夏のツーリングで汚れたライディングウェアをそのままにしていませんか?
今回は夏用メッシュジャケットの正しい洗い方について解説します!
一年で最も汗をかく夏はライディングギアも一番汚れている⁉︎
10年に一度の猛暑とも言われ茹だるように暑かった今年の夏でしたが、バイクで涼しい避暑地などにツーリングへ行かれた方も多いと思います。
そんな真夏の暑さも落ち着いてくると、夏用のライディングウェアもそろそろ秋冬ウェアへ衣替えする季節になってきます。
しかし、ライディングウェアは走行中に浴びる大気中の汚れや排気ガス、飛んでくるチリやホコリなどで、シーズンが終わると見た目以上に汚れているケースがほとんど。
毎日のように着る普段着とは異なり、着る機会が少なめなライディングウェアでも実はけっこう汚れているんです。
特に汗を大量にかいた夏用メッシュジャケットは、一年で一番汚れていると思ったほうが良いでしょう。
そんな夏季シーズンに着たライディングウェアを、そのままクローゼットへしまったりしていませんか?
夏季に着たライディングウェアは、そのまま放置せずにシーズンが終わったら洗濯やメンテナンスをしておきたいところです。
とは言え、そもそも「ライディングウェアってどうやって洗えばいいの?」と思われている方も多いかもしれません。
汚れが著しいウェアや、そもそも自分で洗い方がよく分からない場合は、街のクリーニング店に出すという方法もありますが、この場合は少し注意が必要です。
ライディングウェアはプロテクターが備わっていたり防水&撥水加工などが施されているものが多いので、“特殊な衣類”として扱われることが多く、費用が高額だったり、お店によってはそもそもクリーニングを受け付けてくれない場合もあります。
そんな時のためにも、ライディングギアを自分で洗濯できるようになっておくと、クリーニング費用も浮きますし何かと便利!
そこで今回は、ライディングギアの汚れ具合や状態別に、夏物ウェアのセルフメンテナンス方法を解説します。
自分でメンテ その①:汚れやすい部分を拭き取る
ライディングジャケットの汚れやすい部分って?
夏に数回着用した程度でライディングウェアの汚れが比較的軽い場合は、丸洗いせずにタオルなどで「汚れの拭き取り」を行うのが手軽でスムーズです。
今回は、ボディの大半部分がメッシュ生地になっていて、特に強度が必要な部分はテキスタイルになっているハイブリッドタイプのメッシュジャケットを使ってセルフクリーニングを試してみたいと思います。
まずは水気を固く絞ったタオルなどで表面の汚れを拭いて落としていきます。
ライディングジャケットが特に汚れやすい部分は、首元の汗が付着する「襟元」や、脇汗をかきやすい「両脇」、腕元の汚れが付きやすい「袖口」など、基本的には一般的な服と同じような部分が汚れやすいですが、ライディングフォームによっては背中部分にも汗が付着しやすいのが特徴です。
また、これらの汚れやすい箇所に加えて走行中風を受けるジャケットは、胸元を中心に排気ガスや大気中の塵やホコリなどでウェア正面が全体的に汚れているケースが多いです。
ちなみに、夏場にバイクに乗って長距離を走っているとヘルメットのシールドに虫汚れがたくさん付着していることってありますよね?ライディングジャケットも気が付かないうちにこれと同じような汚れが付着している場合が多いので、こまめに汚れを見つけて拭き取ります。
拭き取り作業が終わったら、ジャケットに対応した除菌消臭スプレーを吹きかけて保管しておくと良いでしょう。(※除菌消臭スプレーの種類によっては水洗い不可の表示があるものや防水加工など特殊加工されたものには使用できない場合もあります)
自分でメンテ その②:手洗いで丸ごと洗濯する
見た目はキレイでも実はけっこう汚れている⁉︎
続いては、ウェアの汚れが著しい場合や来シーズンまで長期間保管する場合などで、ライディングウェアを「丸洗い」するやり方について解説します。
特に汗を頻繁にかく夏のシーズンに着用したライディングウェアは、見た目はそれなりに綺麗に見えてもかなり汚れてしまっているケースが多いので、そのままクローゼットなどにしまわずに綺麗にメンテナンスしておくのがベター。それに、しっかりメンテナンスしておいた方が、次に使うときにも気持ちよく着用できます。
まずは標準装備されているプロテクター類を全て取り外しておきます。
ライディングウェアは「手洗い&陰干し」が基本!洗濯表示に従って優しく洗おう
ウェアの種類にもよりますが、一般的なライディングジャケットは手洗いであれば丸ごと洗濯することが可能なものがほとんどです。
自分のライディングジャケットが洗濯できるかどうかは、裏地に付けられている「洗濯表示」をチェックすれば確認できます。
今回、セルフクリーニングするメッシュジャケットにはこのような「ISO洗濯表示マーク」が付けられていました。
洗濯表示マークだけではちょっと分かりにくいものもあるので、それぞれのマークの補足説明を見てみるとこのようになります。
このメッシュジャケットは「漂白剤」や「タンブル乾燥」「アイロン掛け」「ドライクリーニング」などが不可になっていますが、「手洗い可能(微温湯)」で、「自然乾燥の吊り陰干し」が推奨されています。
また、洗濯タグには、ISO洗濯表示マーク以外にも、文字で書かれた洗い方の注意点などが付けらている場合もありますので、その他の注意表示もチェックしておきましょう。
それでは実際にメッシュジャケットを微温湯で手洗いしていきましょう。
手洗いできるくらいの大きさのバケツに、そのウェアの洗濯が可能な洗剤を投入します。
他の洗濯ものへの色移りなども考慮してジャケット単体で洗うのがおすすめです。
40℃以下のぬるま湯で洗剤と一緒にウエアに付着した汚れを優しく揉み洗いしながら洗い出しましょう。
特に先ほど紹介したライディングジャケットの汚れやすい部分を中心に首元や手首の裾などを優しく揉み洗いするようにします。
今回のジャケットは7月〜8月後半のサマーシーズンに3〜4回程度着用したメッシュジャケットでしたが、手洗いした後のバケツの汚れを見てみるとかなり黒ずんでいました。
洗う前のジャケットの見た目はそれなりに綺麗に思えましたが、汗や皮脂汚れなどで目には見えにくい汚れがけっこう付着していたんですね。
洗濯汚れの水を換えて、汚れが落ちるまで洗ったら、洗剤の泡がなくなるまで数回、濯ぎ洗いをします。
脱水はウエアの生地を強く絞らないように、優しく水分を落としてハンガーに吊るします。
ライディングウェアは、基本的に脱水機や乾燥機の使用ができませんので「日陰でドリップ干し」をして乾かせます。
ベランダなどでポタポタと水滴を落としながら自然乾燥させましょう。これでライディングウェアの洗濯は一旦終了です。
陰干しで乾いたら来年の春夏シーズンまで大切に保管
水滴を落としながらの自然乾燥になりますから、乾かすのに少し時間がかかるかもしれませんが、ウェアが自然に乾いたら取り込んでOK!
これで今シーズンに着た夏物ライディングウェアが綺麗になりました!
どうです? 思っていたより簡単そうですよね!
特に難しいことは無いので、皆さんも是非やってみてください。綺麗になった夏物ライディングウエアは来年までしっかり保管して、来シーズンもお気に入りのウェアでバイクライフを楽しんでくださいね!
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】
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