モデルチェンジで新しいエンジンが搭載された『クロスカブ110』の装備や解説に加えて、実際に走ってみての燃費や跨ってみての感想など、基本情報をお伝えします!
CROSS CUB 110(2022)
スーパーカブ110をベースに遊び心を刺激するスタイリングにアレンジされたクロスカブ110。
初代モデルは2013年に初登場し、ストリートやアウトドアスタイルを取り入れたクロスオーバースタイルのカブとして、本家のスーパーカブ110に匹敵する人気を獲得しています。
2018年にレッグシールドなどを排してフルモデルチェンジされ現在のスタイルに。そして今回、2022年モデルとして新設計のロングストロークエンジンを搭載し、前後キャストホイール化やブレーキの刷新などを受けています。
2022年モデルでは写真のマットアーマードグリーンメタリックのほか、パールディープマッドグレー、プコブルー、グラファイトブラック(くまモン バージョン)の4色のカラーバリエーションを展開しています。
また、原付二種バイクとして現実的に手の届きやすい価格設定も魅力のひとつです。
クロスカブ110|メーカー希望小売価格 363,500円(消費税10%込み)
クロスカブ110・くまモン バージョン|メーカー希望小売価格 374,000円(消費税10%込み)
クロスカブ110のライディングポジションや足つき性は?
スタンダードのスーパーカブ110より、アップライトなハンドルとやや肉厚になったシートに加え、少し長めのサスペンションストロークもあり、ライダーのアイポイントが高く、広い視野が確保できるため安心感が感じられます。
乗車姿勢も背筋の伸びた快適なポジションで、車体はコンパクト&スリムですが身長176cmのライダーが乗っても窮屈さを感じることはありません。
クロスカブ110のシート高は784mmで、スーパーカブシリーズでは少し高めの設定ですが、176cmのライダーが跨ると両足がカカトまでしっかり着き、膝が軽く曲がるほどの良好な足つき性です。
足つき性に多少の不安を感じる小柄な体格の人でも、重量が107kgしかないので扱いに不安を感じることはないでしょう。
バイクを降りた状態での取り回しもイージーそのもの。取り回しの不安感とは無縁のバイクです。
クロスカブ110の燃費は?
今回はトータル167.3kmの距離を走って、合計ガソリン給油量は3.34Lでした。
使用燃料はレギュラーガソリンです。
満タン法で計測した燃費はガソリン1リットルあたり50.09kmという、かなり良好な数字となりました。
燃料タンク容量は4.1Lとやや少なめに感じますが、計算上は200km以上の航続距離となるためツーリングでも不便を感じることはありません。
クロスカブ110の主要装備解説
スーパーカブシリーズのフロントサスペンションと言えば、長らくボトムリンク式のサスペンションが採用されていましたが、クロスカブ110はテレスコピックタイプの正立サスペンションを採用しています。
アンダーブラケットのみでフロントフォークを保持するユニットステアになっていて、タイヤはフロント&リア共に17インチのセミブロックタイプ。
今回のモデルチェンジにおいて前後ホイールにキャストホイールを新採用しています。また、ドラムブレーキからディスクブレーキに進化し、フロントにはABSが搭載されました。
サイドカバーにはモダンなデザインでクロスカブのコンセプト「CC110 THE CROSSOVER A LIFE AND PLAY」のデカールがお洒落感。
このサイドカバーはコインでも開けられるプラスネジになっていて、開けると車載工具などが格納されています。
サイドスタンドとセンタースタンドが両方 標準装備されているのが嬉しいポイント。センタースタンドはメンテナンス時や坂道での停車にも非常に便利です。
頻繁にチェーンをメンテナンスしなくても済むように、スーパーカブシリーズの多くはチェーンカバーでチェーン全体が覆われています。
ヘッドライトはLEDでアウトドアテイストのデザインの中にも先進性が感じられます。
荷物を積むための小型キャリアを兼ねたヘッドライトガードが、タフさや遊び心など、クロスカブのコンセプトを体現しています。
新設計の空冷4ストロークOHC単気筒エンジンは従来型よりもロングストローク設計となり、最大トルクを向上させつつ燃費性能もアップ。
従来型よりもおおらかさを感じる加速フィーリングですが、十分な力強さを感じることができます。また、一定速でのクルージングにおける快適性はスーパーカブ110以上にスムーズなのが特徴となります。
タフなリアキャリアは大きな荷物を積んでもビクともしない強度が与えられ、キャンプツーリングなどの大量の荷物でもしっかり積むことが可能です。
ちなみにクロスカブ110の乗車定員は2名となっており、このリアキャリアには人が乗っても問題ありません……ただ、このままでは少々お尻が痛いかもしれませんので、二人で乗る場合はパッセンジャーの快適性にもご配慮ください(笑)
シートは肉厚で座り心地も快適。街乗りだけではなくツーリングなどの長時間乗車にも配慮されています。
遊び心満点のメーターはスピードメーターがアナログでスポーティさを感じるデザイン。今回のモデルチェンジでは液晶パネル内にギアポジションインジケーターが追加され、時計の表示も可能となっています。
ベースとなるスーパーカブ110よりもストロークが長めに取られたリアサスペンションは軽いオフロード走行にも対応。とてもしなやかな動きをするサスペンションで、アスファルトの上では非常に快適な乗り心地を楽しむことができます。
【文:北岡博樹(外部ライター)】
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