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1000ccスーパースポーツは手に負えない……だけど『本物の走り』は諦めたくない! だったらコレがおすすめです!【Hondaの道は1日にしてならず/Honda CBR600RR 試乗インプレ 前編】

バイクはやっぱりスーパースポーツに乗りたい! でもサーキット通いする訳じゃないし、実際問題として『CBR1000RR-R』のような1000ccスーパースポーツはちょっと手に余る……そんな人に一度乗ってほしいと思うバイクがこちらです!

最高峰の1000ccスーパースポーツには憧れるけど……

バイクはやっぱりスーパースポーツ! レースの最前線で活躍する最高峰のマシンに憧れる人は多いと思います。

なかでも今年2025年の鈴鹿8耐を含め、4連覇を達成しているHondaの1000ccスーパースポーツ『CBR1000RR-R』(鈴鹿8耐でHonda HRCが走行した車両は CBR1000RR-R SPです)は、その事実が示すとおり最強バイクの一角と言って間違いないでしょう。

だけど……

Honda HRC/CBR1000RR-R SP

現実問題として『ソレ』を買うかどうかは別問題……だってCBR1000RR-Rで言えば最高出力は実に218馬力! さらに車両重量は高性能サスペンションが装備されたSP仕様でもたった201kg……パワーウエイトレシオで言えば1.0(!?)以下です。

制限速度のないサーキットに通うならば話は別ですが、そのパフォーマンスは一般公道では存分に発揮させられるものではありません。つまりはせっかくのマシンスペックを出し切る場所が少ない場合も多いのです。

もちろん、その存在を否定するつもりは無いですけど『現代のリッタースーパースポーツの性能』は、もはや公道には収まりきらないほどに進化しているのも、ひとつの事実です。

それでも『スーパースポーツ』が好き!

けれどバイクの趣味なんて人それぞれ。到底扱いきれるものじゃないと頭でわかっていても、それで『本物への憧れ』が消える訳じゃありません。

そういう人に私(北岡)が今回、体感した600ccスーパースポーツ『CBR600RR』のお話をしたいと思います。これ……スペック表の数字からじゃ見えてこないことだらけの『本物のレーシングマシン』だ!?

今回乗ったのは2024年2月に発売された現行モデル。実はCBR600RRってHondaの『CBR-RR』シリーズの中でもかなりタイトにまとめられていて、車体寸法で言えば250ccの「CBR250RR」よりも全長や全幅はコンパクトにまとめられています。

なので見た目のサイズとしては「安心」のはずなんですけど、なんというか……

『圧』がスゴい(笑)

実車を目の前にすると、これが『普通じゃないバイク』だということを本能的に悟らされます。

CBR1000RR-Rとこのバイクだけが主張することを許された『HRC』のロゴは伊達ではないようです。なにせウイングレットですからね……一般的な感覚でいう「普通のバイク」にはウイングレットってついてないものでしょう?(汗)

そして、その『普通じゃない』は走り出す前から襲ってきます。

まずCBR600RRはサイドスタンドを払うために車体を起こす瞬間から『なにこれっ!?』とあまりの軽さに驚くことになるんです。

車両重量は193kgなのですが、体感としては250ccクラスの引き起こしの軽さ……実際の重量よりも圧倒的に「重量感」が無い!? こういうのは実車に触れてみないとわからないことですが、それにしたって衝撃を受けます。

でも小さくて軽いのはやっぱり安心感……なのですがっ!

そこはやはりサーキットでコンマ1秒を削ることを目指して開発されたスーパースポーツです。ご覧のとおりに乗車姿勢はきっちり前傾姿勢!

ただし跨ってみると「恐れるほどではない」というのが正直な感想だったりします。間違いなくコーナリングを突き詰めるためのハンドルの低さ&ステップの高さなのですが『こんなの運転できる気がしない!?』とはならない。

初見では「スーパースポーツとしては優しい」とか「これならツーリングもできそう?」と感じたのは事実。はじめてこのバイクに跨ったら、私じゃなくてもそう感じる人はたくさんいると思います。

すべてにおいてレベルが違った……

ということで、走り出す前から心をヘシ折られることもなく『これならイケる!』 という気分にさせてくれるCBR600RRだったのですが……

異次元、でした。

しかもその異次元はクラッチをつないで走り出した直後から連続するんです。何をしても、すべてにおいてレベルが違う。いや……精度が違うと言ったほうが近いかもしれません。

その走り、そのパワー。スペック表を眺めているだけじゃわからないこと。それを【続編】でお話したいと思います。

CBR600RRは600ccだから、よく『ミドルクラス』なんて言われますけどね……

物差しが違うというか、このバイクを排気量で区分けするのって完全に無意味なのでは!?

【文/北岡博樹(外部ライター)】

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