レブル1100(Rebel 1100)はMTとオートマチックDCTで、走りのキャラクターが全然違う! MTとDCTのどちらを選ぶべきか……これはある意味、レブル1100における究極の選択かもしれません。
レブル1100(Rebel 1100)における最も悩ましい問題
バイクはやっぱりMTで乗らなきゃ! オートマチックじゃつまらないでしょ!?
そう思っているライダーで、レブル1100(Rebel 1100)が気になっている人がいたら……ちょっと待った!
はじめにDCTに乗って、今回改めてMT仕様に乗った私(北岡)としては、その選択がかなり重要な分岐点になると感じています。それこそ、購入後のレブル1100とのライフスタイルを左右するレベルです。
そう思う経緯は、前回の【ワインディング編】をお読み頂けると幸いですが……
【ワインディング編】からの続きです
かいつまんで『なぜそんなことを言うのか?』と言うとですね……
ぶっちゃけレブル1100という、ものすごくパワフルなバイクにおいては、DCTのメリットが際立つ部分が大きかったから。
大前提として私は『何が何でもDCTのほうがいいよ!』と言うつもりはありません。だけど、MTよりもDCTのほうが、気持ち良くレブル1100を走らせることができたのも事実なんです。
いちばん大きな差を感じるのはワインディングのコーナーです。
私はクルーザーが好きでバイクの世界に入ってきたのですが、今ではスーパースポーツからクルーザーまで色んなバイクを乗ることができるラッキーな立場にあります。
そういう私として、もしレブル1100を購入するとしたら、MTとDCTの選択に本気で迷うことになると思う。
いま、これを書いている時点でも明確な結論には至っていません。
MTのレブル1100は、クルーザーの常識を覆すレベルの、最高にエキサイティングなバイクでした。
短時間、ちょっと乗るぶんにはMTのレブル1100は抜群に楽しい! パワフルな大型バイクを操る自分に陶酔できるし、満足度も高いです。
だけど、DCTもじっくりと乗る機会のあった私の感覚としては……
多くのシーンでDCT仕様にアドバンテージがある
趣味としてバイクを走らせるほとんどのシチュエーションにおいて、DCTが優勢だと言わざると得ません。
まず、高速道路の快適性においては、DCT仕様のレブル1100が圧勝。
そもそも1速~6速のギア比がMT仕様よりも高速型のDCT仕様ですから、高速クルージングで感じられる余裕が違います。
それでいて シフトチェンジが必要ないという気楽さと、システムが自動で低回転をキープしてくれることによる燃費の良さもある。
もちろんMT仕様でも何か不都合を感じることは全然ありません。普通に大型バイクとして楽しくクルージングできる。ただDCTが、それを上回るっていうだけの話。
そしてそれは一般道をのんびりと流すツーリングシーンや街中でも、そのまま同じことが言えます。
ホンダ独自のバイク用オートマチック機構DCTは、基本的にマニュアルトランスミッションをベースとして、それをオートマチック化するものなのでMT車と同じく味わいは消えません。
それどころか低回転をキープしてくれるおかげで、2気筒エンジンの鼓動感やサウンドを感じやすいメリットまである。
そのうえで、ツーリングや街中で出くわす信号待ちや一時停止によるストップ&ゴーも、クラッチ操作が必要ないDCTは気楽で疲れません。
冷静に考えればDCTはメリットだらけ。車両の価格差は10万円ですが、それで手に入るものは価格差以上のものだと断言できます。
だけど、だけど、だけど!
それでもMTのレブル1100には価値がある
それこそ、あらゆるシーンでDCTのほうが有利だとわかっていても!
ひとつだけ、MTがDCTに勝っている部分があると私は思っています。
それは、バイクを走らせるという原点的な楽しさにおけるライダー側のパッションです。
クラッチ操作とギアチェンジから解放されるDCTのほうが、ブレーキやバイクを寝かせること、そしてスロットル操作に集中できて、コーナーを気持ちよく駆け抜けることができるでしょう。
でも、それらを理解して、すべて飲み込んだ上で言いたいことがあります。
MTのレブル1100の走りは、楽しい!
あえてMTを選ぶ。ひょっとしたらそれは賢い選択じゃないのかもしれません。だけどバイクは趣味のもの。
楽しさをどこに見出すかは、自分自身で決めればいいんです。
まだ大型二輪免許を取得して日が浅く、バイクの運転に不安があるならDCTがおすすめ。ツーリングを主体としたライフスタイルを目指す人にもDCTがおすすめでしょう。
でも、レブル1100というバイクの走りに、全力で熱くなりたい人にはMTの選択がいいと思う!
結局のところ『どっちが正解か』なんて、他人の意見で決められるものじゃないんです。
乗り手によって正解は変わります。そこで迷い、真剣に頭を悩ませるのは、レブル1100のオーナーとなるために必要な儀式なのかもしれません。
だけど、恐れることは無いんです。
だって、どっちのレブル1100を選んだとしても『買って後悔』することだけは絶対にありえない。
それがレブル1100っていうバイクなんですから!
【文/北岡博樹(外部ライター)】
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