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ベテランライダーが感じた『CL500』の魅力。「これは理想のストリートバイクかもしれない」

乗ってみたらメチャクチャに面白いバイクってありますよね?
CL500ってそういうバイクだと思います。
ある意味、とても通好みな1台。
だったらベテランライダー達に乗っていただいて、率直な意見をお聞きしてみようというのが今回の企画です。

バイクを知り尽くしたベテランライダー

佐藤登志雄さんは、80年代後半に筑波サーキットで行われていたプロダクションレースで常勝を誇っていたライダー。
名門チームに所属していたこともありました。
現在はビッグネイキッドでツーリングを楽しんでいて、年に数回ミニバイクの耐久レースに出場しています。

太田克美さんは90年代からビックネイキッドを乗り継いできたライダー。
ツーリングやカスタムを楽しんできました。

2人ともCL500は見るのも乗るのも今回が初めて。
お話をうかがうのはライターの後藤です。

ベテランライダーが絶賛するCL500 のハンドリング

後藤以下後)CL500に乗ってみていかがでした?

佐藤(以下佐) ハンドリングが良いですよね。フロントの19インチのフィーリングがストリートで光っている感じです。サスのストロークが長いからどんな感じなのかと思っていたけれど、走ってみたらこのサスがまたとても良かった。

 確かにサスの動きは良いですよね。

 すごく良く動きます。フロントの動きなんて感動しました。

太田(以下太) ヒラヒラと走ることができるところが気に入りました。サスも良く動くからパワーかけたらリアが沈んでグッと踏ん張ってくれる。ストリートを普通に走っているだけなのに、そういう動きが感じられるのがまた良い。

 ロードバイクなんだけどオフロードバイク的な軽さがありますよね。自分もCL500に乗ってみて、最近のオンロードバイクにはない魅力的なハンドリングだと思いました。

 車体が数値以上に軽く感じるとこも良いですね。大型のバイクとは思えない軽快さですよね。

 車体の寸法はCL250とほとんど同じです。車重が20kg重いだけ。それでパワーは2倍近くあります。だからスロットルやブレーキといった加減速の姿勢変化を利用して車体の動きをコントロールする楽しさもありますよね。

 乗り心地も良かったですね。あれで林道とかも走れてしまうのかな。

 以前少しだけ走ったことがあるけれど意外に走れますよ。

 今回は街しか走っていないですけど、あのセミブロックみたいなタイヤってグリップはどうなんでしょう?

 ワインディングくらいだったらまったく問題ないです。ブロックタイヤが滑るのって、グリップよりもブロックがコーナーリングのGで変形することで滑るような挙動が出るからだと思いますが、CLのタイヤはサイドの剛性がしっかり確保されたデザインだからバンク角が深くなっても腰砕け感もありません。

 表皮がタックロールになっていますよね? ブレーキしたときもお尻が滑っていかなくて良いなと思いました。

 シートは座面が広くて、とても好感が持てましたね。

 でもちょっと硬めじゃないですか。長距離走った時はどうなんでしょうね?

 オプションでスポンジの厚いシートも用意されているので、足つきが気にならないのならそちらをつけても良いかもしれませんね。

 是非そっちのシートで乗ってみたい。それと個人的にはステップをあと2センチくらい後にしたいかな。ポジションも足つきもそっちのほうが良くなりそう。

 そうなんですよね。最初に走り出して足を降ろした時、ステップが足に当たるなと思いました。

 慣れれば気にならなくなるでしょうけど。

 そうですね。自分はまったく気になりませんでした。それにしてもベテランはやっぱり細かいですね(笑)2センチですからね。

扱いやすくて十分なパワーのあるエンジン

 エンジンはいかがでした?

 すごくスムーズで扱いやすいんだけど、低中速からスロットルを開けた時に良い感じのパワーが出ますね。排気音も心地良い。

 すごくトルクがありますよね。低いギアで加速しようと思ってスロットル大きく開けた瞬間、フロントが浮き気味になねくらいなんですよ。250とは全然違う。回転を落としてもギクシャクしないし高回転でも気持ちよく伸びていく。このエンジンはとても気に入りました。

 今回測っていないけど燃費がメチャクチャ良さそうですよね。最新のビックバイクに色々乗っていますけど、意外に燃費が良くないバイクが多いんですよ。

 カタログデータだとWMTCモード値(実走行に近い測定方法)で27.9km/L になっていますね。

 良いですねえ。

 パワー的には十分ですか?

 ボクは十分です。

 現状でもとても良く走りますけど、贅沢を言えばボクはもう少しパンチがあっても良いかな。でももしこのバイクを買ったらファイナルを少しローギアードにするだろうから、それだけでずいぶん低速は元気に走りそう。

 でもそうすると高速道路などのツーリングで回転が上がってしまいますよね?

 ボクはそういうのが好きなんですよ。現状だとどこを走っても無難な感じの設定じゃないですか。

 ストリートやワインディング重視のファイナルにするということですね? いかにもプロダクションレースで活躍した佐藤さんらしい考え方だ(笑)

CL500は街乗りに最適なバイク

 ちなみにベテランライダーのお二人にCL500ってアリですか?

 アリです。街乗りが中心でショートツーリングとか楽しむのだったらとても良いバイク。シートがフラットで荷物が積みやすそうだからツーリングでも使いやすそう。一泊ツーリングでワインディングを楽しんで帰ってくるとかやってみたい。

 ボクもアリです。今回街を走ったけれどとにかく乗りやすい。エンジンのトルクがあるので乗っていても楽だし、通勤や買い物とかどんな用途でも使いやすそうです。

 なんとなくお二人と話をしていてCL500ってハンターカブ的な良さもあるのかなと思ってきました。何にでも使えて乗りやすくて趣味性も高い。

 確かに。なんかそういう感じ、少しありますね。

 ちなみに先程ステップ位置のことが出ましたけど、他に気になる点はありましたか?

 メーターがもう少し見やすい位置にあるといいかなあ。前を見ていると視線をけっこう下にずらさないと見えない。

 マフラーの位置を少しだけ下にしたら雰囲気良くなりそう。パーツメーカーさんが作ってくれるだろうけど。

 やっぱりベテランは油断すると話が細かいところや個人的な好みに行きがちですね(笑)

 僕は気にならないですけど、250のように見えてしまうところを気にする人はいるかもしれませんね。大型だということをまったく強調していないから。

 500ってバイクのどこにも書いていないですもんね。エンジンの大きさ見ないと250と見分けがつかない。最初に後藤さんが乗ってきたのを見た時「え、これが500?」って思ったくらいです。

 「排気量を気にするんじゃなくてバイクの本質的な楽しさで判断しようよ」っていうメッセージなのかもしれませんね。不必要に大きくないのがこのバイクの良いところでもある。でも同じ外観なら250でいいやってことにはなりませんよね? そっちの方が維持費は安いですが。

 今の車格とパワーのバランスがとても良いからボクは250を選ぶことはないですね。500だからトルクがあって気持ちよく走れる。

 あの排気量帯で大人のライダーがサラッと乗れて、しかも走りを楽しめるバイクって意外にないんですよね。CL500って、とってもよいところをついているバイクなんじゃないかと思います。

 僕らよりも一世代上のライダーにも乗ってみて欲しいと思いますね。パワー、車格、ポジション、扱いやすさのバランスが素晴らしいし、趣味性も高いじゃないですか。軽いバイクに乗りたいけど走りの楽しさはゆずれないという人たちにはかなりハマるんじゃないですか?

「これでいい感」があるバイク

今回の対談には加わっていませんが、別のライダーがCL500に乗ったときの印象も付け加えておきましょう。

菊地さんは、ガッツリ走るというよりもバイクとライトな付き合い方をするライダー。
16年前に大型二輪免許を取得しましたが、ここ数年はバイクから離れていました。
最近またバイクに乗りたいと思っているようです。

「カジュアルなウエアが似合うスクランブラータイプのデザインは好みです。サイズ感もパワーもちょうど良いですよね。どこを走っても乗りやすくてストレスがない。「これでいい感」があります。そういえば首都高速と中央高速の両方で料金所の人から「やっぱりCLは500の方がいい?」って聞かれました。ベテランライダーがCL500に興味を持ち始めているのかもしれません」

最近は大型バイクの中でも650から800くらいの排気量帯の人気が高くなってきています。
手頃な車体サイズで楽しく乗れるバイクが求められるようになってきた結果、ダウンサイジングされてきたのだとしたら、CL500って実は一歩先をいっているバイクなのかもしれません。

この記事を読んで気になった方、ぜひ一度試乗してみてください。
ちなみにライターの後藤も、ここ数年登場したバイクの中でCL500が一番のお気に入りです。

【文/後藤武(外部ライター)】

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