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バイクの『正しい乗車姿勢』ってどんなもの? 安全で楽しく乗れる「3つの基本」を解説します!【バイクライフ・ステップアップ講座/正しい乗車姿勢とは】【Safety】

バイクは正しい乗車姿勢で乗ることで、安全で疲れにくくなるだけでなく、もっと快適に楽しく走ることができるようになります。
では、正しい乗車姿勢とはどんなものなのでしょうか?

バイクがもっと楽しくなる「正しい乗車姿勢」とは?

間違った姿勢のまま気が付かずバイクに乗ってしまっているライダーって、意外に多いかもしれません。

自分なりにラクな姿勢の方が疲れにくそうに思えますが、実はバイクに乗るうえではむしろ逆。
間違ったままの乗車姿勢を続けていると、うまくバイクを走らせられないだけでなく、ライディングスキルも上達しない。あまつさえ、万が一の時などの安全面にまで影響してきます。

今回はバイクを操るライディングテクニックではなく「バイクの正しい乗車姿勢」とはどういったものなのかを解説してみたいと思います。

まずはこちらの写真、左がNG姿勢、右が正しい姿勢です。

左右の走り方で、どこが問題なのかわかりますか?

左は足のつま先や膝が開いてしまっているため、ライダーはバイクの加速・減速に対してハンドルで体重を支えるしかないため、ハンドルを持つ腕にも力が入っています。

対して右は、足のつま先や膝が閉じていて、自然にタンクを下半身でホールドできています。そのため上半身をリラックスさせることができ、ハンドルを持つ腕にも余裕が生まれています。

それぞれの姿勢を横から見てみましょう。

足のつま先や膝が開いたNG姿勢では、ハンドルで体重を支えるために腕が突っ張ってしまい、ガッチガチの印象。これでは柔軟にバイクの操作ができません。

足を開いていない正しい乗車姿勢では、自然な二―グリップで、下半身で体重を支えることができるため上半身に力みが無くなります。
そうやって上半身がリラックスできる状態を作ったうえで、すこし上目使いになるように顎を引き、やや前傾姿勢になるように背筋を少し屈めます。

こうすることでハンドルを持つ手に余裕ができ、腕が突っ張らないようになるため、バイクの運転もスムーズに行えます。

ライダーとバイクが接するのは「掌」「お尻」「足」の3ヶ所だけ

バイクの正しい乗車姿勢を保つには、ライダーの身体とバイクが接する「掌」と「お尻」、ステップに置いた「足」の位置の3ヶ所を意識すると良いでしょう。

こうすることで、車種やカテゴリー別の理想的な三角形が生まれます。

それでは「掌」「お尻」「足」の3ヶ所の理想的な乗車位置を見ていきましょう。

【シートの座る位置】

シートに座る位置は、前すぎず後ろすぎず、バイクの中心に座るようにします。

バイクの中心を確かめるには、両足を着いて左右均等な位置に座れているか確かめてみましょう。

バイクは信号待ちなどで、片足を着いて停まったりするので、意外と中心に座っていないまま走っているケースが多いんです。

シートに座る位置の「前後」に関しては、車種にもよりますが、イメージとしてはタンクと股の間が「拳1つ分」くらい空いているのが理想的な乗車位置とされています。

タンクの前に拳をあててみて、自分が今座っている位置にどのくらいの隙間が空いているのか確かめてみましょう。
バイク初心者の人の場合は「前に座り過ぎていないか」を確認するところから始めてみると良いと思います。

バイクはブレーキングの減速Gや信号待ちなどで足を着く時に、知らず知らずのうちに前乗りになっていることが多いので、走行中は意識してシートの座る位置を確かめてみましょう。

①の写真はシートの中心より前側に座りすぎです。②は拳ひとつぶん程度の感覚を開けて座った位置。③は思いっきりシートの後ろに座った位置です。

体格にもよる部分はありますが、この3パターンの座る位置だけでもバイクのハンドリングは大きく変わります。ワインディングなどを走っている時に、座る位置を意図的に変えてみると、それだけでもバイクの動きが変わることが体感できると思うので、自分にとって運転しやすい着座位置を探してみてください。

【ハンドル位置】

腕が突っ張って、上半身が緊張してしまっている状態はNGです。

この姿勢だと、知らず知らずのうちにライダーはハンドルを押すように抑えてしまうので、バイクが曲がろうとするのを邪魔してしまいます。

CB250Rのようなネイキッドタイプのバイクは、すこし前傾姿勢になるようにライディングポジションが設計されているので、身体をやや屈めることで、肘が軽く曲がり、ハンドルを持つ手にも余裕が生まれます。

正面から見ると、ハンドルに伸ばした手がこのようなたまご型になっているのが理想的です。

【ステップ位置】

ステップに置く足の位置は、基本的には土踏まずに置いてつま先を閉じます。

また、急な飛び出しなどにも対応できるように、リアブレーキをいつでも踏めるような位置につま先を置いておくと良いでしょう。

つま先を閉じることで自然と足も閉じてくれるので、膝でタンクをホールドしやすくなります。

こうすることで、下半身でバランスが取りやすくなるだけでなく、上半身をリラックスさせることができるのです。

教習所などで「ニーグリップ」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これを試してみるだけで乗車姿勢が見違えるように美しくなるだけでなく、ライディングの上達や安全走行にも繋がります。

レバーやペダルなどは体格や長さに合わせてアジャストできる

また、バイクはライダーの体格に合わせて、レバーやペダル類のアジャスト(微調整)が可能です。

バイク初心者の頃に自分でやるとなると、少々難易度が高いと感じるかもしれませんが、まずはこういう箇所が微調整できるということを覚えておいてください。

【クラッチレバー】

まずはクラッチレバーの「遊び調整」です。

クラッチの遊び調整とは、クラッチの握り幅やクラッチが切れるまでの距離を調整する作業です。

クラッチレバーのゴムカバーを外すと2つの調整ネジが現れます。

一般的なバイクは①と②のネジを回すことで、クラッチワイヤーの長さや引っ張り具合(遊び)が調整できるようになっています。

ペンチで②のネジを少し緩めたら、①のネジを回しながら調整していきます。

車種によってはダイヤルを回すだけで手軽に調整ができるモデルもあります。

【シフトペダル】

ギアチェンジをするシフトペダルの角度(高さ)調整も可能です。

ステップに足を置いた時に、ペダル操作がしやすいように調整します。

今回のCB250Rは「シフトロッド式」になっていてリンクで繋がっていますが、シフトロッドを持たない「ダイレクト式」のシフトペダルを採用しているモデルもあります。どちらも調整は可能です。

シフトロッド式の調整は矢印の部分のロックナットを前後2ヶ所緩めます。

後ろ側のロックナットとアジャスターはこの位置にあります。

ロックナットを緩めたらスパナを使ってアジャスターロッドを回しながら調整していきます。

こうすることでペダルの先端が上下するので、適正な位置で再び固定します。

【リアブレーキペダル】

シフトペダル同様、リアブレーキのペダルの角度(高さ)も調整できます。

ブレーキペダルの先端につま先を置いた時、自然にブレーキペダルを踏める位置に調整します。

リアブレーキペダルの調整は右側のフットステップの奥側にある矢印の部分で行います。

下側がロックナット、上側がアジャスターナット。この2つのナットで調整できます。

ロックナットを緩めたら、アジャスターナットをスパナで回しながらペダルの高さを調整します。

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【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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