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伊藤真一のロングラン研究所 最新ウエアレビュー

今回は特別編「冬のウエア特集」と題して、伊藤さんがホンダの最新ウエアをレビュー。プロレーサー目線で徹底評価しました。

(プロフィール)
伊藤真一(いとうしんいち)
1966年、宮城県生まれ。1988年、国際A級に昇格と同時にHRC ワークスチームに抜擢される。以降、世界ロードレースGP(MotoGP)、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。2025年は監督として「Astemo Pro Honda SI Racing」を率いて、全日本ロードレース選手権や鈴鹿8耐などに参戦する。

“伊藤真一流”ウエア選びのポイント

バイクウエアで一番大事なのは、やはり安全性だと思います!

「ロードレース用のライディングギアと、公道でバイクライディングを楽しむためのウエア選びは、評価の仕方や選び方が変わってきます。でも安全性が何より大事なのは、どちらも一緒だと思いますね。レースを始める前…10代の初心者の頃は、整備用の布ツナギを着て地元宮城の蔵王を走り回ったり…(苦笑)。お金がなかったこともありプロテクターまで気が回りませんでしたが、そのために結構な大怪我をしたりしました。当時、現代のウエアみたいにちゃんとしたプロテクターを備える製品を着用していたら、あんな怪我をすることなかったのに…と思います。
仕事や趣味のツーリングなどで、かなり多くの数のライディングウエアを今まで着ていますが、近年の製品はプロテクターが着用感や運動性を損ねることが本当に少なくなりました。プロテクターがウエアのシルエットを崩すこともあまりなく、機能的にもデザイン的にも進歩していることを、誰もが体感できると思います」

プレストライダースジャケット

スポーツモデルにピッタリのHRCロゴが映える一着!

ホンダのモータースポーツ活動を統括するHRC(ホンダレーシング)のロゴをあしらったスポーティなデザインの定番ジャケット。

通常のナイロンの約7倍の強度をもつコーデュラ素材を要所に配することで、ライディングジャケットで重要な耐久性を確保。プロテクション性能を保持させつつ、スポーツライディング時に求められる身体への追従性を与えるために、各部にストレッチ素材やストレッチパネルを採用。肌に触れる部分には摩擦を軽減するネオプレーンを使うことで、快適な着心地を実現。機能性を満たしながら、スタイリッシュなシルエットを保つことにも成功している。

「一番気に入った点は、とても軽く仕上がっていることですね。プロテクション性能に重きを置くウエアは重くなりがちですが、着心地が軽いので長時間着用しても疲労が少ないのではないかと思います。袖のベルクロベルトは調整しないまま袖に腕を通すと、走行時のバタつきが結構気になります。この箇所は得に、しっかり調整した方が良いですね。軽くて良い、と言ったことと反するかもしれませんが、標準のプロテクターは安全第一でもっとしっかりした樹脂製のものでも良いかも? とも思いました。胸部プロテクターをオプションで選ぶことができるのは、とても良いことだと思います」


プレストライダースジャケット
価格:3万3000円~3万4100円
カラー:トリコロール、ブラック、シルバー
サイズ:S、M、L、LL、3L、4L

袖、袖口、ウエストはベルクロベルトによって、無段階で絞り量の調整が可能。しっかりと身体にフィットさせることで、風によるバタつきを防ぐことができる。


袖口は、親指を通せるデザインになっている。袖口が捲れることを防止し、風の侵入をシャットダウンする仕組み。着脱式の保温インナージャケットは、単体で使用することも可能。「撮影日は秋晴れで、20数度の気温ではインナーが暑く感じました。寒い冬には、効果を発揮しそうですね」


両肩、両肘、そして背面にプロテクターを標準装備。オプションの胸部プロテクターを取り入れ、更に安全性を高めることも可能だ。


最初期のHRC時代から、ロードレースの世界で活躍する伊藤さん。「昔を知る自分には、最新のHRCロゴが新鮮に思えますね」


ザイオンライダース ジャケット

女性サイズ(WM)設定もあるソフトシェル採用ジャケット


ほど良い厚みのストレッチ素材を採用することで、柔らかい着心地を具現化したシンプルなデザインのソフトシェルジャケット。着脱式インナーを外して着用した場合に、肌に触れるアウターの裏地には、サラッとした着心地を提供するメッシュ素材を使用。安全のためのプロテクターは、両肘、両肩、背面に標準装備。オプションで、胸部プロテクターも追加することが可能だ。

「他ブランドに比べると、ホンダのウエアはいたずらにその時の流行を追わないデザインのものが多い印象があります。ある意味オーソドックスな色や形なので、長年着ていても違和感ないのが良いところなのかも? と思ったりします。このジャケットもそんなホンダのウエアらしいというか、奇をてらわないデザインです。着心地、フィット感、重さなど、いずれも好ましく感じました。個人的な感覚ですが、ライディングジャケットのポケットにはあまり物を入れない方なので、ポケットは胸に1つあれば良いかな、と思っています。ポケットに物が入っているとライディング時に気になったり、ウエアのシルエットが崩れる気がするので……。ただ、ポケットが多くて収納力高い方が好みという人も、結構多いですよね? そういう方にとっては、このジャケットのポケットは高く評価されそうだなと思いました」


袖、袖口、ウエストにはライダーの体へのフィット度を調整するための、アジャスターを備えている。なおアジャスターの固定方法は、ボタン式となっている。


この「ネイビー」のようにシックな色合いのウエアは夜間視認性が明るい色合いより劣るが、ホンダ製ジャケットはいずれも反射材を各所に配置するので夜も安心だ。


両肩のパッドは全体が裏地に縫い付けられていないので、ある程度自由に動くことで乗り手の肩へのフィット感を高めている。その作りに、伊藤さんも感心しきり。


ザイオンライダース ジャケット
価格:2万6400円~2万7500円
カラー:グレー、ネイビー、ブラック
サイズ:WM、M、L、LL、3L


「親指を通せるのは、スノボ用ウエアとかでも流行ってますね。ただ自分は掌とグローブの間に何かあるのが違和感なので、通しませんけど(苦笑)」と伊藤さんはコメント。着脱式のインナーは単独でも使えるデザインになっており、3シーズンを通して使えるのも大きなセールスポイントです。


スタジアムジャンパー

学生時代の80年代を思い出してしまいました


「スタジアムジャンパーは、自分が学生だったころに流行りましたので懐かしく思えました。今の自分の年齢だと、ちょっと若ぶっているみたいで気恥ずかしさあります(笑)。初のホンダ製オフロード用2ストロークであるエルシノアがデビューした、72年当時のウイングマークのデザインがレトロで良いですね。スタジアムジャンパーは重くて着ていて暑そうな印象がありましたが、この製品はそのようなことがなくて、とても着やすかったです」


スタジアムジャンパー
価格:2万8600円/2万9700円
カラー:ネイビー、ブラック、レッド
サイズ:S、M、L、LL、3L、4L


ボディ部はウール混メルトン生地、袖は厚手のボンディングスウェット生地を採用。ネック、袖口、裾はリブ仕様になっており、着心地の良さとライディング時の運動性の良さを両立させている。


ファスナーには取っ手となるコードが付いており、グローブした手でも開け閉めが簡単!

 


プロテクトソフトシェルパーカ

オールマイティに使えて、便利な一着と思いました


「山登り用のソフトシェル同様、ファスナーはちゃんと止水タイプが使われているんですね。自分の年齢的にも合ってると思えるデザインで、今回の5着のなかでは一番気に入りました。特に気に入ったのは、手首まわりが柔らかいところです。手首まわりが突っ張る感じの他社製品もあったりしますが、このソフトシェルパーカはそんなことなく、ライディングしやすかったです。前腕部のバタつき防止用アジャスターの出来も良かったです」


プロテクトソフトシェルパーカ
価格:2万6400円~2万7500円
カラー:シルバー、オリーブ、ブラック、バサルトグレー、レッド、ベージュ
サイズ:WM、WL、S、M,L、LL、3L


ライディング時に風を受けるのを嫌い、フード付きのジャケットを敬遠するライダーは多い。この製品はフードの脱着ができるのも、特徴のひとつだ。


脱着可能な保温インナーを装備。インナーとアウターの間には、各種プロテクターが配置されている。



防風ライディングパーカ

普段着でもイケるカジュアルさがいいですね


「この一着はGB350シリーズやレブルシリーズなど、街乗りも楽しめるモデルに似合う製品ですね。男性はもちろん、女性ライダーには特に受け入れられるデザインと思いました。パーカはあると便利な一着ですね。自分も特にパーカ好きというわけではありませんけど、夏以外はとりあえずこれで良いか? という感じでいつも着用しています(笑)。街着風なアイテムに見えて、プロテクターをしっかり備えているのも良いです」


防風ライディングパーカ
価格:1万9800円~2万900円
カラー:ブラック、グレー、レッド
サイズ:S、M,L、LL、3L、4L


袖に親指が通せる仕様となっている。なお裏地はキルティング。中綿入りなので防寒性にも優れる。


他のホンダ製ジャケット同様、両肘、両肩、背面にプロテクターを標準装備(オプションで胸部も追加可能)。街着として着用できるカジュアルなデザインながら、しっかり安全性が確保されている。


プロテクトウインターショートグローブ

防寒と安全性を両立した製品


透湿防水グローブインサート「HiPORAR」を内蔵した、ショートタイプのウインターグローブ。手を守るために、内蔵式ナックルガードを装備。運動性に優れる3Dカッティングで作られており、指先にリフレクタープリントを採用することで夜間被視認性を高めている。


プロテクトウインターショートグローブ
価格:6930円
カラー:グレー、レッド、ブラック
サイズ:S、M,L、LL、3L、4L


人差し指と親指には、スマホ操作可能な特殊皮革を採用。掌には転倒時の衝撃を逃す、スライダーが備わる。


カーボンプロテクトグローブ

強靭な作りの秋冬用グローブ


防御性と耐久性を追求した秋冬用グローブ。夜間の被視認性向上のため、指先にリフレクタープリント、透湿防水グローブインサートである「HiPORAR」を内蔵、3Dカッティング、そしてスマホ操作のための特殊皮革の使用など、フルスペックな作り込みが魅力の製品だ。


カーボンプロテクトグローブ
価格:8140円
カラー:レッド、カーキ、ブラック
サイズ:M、L、LL、3L


軽量ながら、高い防御性を有するカーボンナックルガードを採用。掌にはゴートレザーを使用するとともに、転倒時の衝撃を逃すスライダーを装着。


TEXT:宮﨑健太郎 PHOTO:南 孝幸
*当記事は月刊『オートバイ』(2025年12月号)の内容を編集・再構成したものです。

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