「車の免許あるから、とりあえず原チャ(50cc)でも乗ってみるか!」と考えているなら、思い切って“原付二種”にチャレンジしてみませんか?
新たに免許を取る必要はありますが、バイクに乗れば今まで経験したことないような感動と衝撃が、舞い降りるかも知れませんよ?
そもそも原付二種ってなに?
正式名称は「第二種原動機付自転車(以下、原付二種)」と言います。
排気量 50cc超え125㏄以下のバイクの総称で、50cc以下の第一種原動機付自転車(以下、原付)の上位互換のようなイメージに思えますが、違うのは排気量だけではありません。
原付二種には原付に課せられている様々な呪縛(制約)から解放され、自由の翼を手に入れたかの如き、快適なライディングが待っているのですっ!
原付とは違うのだよ、原付とは! 原付二種のイイところ5選
その1 法定速度30km/hの壁、崩壊
原付には 法定速度が30km/h(時速30km)という制限があります。
速度規制標識で”60”と書かれていても 30km/h までしか出すことができません。
そして驚くことに自転車は速度制限の規制を受けません。ということは 時速100km/hで漕いでも(漕げたらの話)法律上では違反にならないのです。
では 30km/hって実際にどれくらいの速さなのでしょうか?
100mを時速30km/hで走った時のタイムは12秒。小学生の100m走日本記録が11.72秒ということは、原付は小学生スプリンターレベルで走っていると言えます。(極論)
ちなみに、猫は最速50km/h程度で走れるそうなので、そうなるとお魚を咥えたドラ猫を追いかけることは至難の業でしょう。
その点、原付二種なら自動車や二輪車と同じ法定速度60km/h(速度制限標識が無い道路の場合)で走ることができます。
これなら人類最速の男、ウサイン・ボルト氏(瞬間最高速度45km/h)を遥か後方へと置き去りにできますね。
ちなみに、原付、原付二種ともに、自動車専用道路(高速道路など)を走ることはできません。
原動機付き「自転車」ですから・・・
その2 二段階右折よ、さようなら
原付は大きな交差点で右折する際に、いわゆる”二段階右折”を行う必要がありますが、原付二種なら自動車と同じように右折レーンを使って曲がることができます。
では二段階右折とはどんなものか、図で解説してみましょう。
信号がある交差点であることや、標識の有無、ウインカーを出すタイミングなどいろいろお伝えすることがはありますが、それらを説明するのが面倒になるほど”面倒くさい”のがこの二段階右折。
スマートフォンのパスコード入力をミスして、再入力まで1分待たされるくらいの面倒くさいと思います。(もっと面倒かも)
※詳しく知りたい方は「道路交通法 第六節 第三十四条」で検索して調べてくださいね。
この二段階右折を無視すると「交差点右左折法違反」となり、反則金3000円+違反点数1点が課せられます。
”30km/h制限”と”二段階右折”、この二つが原付最大の萎えポイントなのは言うまでもありません。
この呪縛から解放されるだけでも原付二種を選択する大きな理由になるのではないでしょうか?
その3 最も手軽に二人乗りができる乗り物
自転車の後ろに彼女を乗せてゆっくり坂道を下ってく、これ!立派な違反行為です。(2万円以下の罰金または科料)
同様に原付も二人乗りができません。二人乗り用のシートを付けてもタンデムステップを付けてもダメなものはダメ。
しかしながら、同じ自転車の仲間である原付二種(第二種原動機付自転車)だけは二人乗りが許可されているのです。
「二人で一緒にどこか出かけたい!」という願望を最も安価に実現できる乗り物、それが原付二種なのです。
二人乗りができれば、友人を駅まで送ったり、デートしたり、ツーリングしたり・・・バイクがもっと楽しくなるのでは?
ちなみに筆者のご近所には、リード90でいつも買い物に出かける仲良しタンデム夫婦がいらっしゃいます。夫婦円満の秘訣はバイクにあるかも知れません。
注意!
ただし「子供を幼稚園に送り迎えしよう」という使い方はNG。
乗車姿勢が取れない(ステップに足が届かない等)場合は同乗者と認められないため違反となってしまいます。
二人乗りは、小型限定を含む普通二輪免許か大型二輪免許を取得してから1年後より。また仕様によっては二人乗りはできない場合があります。
その4 絶対的なパワー
ホンダの原付「Dunk」の排気量は49cc、対して原付二種の「PCX」は124cc。
排気量は2.53倍ですが、出力(パワー)で比較すると「Dunk」3.3kW(4.5馬力)、「PCX」9.2kW(12.5馬力)で2.79倍と排気量以上に差があります。
でも実際に乗り比べると、2.79倍以上のアドバンテージを感じることでしょう。
それは原付の3倍近いパワーを受け止める高いボディ剛性であったり、高い速度域でも対応できる足まわり(ホイールやブレーキ)やサスペンションの性能だったりと、車両全体が大幅グレードアップしているからです。
パワーやボディにゆとりが生まれれば、スロットル全開にしなくても無理なく加速できますし、長距離移動も疲れにくくなります。
このパワー感の違いを例えるなら
・動画再生でカクついたり、ダウンロードに時間がかかってストレスを感じるのが原付
・5G回線+高性能CPU+6Gメモリで爆速スマホが原付二種
というイメージでしょうか。(例え下手…)
原付には絶対に超えられない原付二種の壁、それは絶対的な「パワー」です。
その5 楽しい!
ひと昔前、原付二種といえば通勤やビジネスで活用されているイメージが強かったかも知れません。
しかし、最近ではスタイリングや性能にこだわって、メインバイクとしても楽しめる機種が増えています。
原付二種=セカンドバイクの時代は終わりました!
最近では原付二種でツーリングやキャンプを楽しんだり、更には日本一周の旅に出るライダーもいらっしゃいます。
もちろん、排気量50ccの原付でも出来なくは無いでしょうが、ココまで読んでいただいた読者の皆様なら、原付二種にすれば全て解決じゃん!と感じているのではないでしょうか。
どうですか?原付二種、最高だと思いません・・・?
あとは免許を取るだけ!
AT限定免許はいかが?
長距離ツーリングやサーキット走行など、がっつり楽しみたいなら普通二輪免許以上をオススメしますが、
移動手段やちょっとしたお出かけが主な用途であれば原付二種、しかも「AT(オートマチック)小型限定普通二輪免許」がベストチョイスかも知れません。
バイクの操作は両手両足を使うから「難しい」と感じるかも知れませんが、AT車(スクーター)はアクセルとブレーキだけの簡単操作。しかも原付二種はAT車が豊富にラインアップされています。
免許取得も簡単!
普通自動車免許を持っていれば、技能教習8時間+学科1時間のみで免許取得が可能。
最短2日でライダーに変身できます。
これなら、金曜日に仕事を終えて土日に免許取得、週明け月曜はいきなりバイクで出社!ワオッ♪というサプライズも可能です。(笑)
「免許欲しいけど、取りに行く時間がなぁ〜」って声もよく聞きますが、最短二日ですよ!
「せっかくだからマニュアルバイクに乗りたいし〜」って声もよく聞きますが、だったらAT限定免許取った後に”限定解除”を行ってみてはいかがでしょう?
免許取得というハードルが大きく下がった「AT小型限定普通二輪免許」で、お手軽原付二種スクーターライフを始めてみませんか?新しい世界が広がると思いますよ〜。
「AT小型限定普通二輪免許」取得費用
(例:埼玉県 レインボーモータースクール和光の場合)
普通四輪・普通二輪免許所持の場合:65,560円
最短二日の短期プラン:87,560円
免許未所持の場合:128,370円
※2021年4月1日現在
レインボーモータースクール和光 Webサイトはこちら
余談ですが…スーパーカブシリーズもAT免許で乗れちゃいます!
何はともあれ、「そうだ、バイク乗ろう!」と思ったのなら、いますぐ行動に移しちゃいましょう。
皆さんのバイクデビュー、待ってます。
二輪車免許の取り方を知りたくなったらこちら!(Honda公式サイト)
【文/井上修示(外部ライター)】
原付二種モデルの記事もご覧くださいっ!