせて、腕や背中などが突っ張ったりしないように、あらかじめ立体裁断で作られているのでライディングフォームをとったときに窮屈さを感じず、疲れず自然な姿勢を維持できます。
ジャケットの種類やデザインにもよりますが、ウェアそのものが3Dの立体構造になっていたり、動きを妨げないアクションプリーツ仕様や、伸縮性が高いストレッチ素材を使ったものもあります。
バイクのライディングは、ライダーが身体を積極的に動かして乗る“スポーツ”でもあるので「動きやすさ」という面でも理想的な作りになっているんです。
④安全性:有りと無しでは大違い!万が一の時のプロテクション性能
そして一般的なアパレルとライディングウエアの一番大きな違いと言っても過言ではないのが「プロテクション性能」です。
最近のバイク専用ウェアの多くは、肩やヒジ、背中などにプロテクターが予め備わっています。
万が一の時の安全面が高い「ハードプロテクター」が備わっているものや、動きやすく違和感の少ない「ソフトプロテクター」が備わっているものなど、デザインや種類によっても異なりますが、プロテクターが備わっているかいないかで安心感が大きく変わります。
また、Hondaのライディングギアは、別売の「胸部プロテクター」が装着できるフラップボタンが備わっているウェアがほとんど。これも一般アパレルにはない専用機能です。
万が一の時に身体を護ってくれる胸部プロテクターは、はじめは少し着用の煩わしさを感じるかもしれませんが、フラップボタンで簡単に取り付けられればすぐに慣れるので、より安心してライディングを楽しむことができます。
⑤機能性:体温調節や環境の変化に対応しやすいバイク専用設計
バイク専用ウェアには、体温調節や環境の変化に対応しやすいように、走行風を取り込める「ベンチレーション機能」が備わっているウェアも多くラインアップされています。
ベンチレーションは腕や背中などに備わっていて、走行風を効果的にジャケット内に取り入れられるようにデザインされています。
寒さ対策は重要ですが「寒いと思ったら逆に暑かった」なんていうことも珍しくありません。また、オフロード走行など冬でも汗をかくようなスポーツライディング時などにも便利な機能です。
さらに、多くのライディングウエアには、ヘッドライトなどの光に反射する「リフレクター」が備わっています。
冬場は陽が落ちるのも早く、帰り道など暗い中を走ることも多くなりますので、後続車からライダー自身が「ここにいるぞ!」とアピールできる被視認性はとても大事になってきます。
バイクにはテールランプもありますが、ウエアにリフレクターが備わっていることで被視認性は格段にアップ。最近のライディングウエアはデザイン性も損なわないように、さりげなくリフレクターが配置されているものも多く、安全面での“縁の下の力持ち”的な存在になっています。
多くのライディングウエアには、ベルクロなどで調整できる「アジャスター機能」が備わっています。
これはサイズ感やフィット感を更に高めるためのものでもあるのですが、同時に走行風でのバタつきを抑えるためのものとして装備されています。走行風でウエアがバタつくとジャケット内の温かい空気が逃げてしまい、保温力をダウンさせてしまうので適切に調整して使ってください。
自然の中を走るバイクツーリングは、雨や風はもちろん、気温の変化などにも適応しなければなりません。寒暖差も大きくあり、日中は快適だったのに陽が落ちると急激に寒くなることもしばしば。
そんな時のためにHondaの秋冬ライディングジャケットは「着脱式インナー」が標準で装備されているものも多くあります。ツーリング先で暑かったらインナーを外す、寒くなったらインナーを装着する。そうして快適さの調整ができることは大きなメリットのひとつと言えます。
また、インナーを外せば春先まで長く着ることができるというメリットもあります。
温かさ以外にも『楽しくバイクに乗るため』の機能が満載!
いかがでしたか?
温かさやファッション性はもちろん大事ですが、秋冬用のバイクウェアには今回紹介した5つの機能性や利便性が備わっています。正直なところ、一般アパレルをいくら重ね着したところで、バイク専用ジャケットの快適性には届きません。
冬でもバイクを楽しみたいなら『バイク専用ウェア』は必須アイテム!
デザインや種類によっては更に便利な機能が装備されているモデルもありますので、Hondaライディングギア公式ページでお気に入りのウエアを探してみてくださいね!
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【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】